|   月に一度、活動源の補給に決まって行くところがある。 
                    往復200kmの距離を、元気が出る美味しい食べ物を求め、片道1時間半かけて奈良県まで名阪を使い通年足しげく通っている。 
                     
                    20年前には、屋台の前に順番待ちの列ができて、数十分並ぶこともしばしばで、ベンチに丼を置きラーメンをつくぼって(しゃがんで)食べることで有名だったのだが、最初このスタイルを経験したときには、異様な雰囲気に驚いて落ち着かず食べた気がしなかったことを覚えている。 
                    この味を覚えるとやみつきになり、最近では場所も大型ショッピングセンターの敷地内に移り、夜間のみ広い駐車場の一角に即席でテントを張った屋台が出来上がる。 
                    昔とは違って今では机と椅子が用意され腰掛けられて行儀よくなり、白菜が一杯入った醤油ベースの変わらぬ味を楽しめるようになった。 
                    他に同じ名称で店舗を構えたところは、奈良県内だけでも何ヶ所かあるが、ここの屋台でないと気分がでないのである。 
                     
                    にんにくが最初から実によく効いてはいるが、それでもまだもの足りないという人は、自分の好みでさらに加えることができ、表面は見るからに脂ぎっているものの、食べてみると意外にあっさりしていてくせがなく、わたしなどずっと飽きずに3玉入った特大を食べてきたが、最近は寄る年波には勝てず、あとで苦しくなってくるので、心ならずも2玉の大に甘んじている。 
                    腹八分目とは昔の人はよく言ったもので、食欲だけに限らず、ほかの欲に対しても常に謙虚で控えめでありたいと願うばかりである。 
                     
                    食べた後は当然ではあるが、にんにくのにおいが体中から発散し、翌日まで周囲には不快極まりない迷惑をかける羽目になってしまうのである。 
                    しかし、食べればもりもり元気が出て、にんにく効果絶大であるがゆえにストレスが蓄積し、日々エネルギーが切れてくると200kmの距離を、たかが10分程で食べるラーメンのために3時間かけて、せっせと往復する私である。 
                     
                    そのためだけではないが、2005年10月1日に納入されたアコードは2年3ヶ月の間に48,000kmを走行しているものの、文句も言わず不機嫌にすねることもなく、私のわがままにただひたすら忠実に付き合ってくれていることに感謝している。 
                     
                    アコードの前のインテグラも12年間で185,000kmを走り込み、十分に役目を果たしてくれたことを思い出し、雨漏りさえなければきっとまだ今でも乗っていて、軽く20万kmは突破していただろうと思うと少し心残りではある。 
                     
                    今はただ、アコードの車内がにんにくのにおいで充満しないことを願って止まない。 
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