健康優良車

shamanさん （60代／三重県）

2013年11月4日の投稿

私は数日前に愛車アコードに乗って病院へ人間ドックを受けに行ったが、今年も又目を覆うような惨憺たる数値結果で、ショックを隠し切れず、帰り道のことをよく覚えていない。生身の身体ゆえ年齢からすれば当然なのかもしれないが、アコードのような強靭でタフな心臓部と粘り強い健脚でしなやかな足回りが欲しいとつい本気で、ないものねだりを思ってしまうし、恵まれた健康優良車のアコードがうらやましくもある。心身ともに弱る私をしり目にアコードはますます快調に日々の走行を重ねている。袋小路藪小路を手探りで歩む私と違って、見渡す限りの大平原のなかを行く直線道路を迷いなくまっしぐらに突き進むといったイメージがアコードにはあるのだろう。いつも心もとない私の運転操作とはいえ、逞しいアコードの理想的な走りにイメージを重ねているのだ。きっとアコードは不完全燃焼のままなのであろうが、そんなことは素振りも見せず、クールながらも私に合わせて力を抜くことなく疾走してくれる健気さが好きなのだ。優柔不断な私のためにもてる力の半分も出し切れないでいるアコードなのである。哀れと思う反面、常に余裕ある走りで私を見捨てることなく支え続けてくれる心優しきアコードに頭が上がらない私である。