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「意のまま」にこだわった、「自動運転」ならぬ「自由運転」とは?

「意のまま」にこだわった、「自動運転」ならぬ「自由運転」とは?

  • 自由運転
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近年、注目が集まっている、自動車の「自動運転」。将来的には、どこへ向かうにも完全自動運転のクルマが登場するとされています。そんな中、完全自動運転が実現した時代に、パーソナルカーで移動することの価値とは何か、を考えた自動運転コンセプトの一つとして、「自動運転」ならぬ「自由運転」の研究が行われています。 研究を主導する、本田技術研究所の鈴木健之(すずき・たけゆき)さんに聞きました。

原点は「意のまま」に走れるクルマ

研究が始まったのは、2017年のこと。鈴木さんは、「意のままに操る楽しみと、それがちゃんと生活とリンクするクルマを作りたい」という思いから、活動をスタートさせました。
「Hondaのこだわりはなんだろう、というところが原点です。研究所の中で色々な部門の方と議論をしましたが、その中でも『意のまま』というワードが自然と出てくるんです。『意のまま』というのは、Hondaのアイデンティティーなのかなと思い、ならば、それが進化したかたちをどうにか表現する形で作れないかなと思いました」

研究のリーダー・鈴木健之さん研究のリーダー・鈴木健之さん

構想から2年。できあがったコンセプトモデルは、足元にペダル類がなく、いわゆる「運転席」と「助手席」の間にステアリングを置いたものとなりました。普段はそのまま自動運転をすることを想定していますが、人がクルマの操作をするという場合は、ステアリングを人の前に自由に引き寄せることができる構造になっています。ステアリングを押せばアクセル、引けばブレーキになるなど、基本的な操作をすべてステアリングにまとめています。スティックやボタンで操作をする案もあったそうですが、鈴木さんは、あえて丸いステアリングを選びました。

「自由運転」のシミュレーター。中央にステアリングが配置されている「自由運転」のシミュレーター。中央にステアリングが配置されている

「(丸いステアリングならば)ドライバーの思いを簡単に伝えやすいと感じました。右か左か、回すだけでいいので、簡単ですよね?小さな子どもでも、手押し車やペダルカーで、ステアリングを回しながら走っています。ステアリングは、すごく直感的なアイテムなのではと感じました。」

AからBへ、ではなく、散歩のように

鈴木さんは、いわゆる『自動運転』は、Aという場所からBという場所まで、いかに効率よく移動できるかという部分に行きつくと考えています。しかし、それでは「目的地」があることが前提で、目的地が決まらないと運転できないということに「不自由さ」を感じていました。目的地を決めず、心の赴くままにどこへでもドライブする。自由運転が目指す方向性を、鈴木さんは「散歩」という言葉に例えます。

研究グループが思い描く「自動運転」と「自由運転」のイメージ研究グループが思い描く「自動運転」と「自由運転」のイメージ

「目的地を決めないで移動して、季節を感じたり、偶然会った人との出会いを楽しんだり。ドライブにも、昔は散歩のような感覚があったはずです。クルマをパワードスーツのような『身体拡張装置』まで昇華できれば、散歩の範囲が大きく広がるのではと思いました。もっと遠くへというだけでなく、狭い道でも自信を持って入っていけるようになる。散歩は色々な好奇心を生み出すわけですが、その機会がもっと増えるわけです。自由運転コンセプトを簡単に言えば、『お散歩車』です」

クルマであることの大切さ

しかし、単に「お散歩」とだけ考えるのであれば、バイクなど、1人で動ける手段でも、実現できそうにも思えます。しかし、鈴木さんはあえてクルマにこだわりました。
「モビリティー(移動手段)を小さくすればするほど、行動範囲も狭くなると感じました。バイクとクルマを比べた時、行動範囲が広いのは、圧倒的にクルマの方だと思うんです。なぜかといえば、気を抜いたときに、休めるスペースがあるかどうか。いつでも休めるのも意のままでありたい。クルマという空間の広さや大きさは、行動範囲を広げるためには必要だと考えました」
しかし、実際のクルマとしての空間づくりは、まだまだ先のこと。どのような形になって表れるのかにも、注目したいところです。

クルマの未来は、どこへ進む?

「今回は、あくまでビジョン作りとして、シミュレーターを出しました。自動運転が実現した未来で、どのような社会を作っていきたいか、という私たちからの問いかけです」鈴木さんは、そう話しました。自動運転が実現した未来で、家族一緒に、あるいは仲間内でどこかフラっと出かける。鈴木さんが描く「自由運転」が実現すると、クルマはもっとワクワクしたものになるのかもしれませんね!
そして、この自由運転の研究は、モビリティーに関わる人に限らず、さまざまな業界の方に意見を伺いながら進められています。デザインや建築などの世界で活躍する皆さんに、自由運転を体験していただいた特集記事もあります。ページ下の「関連情報」にまとめましたので、ぜひ、そちらもチェックしてみてください!

Published on 2019.11.14

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