季刊うかたま
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写真=高木あつ子 文=おおいまちこ

今回の耕す女子
- 埼玉県羽生(はにゅう)市齋藤 万紀子さん(さいとうまきこさん)
- 1981年、埼玉県羽生市生まれ。明治学院大学国際学部卒。卒業後、柔道整復師の資格を取得。2011年に結婚。現在は玄米給食が人気のなずな保育園で週3日、調理員として働く傍ら、NPO法人「未来のたね」に所属し、食や子育て活動に取り組む。畑歴18年。家族は夫と男の子が2人。
〝無〞になれる草取りが好き
「私、草取りってけっこう好きなんです。あれって、瞑想と同じだと思いません?」
今回の耕す女子、齋藤万紀子さんに畑仕事の好きなところを尋ねると、開口一番、こんな答えが返ってきた。鎌を片手に作業している間は、頭の中が真っ白になり、終わったあと、すっきりする。〝無〞になって集中できるところがお気に入りらしい。
ここは、万紀子さんの地元、埼玉県北東部に位置する羽生市の田園地帯。大学進学と同時に実家を離れて都会暮らしを続けていた万紀子さんだが、7年前、出産を機にUターン。現在は、実家の離れに夫と2人の子どもの家族4人で暮らしている。
榎や桜の木々に囲まれた実家の敷地には200坪ほどの家庭菜園があり、季節の野菜を育てている。今日は大好きなシュンギクをはじめ、冬が旬の菜っ葉の種をまくための畝うね立て作業。小型耕うん機「こまめ」を使い、しばらく手がつけられないでいた畑の一角を耕した。
硬くなっていた土も、ゆっくりと2〜3往復すると、空気を含んで生き生きとよみがえった。さらに耕うん機に培土器を取り付け、畑を耕すのと同じ要領でクラッチレバーを握ると、「うわっ、すごく立派な畝ができる! 〝こまめ〞は、軽いけどパワーもあって安定感があるから運転しやすい。女性でも安心して使えますね」。
畑の片隅では、万紀子さんの祖母、須藤きいさんがせっせと草取りに励んでいる。聞けば御年96歳。きびきびとした働きっぷりに思わず目を見張る。放っておいた畑が雑草に覆われずにきれいなのは、何を隠そう、きいさんのおかげなのだそうだ。





「動きやすいので、デニムなどより、レギンスをはくことが多いです。寒い時にはレッグウォーマーを重ねます」と、万紀子さん。大学のゼミで農作業を始めた頃から、首元はいつも手ぬぐいでカバー。「手ぬぐいは吸水性があって、乾くのも早い。大好きなのでいっぱい持っています」