季刊うかたま
http://www.ukatama.net/
写真=高木あつ子 文=おおいまちこ
今回の耕す女子
- 東京都世田谷区関田 未歩さん(せきたみほさん)
- 1979年千葉県松戸市生まれ。畑歴9年。文化女子大学(現・文化学園大学)卒。文化服装学院ジュエリー科助手を経てジュエリーメーカーに勤務。2008年、和敏さんと結婚。09年、退職して就農。小学2年生と1歳半の男児の子育て真っ最中。
都市部にある小さな農園で
東京・世田谷区の閑静な住宅街。三方を戸建て住宅と集合住宅に囲まれた小さな農園「そらまめ農園」では、名前の由来であるソラマメが収穫期を間近に控えてすくすくと成長中。ふくらみ始めたさやが、初夏を思わせる青い空に向かい、背筋をピンと伸ばすように実っている。
「こっちが〝陵りょう西さい一いっ寸すん〞という一般的な品種、あちらのさやが細長いのが〝ファーベ〞といって、生でも食べられるイタリアのソラマメです」と、関田未歩さん。
よく見ると、ソラマメにはつきもののアブラムシが茎や葉にびっしり。無農薬、無化学肥料で野菜を育てている「そらまめ農園」では、栄養を吸い取ってしまうこの害虫を「絵筆を使って退治する」とのこと。ひと株ずつ筆で虫を払い落とした後、でんぷんを水で溶かしたものや、酢や焼酎などが材料の手づくり自然農薬「ストチュウ」を吹きかけて防虫する。
150坪*ほどの露地畑は上手に区分けされ、小さな畝うねが何本も立っている。ソラマメの他にも、スナップエンドウ、ラデッシュ、カラシナなどなど、野菜がいっぱい。
「小さな畝ごとに順繰りに野菜を栽培しているので、畑全体をいっぺんに耕すことはほとんどないんです。収穫し終わったタイミングで必要な時にひと畝ごと耕しています」と、未歩さん。この日は、夏野菜用に畑の南側の2本の畝を、ガスパワー耕うん機「ピアンタ」で耕した。
「ピアンタは、機体が軽いので扱いやすいし移動もラク。燃料がカセットガスなので、気軽に使えるところがいいですね」
米ぬかを主体にした発酵肥料による土づくりで見た目にも健康そうな土が、「ピアンタ」で耕すとさらにふかふかになってきた。
*150坪=5畝、約500㎡。
「風通しのよい素材の服を選んでいます。夏なら麻。といっても、ユニクロのシャツですが(笑)」。日焼け対策は、手ぬぐいで顔を覆い、つばのある帽子を被る。履物は足首までのガーデニングブーツを愛用。「長靴は蒸れるからイヤなんです。このブーツはあがりまでラバーになっているので、少々濡れても問題ありません」