季刊うかたま
http://www.ukatama.net/
写真=高木あつ子 文=おおいまちこ

今回の耕す女子
- 茨城県古河市秋庭寛子さん(あきばひろこさん)
- 1985年生まれ。埼玉県久喜市出身。文化女子大学卒。畑歴2年。OL時代にハーブと出会い、『Herbal Forest』の北川栄惠氏の下で学ぶ。ビーガンレストラン『アインソフ』銀座店に勤務。その後、2013年に結婚。家族は夫と3歳、2歳の男の子。
夫の故郷に移住し農業を
「ミントって、じつは300種類くらいあるんですよ。アイスドリンクに合うミント、アイスクリームによく使われるミント……。これは、キューバ原産の〝イエルバ・ブエナ〞。カクテルの〝モヒート〞に使われるミントで、バーやレストランなどに定期的に送っています」
今回の耕す女子、「秋庭農園」の秋庭寛子さんは、ハーブティーブレンダー。銀座のレストランで働いていた27歳の時、同じく銀座界隈のレストランで料理人として働きながら、実家の畑で野菜づくりをしていた覚さとるさんと出会い、縁あって結婚。本格的に農業に取り組むため、2 0 14年、覚さんの故郷である茨城県古河市に家族で移り住み、16年4月、夫婦そろって新規就農した。
今は17代続く米農家である覚さんの実家を拠点に、計5町4反*の田畑で米、ブロッコリー、ズッキーニをメインに栽培。寛子さんが担当するハーブ畑は、全体からするとごくわずか。今後、少しずつ顧客を増やしながら畑を広げていく計画だ。
農業のかたわら、2人が力を入れている取り組みの一つが、保育園児から大学生までを対象にした食育活動だ。ハーブ畑の向かいが保育園用の食育畑になっており、見ると、ダイコンやカブの青々とした葉が生い茂っている。
「今は4つの保育園の園児たちが定期的に畑にやって来ます」と、寛子さん。収穫した野菜を園に持ち帰って食べたり、野菜にまつわる絵本の読み聞かせをしてもらったりと、五感を育みながら、幅広く農に親しんでもらう場にしているという。
ダイコンの畝うね間ま を耕すため、寛子さんがガスパワー耕うん機「ピアンタ」のエンジンをかけた。
「ピアンタは、翼が生えているかのような手軽さがいいですね。女性は臭いとかが気になってガソリンを扱うのがイヤだから、燃料がカセットボンベなのもうれしいです」
子どもたちが収穫にやって来る日を心待ちにしながら、軽やかに畝間を耕し、草も退治していく。
*1町=10反、3000坪。約10000㎡ 1反=300坪。約1000㎡




普段、畑で作業する時は、お義母さんの化繊の花柄のエプロンを愛用。「汚れても目立たないし、汚れが落ちやすいし、乾きやすい。それに畑の中でも目立つところが気に入っています。でも、同世代には受けませんよね(笑)」。イベント時は、デニム地のシャツとジーンズ、黒のエプロンでナチュラルな雰囲気に