季刊うかたま
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写真=高木あつ子 文=おおいまちこ

今回の耕す女子
- 千葉県いすみ市青木 昭子さん(あおきあきこさん)
- 1989年ケニア・ナイロビ生まれ。1歳から千葉県いすみ市で育つ。畑歴10年。千葉県立農業大学校卒。農業生産法人勤務を経て、2014年10月から千葉県山武市の有機農園「サンバファーム」「三つ豆ファーム」「ナナメファーム」で1年間研修。15年1月に結婚。16年1月、いすみ市で農園「タロとあき」をオープン。
野菜と花とハーブの畑で
「ペチュニアっていう、よく見かけるこの花も、じつは食べられるんですよ。これはナスタチウム。和名でいうキンレンカも、エディブルフラワーとしてよく使われています。紫色のものが人気なんです」
竹林と雑木林に囲まれた畑を歩きながら、青木昭子さんは、食べられる花=エディブルフラワーを次々と紹介してくれた。手渡されたオレンジ色のナスタチウムの花びらをぱくり。ぴりっと、どこかクレソンを思わせる味がする。
一反*半ほどの畑には、トマトやキュウリのような馴染みの野菜に混じって、色とりどりのエディブルフラワーがそこかしこに植わっている。耳慣れない野菜、ハーブなどもいっぱい。食感がアスパラに似ているという中国野菜のカイラン、イタリア料理に使われるタルティーボ、食用の一口ひょうたんなどなど。これらの珍しい野菜や花は、主に地元の飲食店や料理教室に納めたり、マルシェなどで販売しているそうだ。
夫の太郎さんが、軽トラックにミニ耕うん機「こまめ」を積んでやって来た。昭子さんは、狭い畝間や空いている畑をあちこち耕うん。竹やぶを開墾して畑にしたこの場所は、耕していると今でも、地下を這っていた太い竹の根の切れ端が出てくることもしばしばだ。その根を手で取り除きながら耕し、その後、アタッチメントの培土器を手早く取り付け、畝を立てた。
「『こまめ』は深く耕せるし、培土器を使えば畝もきれいにできる。ここには枝豆の種をまこうかな」
昭子さんは、まっすぐにのびる畝を見て、ほっと息をついた。
(注)食用として栽培・販売されていない花は食べないでください。
*1反=約1000㎡、300坪



**観賞用のひょうたんは食べられません

畑仕事の時は「グリーンマスター」という作業用の長靴がお気に入り。「ウエットスーツの素材でできているから、水に強いんです。足にフィットする作業していても、泥が入ってくることがないんです!」この日着用のもんぺは、おばあちゃんのお下がり。家の蔵で見つけたとか