準備編
軟らかい作土層をつくる
畝立て前の耕うんが鍵!
畑でおいしい野菜を作るために欠かせないのが畝立てだ。家庭菜園でも、耕うん機と培土器を使って畝立てをする人が増えている。だが「畝が曲がる」「十分な畝の高さが出ない」など、難しさを感じている人もいるのではないだろうか。上手な畝立ての第一歩は準備段階の耕うんにある。畝が曲がる、高さが出ないといったトラブルの原因は、耕うんが足りていないという場合が多い。培土器を付ける前に、まずはしっかり畑の土をほぐし、均一に軟らかい作土層をつくる。土の硬さが場所によって違うと、土中が凸凹と波打ち、畝立てのときに耕うん機が左右に振られ曲がる要因になる。しっかり耕うんすることは、畝を盛るための土をたっぷり作っておくためでもある。硬い土壌の場合は、タテヨコそれぞれ複数回にわたって耕うんすることもいいだろう。畑全体が充分にほぐれてきたと感じたら、仕上げにまっすぐなラインを意識して耕うんをしておこう。このひと手間が、上手に畝を立てるコツだ。耕うんの跡が轍として残るので、それを目印に培土器を進めることでまっすぐな畝ができ上がる。さらに、目線と姿勢もポイントだ。畝立てのゴールを目標にして前進させるのが、まっすぐな畝立てのコツだ。


- (左)耕うんのあと、まっすぐな抵抗棒の轍が残る。この轍に沿って畝立てをすると上手な畝立てができる
- (右)どの作業でも言えることだが、まっすぐに機械を走らせるには目線は足元ではなく、遠くに目印を定め、それに向かって進めるのがコツだ
基本編
培土器の設定を
覚えて好みの畝にしよう
畝立ての準備が整ったところで培土器を装着する。培土器による畝立てでは、畝の幅と高さが調整できる。畝幅は羽根の開き具合で、深さは接続部のダイアルを回し、すき先の角度で調整する。今回は、ニューイエロー培土器で試してみた。まずは深さを標準的な設定で羽根の開き具合を最大と最小にして往復すると、最大の設定では、すそ野が広い幅広の畝が、最小の設定では、角度のついた狭めの畝ができた。最大の方では抱える土量が増えるため、大きな畝を作れるが、牽引力が必要で難易度も上がる。標準的な深さの設定は地面と培土器を平行に置き、すき先と地面の間に指一本入る程度にする。それよりも上向きにすると、土の中に入りにくく低めの畝ができる。反対に下向きに角度をつけすぎると、培土器が埋もれて前に進みづらくなる。このように基本の設定を理解すれば、畑の土質や作りたい野菜に合わせて最適な畝が立てられるだろう。
ニューイエロー培土器






- ①羽根を狭めると培土器にたまる土の量が少なくなり、浅めの幅が狭い畝ができた。
- ②羽根を広げると土の量は多くなり、幅広の畝に。
- ③ニューイエロー培土器の標準的な深さの設定は、すき先が地面に平行に、指一本分ほど浮いている状態。
- ④すき先を下向きに下げすぎた状態で作業すると、途中で前に進まなくなってしまった
応用編
強力な助っ人で
楽な畝立てを体感しよう
次に、耕うん機の牽引力を上げてより楽に畝立てができるアタッチメントを紹介しよう。それがニュースターローターDX(以下ニュースターローター)と、F220 畝立て車輪セット(以下、畝立て車輪セット)だ。培土器の設定は、羽根を最大まで開き、すき先を標準的な角度にして2つのアタッチメントを試してみた。標準爪では進みづらさを感じる設定だが、爪をニュースターローターに変更すると爪が土に良く食い込むので牽引力が上がり、難なく畝を立てることができた。さらに、サイドのプレートを外し、畝たて車輪セットを取り付けて試すと、驚くほど負荷が軽くなりまるで別の作業をしているような感覚になった。
畝立て車輪セット


ニュースターローターのサイドに付いているマジカルプレートを外して畝立て車輪セットを装着。牽引力、直進性がさらにUPした
ニュースターローター


標準爪をニュースターローターに替えると、牽引力がUP。作業がスムーズに進むのが実感できた
畝立てをマスターし
野菜づくりを楽しもう
土質や作りたい野菜に合わせた畝を立てることができれば、野菜づくりの上達につながるはずだ。そのためには、事前の準備や培土器の設定をしっかりと理解し、あなたが理想とする畝が立てられるよう、挑戦してほしい。