一歩先行く耕運機活用術 一歩先行く耕運機活用術

  • 文●鑓田浩章
  • 写真●松木雄一
vol3

耕うん機の特徴を知って
自分に合ったモデルを使おう。

家庭菜園を楽しんでいる人にとって土を耕すといえば、鍬を使うのが一般的。家庭菜園で耕うん機の導入を考えている人は少ないのではないだろうか。今回は、いつもは鍬で耕している方に、初めて耕うん機を使ってもらい、初心者が耕うん機を選ぶ際のポイントについてまとめてみた。

鍬から小型耕うん機へ
発想を転換してみる

家庭菜園歴15年の本多美奈子さんは、菜園サークルで野菜づくりを楽しんでいる。「広い畑ではないので耕うん機を使おうなどと考えたこともありませんでした。でも、最近は鍬を使った作業に体力の限界を感じ始めています」そこで今日は、いつもの鍬に代えて、耕うん機に初挑戦してもらった。「機械を使うのは初めてなので、ちゃんと使いこなせるのか心配…」不安げな本多さんだが、以前から興味があった耕うん機を前に好奇心が勝ったようだ。今回は、エンジンが同じ大きさの2つのタイプを使い比べてみた。

車軸式
  • ● エンジンの力を耕うん爪の回転に利用する
  • ● 爪が回転することで耕うんと前進を行う
  • ● 抵抗棒を土に入れる量で、深さと速度を調整する
  • ● 構造がシンプル、軽量でコンパクトなタイプが多い
ロータリー式
  • ● 耕うん爪の他に 駆動用のタイヤを備える
  • ● 前進・後進はレバーを握るだけ
  • ● 設定した深さで一定の耕うんができる
  • ● 車軸式に比べ構造が複雑で、サイズ・重量が大きい

多彩に使える万能派
車軸式耕うん機

「想像したよりも小さいんですね」と言って、最初に手に取ったのは車軸式の耕うん機「こまめ」。車軸式は、耕うん爪が土をかきながら前に進むシンプルな構造だ。本多さんがクラッチレバーを握ると「こまめ」は勢いよく前に飛び出した。初めてだと機械に引っ張られるようになってしまうことがあり、前には進むがあまり深く掘れていない。車軸式の耕うん機で初心者を悩ませるのが、耕うんの深さや速度の調整だ。使いこなすコツは抵抗棒の活用だ。ハンドルを下げて抵抗棒を土に押し付けるようにすると、耕うん機は前に進むことなくグイグイと土に食い込んでいく。そこから抵抗棒を浮かすように少しずつハンドルを上げていくと、耕うん機が前進をはじめる。このコツさえつかめば、あとは簡単。

初めての操作はおっかなびっくり
小さくても深く、しっかり耕せる
慣れると自由自在

ハンドルを上下に動かしながら「こまめ」を操る本多さん。「最初こそ不安でしたが、これなら使いこなせそう。深く耕うんできるし、小回りが利くので小さな畑でも活躍できますね」車軸式は野菜づくりの多彩なシーンで活躍しそうだ。

簡単、コツいらずの
ロータリー式耕うん機

続いてロータリー式の「サ・ラ・ダ」に挑戦した。「ギヤレバーとか動かすところがいっぱいあって難しそう」と第一印象では敬遠していた。エンジンをかけてレバーを握ると、驚くほどアッサリと耕うんを始めた。「エッ? 握るだけなんですね」と「こまめ」との違いに驚きを隠せない本多さん。車軸式と違って、ハンドル操作をしなくても一定の深さで耕うんを進め、畑が出来上がっていく。タイヤ付きのロータリー式は、最初に設定すれば深さも速さも調整がいらない。実は初心者にやさしい耕うん機だ。「簡単に深さを変えて畑をつくれると、さまざまな野菜づくりの楽しみも広がりますね」続いて耕うん速度を2速に上げて試してもらった。「2速だと作業が捗りますね。私にはこれくらいの速さがちょうどいいです」。広い畑があっという間に耕されていく。「広い畑にはコツのいらないサラダのほうが向いているような気がします」耕うんや深さの容易さを実感する本多さんだった。

レバーを握り、あとは耕うん機にお任せ
シフトレバーを操作することによって耕うん、移動に切り替え、 速度変更も可能

自分のスタイルに合った
耕うん機を探してみよう

どちらのタイプを選んでも手作業と比べると驚くほど楽に耕うんできた。「鍬を使った作業の翌日は筋肉痛ですが、これならからだへの負担も、耕うんも短縮できて他の菜園作業に時間がとれそうです。私はこまめが気になりました」と本多さん。機械の操作に不安があって、広い畑を楽に耕うんしたいならロータリー式がおすすめ。一方小さな車軸式なら狭い畝間にも入っていけるので中耕など幅広いシーンで積極的に活用できそうだ。鍬から耕うん機へ、自分に合った耕うん機のタイプを探すことから始めてみませんか。