一歩先行く耕運機活用術

vol17

コンパクト&燃料が手軽な耕うん機
「ピアンタ」を存分に活用してみよう

ライター/小田ゆかり、写真/福地大亮

家庭菜園を続けると耕うん機の導入を意識するようになるだろう。しかし、大きいサイズは扱えるのか、耕うん機のガソリン燃料の取扱いができるのか悩む人もいるのではないだろうか。そんな人の選択肢となるコンパクトかつカセットガス燃料の「ピアンタ」の実力を検証してみた。

本格的に使える?
『ピアンタ』の実力を検証

耕うん機の活用で菜園生活が豊かになったと実感する人も多いだろう。一方で、耕うん機のサイズや燃料のガソリンに対しての扱いに不安があり、踏み出せない人もいると聞く。ただ導入するなら、畑の作業にちゃんと使えるものを所有したい。そんな人たちへ選択肢のひとつとしておススメなのがHondaの『ピアンタ』だ。ラインアップのなかで最小排気量、燃料はカセットガスという手軽な機種だ。実際に本体を目にすると、コンパクトで、確かに手軽に扱えそうだ。ただ、このサイズで、家庭で使う卓上コンロでお馴染みのカセットガスが燃料となると、本格的な作業ができるイメージはわいてこない。さっそく、この小さな耕うん機が「畑の作業でどれほど活躍するのか」を検証してみたい。

見た目は小さいけれど
耕うん力はパワフル!

最初に試したのは耕うん作業だ。作業を始めてみると、土にしっかり爪が入り、コンパクトな見た目以上にパワフルに耕していく。パワーが劣るカセットガス燃料を使用している分、耕幅はやや狭めに設定されているが、深さや土の混ざり具合は申し分なく、しっかり耕せた。しばらく耕していない畑も何度か往復するとフカフカになった。

燃料は、カセットガスを専用ケースに入れて本体に装着するだけ。手を汚さず燃料交換でき、持ち運びも保管も楽。1本で約1時間の耕うん作業が可能だ
※東邦金属工業(株)のカセットボンベを推奨

牽引力も十分!
畝立てにも使える

次に、アタッチメントの培土器を取り付け、畝立てを試してみた。培土器を付けた畝立ては、掘り起こした土をかき分けながら進むため牽引力が必要だが、『ピアンタ』はどうだろうか。まず小型耕うん機に適した小さめな畝が立てられるグリーン培土器で作業すると、難なくきれいな畝ができた。次により本格的な畝が立てられるニューイエロー培土器を深めの設定にして高めの畝を作ってみた。きれいな畝は完成したが、やや作業が苦しく感じた。高めの畝で土の量が多かったり、水分を多く含む時は、別売りの培土車輪が活躍する。標準爪から培土車輪に交換すると牽引力が上がりスムーズな作業が可能になる。ぜひ試してもらいたい。

グリーン培土器を使うとなだらかな畝が、ニューイエロー培土器ではしっかり高い畝が立てられた。野菜の種類や土質に合わせた畝立てが可能なことが実証できた

標準爪を培土車輪(右写真)に換えると牽引力がUP。土が重たいときや畝の高さを出したいときにも有効だ

中耕や除草作業では
小さいサイズが活きる

ここまで『ピアンタ』の手軽だけど本格派という実力を検証してきたが、魅力は耕うん力だけではない。たとえば『ピアンタ』は外爪を外すことも可能で、内爪のみだと幅20センチになり、さらに耕幅を狭くできる。その特性を活かすと畑の隅での作業や、中耕作業にも重宝だ。また、「スパイラルローター」を装着すれば除草にも活躍できる。上手に刈るコツは、ゆっくりとハンドルを左右に振りながら進むこと。刈りムラが少なくなる。機体が重いと左右に振るのは大変だが、小型で軽い『ピアンタ』だからこその取り回しのしやすさが、除草作業では活きてくる。

外爪を外せば、より耕幅を狭くできる。本格的な耕うんから狭い場所の耕うんまで用途は広い

除草用アタッチメント「スパイラルローター」(左上)を付け、ゆっくり左右に振りながら除草をするのがオススメ。刈りムラなくきれいに除草できた(左下)

『ピアンタ』なら
移動も車載も便利!

移動用車輪とキャリーボックスが標準装備されているのも魅力だ。軽く手押しできるので、菜園内での移動も便利。たとえば市民農園などで水場がないところでも、キャリーボックスを付けることで、作業でついた土汚れを気にせず車のトランクに載せることができる。あとは自宅に持ち帰ってからゆっくり水洗いすればよい。こうした使いやすさも、「ピアンタ」の利点だと感じた。

作業後は、車輪付きキャリーケースで耕うん爪をカバーし、移動も楽々。ハンドルを折り畳めばよりコンパクトになるうえ、軽量で車載も簡単

手軽な耕うん機の活用で
菜園生活をエンジョイ!

今回の検証で、小型&カセットガス式の手軽な耕うん機でも、本格的な作業を十分にこなせることが検証できた。作業も取り扱いも手軽なので、初めての耕うん機を検討している人にもオススメだ。畑づくりに耕うん機を取り入れると、手作業より楽になることはもちろん、野菜づくりの上達にも役立ち、菜園生活の新たなステージに踏み入ることができるだろう。耕うん機の導入をためらっている人も、菜園生活をさらにエンジョイするために、ぜひ一歩を踏み出してみてほしい。