タイプの違う耕うん爪を
畑で体感してみた
家庭菜園を楽しむには、土起しは欠かせない作業。耕うん機を使うことで、素早くより楽に負担なく作業できることは知っていても、耕うん爪の違いまで意識して、耕うん機を眺めたことはないかもしれない。今回は、特徴の違う3つの爪を実際に畑で試してみた。協力してくれたのは、埼玉県宮代町にある株式会社新しい村のスタッフで耕うん機のスペシャリスト・小島康雄さんと機械を使った土起こしは、初体験の今井真紀さん。冬を越し雑草が残る少し固めの畑で3種類の爪の違いを体感してもらった。
標準耕うん爪

バランスが良い、
幅広い畑で使える
- ・シンプルでお求めやすい価格
- ・軽量だから取り回しやすい
ドラム式耕うん爪

草の巻き付きを気にせず
一気に耕うん 検証した爪:ニュースターローター
- ・軸が太いから草が巻き付きにくい
- ・直進性が良く左右に振られない
- ・推進力が高く培土作業にも効果的
深耕爪

固い土にも食い込み、
深く土を起す。検証した爪:ミラクルローター
- ・耕うん爪よりも深く掘れる
- ・食い込み性が高く固い土に強い
- ・土の塊を残したまま耕うんできる
1こまめの標準耕うん爪を体験
定番耕うん機の爪の実力は?
耕うん機でよく見かけるのがこのタイプの爪。使い心地は果たしてどうだろうか。初めて使う今井さんは「簡単に使えた!サクサクと耕うんできて楽しい」と微笑んだ。機械に慣れている小島さんの感想は「耕うん中も振動が少なくて、使いやすいね。普通の畑だと食い込みも十分。」気になるところはあるだろうか。「草の多いところだと、少し巻き付きがあるのと、固い土だとちょっと機械が跳ねるかな」耕うん後の畑を見ると、柔らかくなった土が広がっている。
2ニュースターローターは
草を気にせず楽チン耕うん。
その名の通り星型の太い軸と両脇の尖ったディスクが特徴的。標準耕うんローターと比べてみると「これだけ草が多い畑でも、草がほとんど絡まりませんね。」と、満足な様子の小島さん。耕うん性能も実感できる。「サイドディスクが効いていて土に食い込んでいきます。簡単に真っ直ぐ進んでいきますね。長い爪と重みを活かして、しっかりと耕うんできます。」このサイドディスク、左右を付け替えることで、沈みにくくなる。やわらかい砂地や黒土の地域でも十分に活躍できる。
作業の種類や畑の状況に
合わせた爪選び
3つのローターを使ってみてわかったことは、仕上がり具合も使用感も三者三様、特長もみな異なることだった。標準耕うん爪でも、これがもの足りないということはない。ニュースターローターは、草絡みの強さは前評判通り。標準ローターと比べると1ランク上の耕うん性能も実感できた。ミラクルローターは、その深さや固い土への強さは他の爪では難しいシーンで活用できる。
爪の特徴を組み合わせた
一歩先行く畑づくり
耕うん爪による土の仕上がりの違いを活かした使い分けもできそうだ。ミラクルローターで荒起しをした後に、標準耕うん爪で、土の浅いところを細かく仕上げれば、根の育ちやすい大小の粒が混ざり合った団粒構造の土も簡単に作れる。耕うん機は爪選びにもこだわってひとつ上行く、土づくりにぜひ挑戦してほしい。
- テクニック❶
- 車軸耕うん機は後部の抵抗棒で耕うん速度が決まる。
抵抗棒を土に押し付けることで、 同じ場所にとどまり深く掘れる。


- テクニック❷
- 同じ場所にとどまり、ハンドルを左右に振り
耕うん機を傾かせることで、さらに深く掘ることができる。

