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しなやかさを追求した
フレーム

ダカール・ラリー参戦モデル「CRF450 RALLY」や初代アフリカツイン「XRV650 Africa Twin」等でも採用したセミダブルクレードル構造を採用。
異型楕円形状のメインパイプ材の採用や各種スティフナー等の最適配置により、タフなオフロード走行から、荷物を満載にした状態での高速走行まで、幅広いシーンでの優れた走行性能を両立させています。

エンジニアは語る

あまり外観のイメージは変わりませんね。 「そうですね。でも、ほぼ全てが新しくなっていると言っても過言ではありません。今回の新しいアフリカツインで目指したのは、従来モデルの基本性能を受け継ぎながら、その上で軽さを出すということでした。実際の重量として軽くするのはもちろんですが、もっと重要だったのは乗ってみて『軽い』と感じられるようにすること。そのために必要だったのが『しなやかさ』です」 「しなやかさ」が重要な理由は? 「思いのまま、軽々とバイクをコントロールできている!と感じられるようにするためには、路面コンディションに関わらず接地感や安心感があり、ギャップを超えたときの挙動の変化も穏やかであることが求められます。そのために必要なのが適度な『しなり』。オンロードでも、剛性が高すぎる……つまり硬すぎると反応が機敏になりすぎ、ライダーの疲労に繋がることがありますね」 「しなやかさ」を追求する上での難しさは? 「オフロードバイクなので、ジャンプ、そして着地のときに発生する衝撃を想定しておかなくてはいけません。ある程度の柔らかさを以てギャップをいなしながらも、大きな入力に耐えられるだけの強さを兼ね備える。これをどこまで高次元に両立できるか。アフリカツインならではの乗り味を実現する上で、とことんこだわったポイントです」

メインパイプ

ヘッドパイプとピボットプレートを繋ぐセクションを「メインパイプ」と呼びます。従来モデルと比較し、目に見えて変化したのはメインパイプを左右に横断するクロスパイプが廃止されているという点。その上で、従来モデルよりも直線的なラインを描いているのが特徴です。

エンジニアは語る

クロスパイプを廃止した理由は? 「もちろん、フレームに『しなやかさ』を持たせるためです。路面からの大きな入力を受け止めるために設けていた補強のためのパーツを取り払ってしまうわけなので、フレーム自体が柔らかく動くようになります」 思い切ったことをしましたね。 「穴を開けてみたり、厚さを変えてみたり、様々な方法を試してみました。でも、思ったような効果が出ない。そこでテストチームの発案で『もういっそ、このパイプを無くしてしまおう!』となりました。設計をするエンジニアとしては『勘弁してよ!』となることも多いんですが、この妙な思い切り、Hondaの開発ではわりとよくあるんですよ……(笑)」 結果のほどはどうでしたか? 「『どうして今までこうじゃなかったの?』というほどの『軽さ』が出ました。当然、以前のモデルでは必要だから入っていたものなので、そのままでは成り立ちません。このクロスパイプを廃止した状態の乗り味を『正』として、どうすれば仕様として成立させられる実現できるかを考えていくことにしました」 どんな部分に影響が出ますか? 「クロスパイプは、大きな入力の入る部分に三角形を形成することで高い剛性を生む効果がありました。これを切ってしまうことで、メインパイプが大きくたわむようになってしまいます。特にフレームの結合部分に大きな負荷が掛かるようになるので、これをいかに受け止めるかというのが課題でした。単純に頑丈にするだけではしなやかさが失われてしまうため、どこか特定の部位で負荷を受け止めるのではなく、フレーム全体で分担して受け流す。そんな考え方への転換が必要でした」

ロアパイプ

エンジンの下に位置するのが、ロアパイプ。従来モデルでは、製造時にエンジンの搭載をしやすくするために、右側を別体のボルトオン構造としていましたが、新型では溶接一体構造化。エンジンの搭載性は、右側ロアエンジンハンガープレートと、右側後方のアッパーエンジンハンガープレートを別体化することで従来同等レベルを確保しています。

エンジニアは語る

従来モデルと構造を変えたことの狙いは? 「これも、ハードな走行シーンでライダーにバイクの挙動をわかりやすく伝えるためです。以前は片方が溶接、片方がボルト結合だったため、どうしても左右のフレームのしなり方に微妙な差が生まれていました。もちろん、影響を最小限に抑える設計にはなっていますが、さらなる高みを目指すために、ここにも手を入れることにしました」 今回できるなら、以前からもできたのでは……? 「結果論からすればそうかもしれません。ただ、バイクの量産をゼロから立ち上げ、ノウハウが蓄積されていない状況ではあまり攻めた方法を採ることができないのです。組立の難度が上がればバイクの品質に関わってきますから。今回、新しい方法でエンジンを積載できるようになったのは、やはり2016年以来、3年にわたる技術的な蓄積があったからこそだと思います。これからも生産を続けることで技術を高め、どんどんアップデートさせていきたいと思っています」

ヘッドパイプとピボットプレート

フレームの先端に位置するのがヘッドパイプ。ガゼットの見直しによりねじり中心を下げるとともに、剛性の最適化により軽量化と安定感を両立しています。
スイングアームを取りつけるピボットプレートは、従来モデル同様の鉄製プレスプレートを2枚重ね合わせる構造を踏襲しながら、内側に600MPa級の高強度鋼を用いることで内外両方の板厚を薄くして軽量化を実現。サスペンションからの荷重を左右均等にピボットプレートに伝達できる様にサスペンションを車体中心に配置しました。

エンジニアは語る

ヘッドパイプとピボットプレートはフレームの設計上重要な部位だそうですね? 「そうです。なぜかというと、タイヤから入る入力を最初にフレームへと伝える部位だからです。ヘッドパイプはフロントフォークからの、ピボットプレートはリアクッションからの荷重入力をそれぞれ受け止めています。この2箇所をどう繋ぐか、というのがフレームボディ設計の肝です」 どんなモディファイを施したのでしょうか? 「まずヘッドパイプ。全面的に見直していますが、一番大きな変化はヘッドパイプ後方のクロスパイプを廃止したことです。これにより『しなり』を出しています。しかし単純に廃止してしまうと、ブレーキングやジャンプに耐える剛性が失われますし、サスペンション作動時にヘッドパイプの動きによってサスペンションの作動性も失われます。これを補う様に周辺の見直しを図りました。これによって、しなやかで軽快なハンドリングとライダーが安心感を得られるセッティングにしています」 ピボットプレートはどうでしょうか? 「ピボットプレートを左右に連結するセンタークロスパイプというものがあるのですが、ここでリアクッションからの大きな入力を受け止めています。リアクッションも従来のモデルでは、やや右側にオフセットしていたのですが、今回のモデルでは様々なパーツの配置を改めてゼロから見直し、センターに配置しなおしました」 効果は? 「これもロアパイプと同様、フレームに対しての入力を左右均等にするためです。片方のフレームに入力が偏ると、そこを『固め』なくてはならなくなり、フレームを固めると、乗り味も重くなってしまうのです。荷重は少しでもフレーム全体で分担して受け流す。そんなコンセプトがここからも垣間見えるのではないかと思っています」

CRF1100L Africa Twin 車種情報