ポップアップフードシステム

2004年8月発表の情報

まずはじめに、ポップアップフードシステムとは何かをご紹介しましょう。

ポップアップフードシステムとは、万一の歩行者事故の際 ボンネットフードの後ろ側を持ち上げ硬いエンジンなどとの間に空間をつくり、歩行者の頭部に与える 衝撃を和らげる技術です。

この技術は、Honda独自の衝突安全技術である「G-CON」のひとつです。

G-CON 人への傷害軽減
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Safety for Everyone

Hondaには、クルマ社会の「共存安全」思想があり、 自分のクルマ以外の安全にも早くから注目。 弱い存在である歩行者を「共存安全」の最たる課題とし 独自の技術開発に取り組んでいます。

ボンネットの低いクルマのための技術。

ポップアップフードシステムは、歩行者と衝突した瞬間、 ボンネットフードの後ろ側を約10cm持ち上げます。 エンジンルーム内に空間を持たせ、くぼみやすくすることで、 ボンネットの低いスポーティなクルマでも 歩行者の頭部への衝撃を和らげることができます。

ボンネットが低いスポーティなクルマ一般的なクルマ

前例のない技術、独自の開発。

Honda ASV歩行者安全研究者

共存安全の思想から、歩行者事故にいち早く注目したHondaは、 1995年、ボンネットフードに衝撃吸収構造を採用した Honda ASV歩行者安全研究車を開発。

その後、1998年に世界初の歩行者ダミーや歩行者傷害軽減ボディを開発し、 2000年には、クルマ同士やクルマと歩行者の衝突実験を行う 世界初の屋内型全方位衝突実験施設を建設。

世界初の歩行者ダミー世界初の屋内型 全方位衝突実験施設

そうした先進的な取り組みと研究を重ね、 2004年に、ポップアップフードシステムの技術を発表。 前例がないため、歩行者ダミーや実験施設まで独自で生み出しながら Hondaは、歩行者保護の技術を推進させています。

2004年に技術発表

ポップアップフードシステムはどんなときに働くか。

ポップアップフードシステムは、約25km/h以上の走行時、 歩行者などとの前面衝突の際に働きます。 フロントバンパーの中央と左右の3箇所にGセンサーがあり、 衝撃を感知すると、歩行者の頭部がボンネットに到達する前に 一瞬にしてアクチュエーターでボンネットフードの後ろ側を持ち上げます。

ポップアップフードシステムは、人とクルマの 「共存安全」をめざす、Hondaの安全思想にもとづく 独自開発の歩行者保護技術です。

ポップアップフードシステムのメカニズム

約25km/h以上の走行時に、歩行者などとの衝突によるバンパーのつぶれ方をフロントバンパーに内蔵したGセンサーが感知。ボンネットの後ろ側左右にあるアクチュエーターの着火装置に点火して瞬時にガスを発生させ、ロッドを上昇させてボンネットを持ち上げます。

まったく前例のない技術であるため、シミュレーションと衝突実験施設を用いたリアルワールドに即した衝突実験を実施。さまざまな体格、衝突角度・速度で歩行者が衝突する事故を想定した検証を重ねることで実現に至りました。

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ポップアップフードシステムの効果

実験により、ポップアップフードシステムの効果によって明らかに歩行者の頭部傷害値が大幅に低減することがわかっています。
また、グラフからも、歩行者の頭部にかかる衝撃Gが小さく、なだらかになっていることがわかります。

頭部衝突の実験結果

テクノロジーポップアップフードシステム