電動パワートレーンの普及に向けて

Hondaは創業以来、内燃機関を中心とした技術と商品を強みとしてきました。
その内燃機関の技術力を生かし、「2030年に四輪車のグローバル販売台数の
3分の2を電動化することを目指す」という高い目標を掲げました。

Hondaは電動化技術に積極的に取り組みながらも、
運転して楽しいクルマ、Hondaらしい技術・商品をこれからも
お客様へ提案していきます。

豊かで持続可能な社会の
実現に向けて

将来、CO2（二酸化炭素）排出量の増加などが招く気候変動によって、世界のすべての地域において経済や社会活動に深刻な影響が出ると予測されています。温室効果ガスの排出を自然が吸収できる量以内にとどめる「カーボンフリー社会の実現」は、人類にとって大きな課題です。

Hondaはかねてより、エンジンの熱効率向上という従来からの技術の考え方に基づき「カーボンフリー社会の実現」に向けた技術開発、商品開発に取り組んできました。しかし今後、さらなるCO2削減に加え、NOx（窒素酸化物）やPM（煤＝すす）といった排出ガスの規制も強化されていくことを考えると、内燃機関の熱効率向上だけに頼るわけにはいきません。

Hondaは「電動化技術」は重点的に取り組むべき技術の1つだと考えています。

Hondaには「世のため、人のため」という考え方があります。CO2削減は差し迫った課題で、これが「世のため」。排出ガスなどに対する各国の法規制に対応するためだけに、電動化を推し進めるわけではないのです。そして、Honda車は、お客様に喜びを提供するためのもので、これが「人のため」。EVでもカーシェアリングでも、乗って楽しいと感じられなければHondaのモビリティとは言えません。どんなに時代が変わっても「Hondaだから乗ってみたい」と思っていただけるような製品を開発していくことに、変わりはないのです。

1970年代、当時達成困難とも言われた厳しい環境規制である「マスキー法（※）」を世界で最初にクリアしたのはHondaでした。電動化技術においても「こんなやりかたがあったんだ」「こんなものを出してきた」と驚いたり喜んだりしていただけるよう挑戦していきたいと考えています。技術や製品からチャレンジする姿勢が感じられることこそ、Hondaが目指すべきゴールだと思っています。

（※）マスキー法：米国で1970年発効の大気清浄法。
Hondaは1972年CVCCエンジンにより世界で最初にクリアした。