撥水性に加え、撥油性を備えた
新シート素材「ファブテクト」
クルマの使用環境を考えたファブテクトの機能性

Hondaのこだわり「油汚れを象徴する食べ物としてイメージしたのは、
テリヤキハンバーガーでした」
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「お客様が本当に困っていることは何だろう?」という疑問が開発の出発点
シートに関する調査をしたところ、お客様は汚れに困っていることがわかりました。汚れの原因は食べ物や飲み物が多いこともわかりましたが、従来のシートでは水や油が染み込んでしまい、うまく拭き取ることが困難です。そこで、汚れが簡単に拭き取りやすいシート表皮を開発し、お客様に喜んでもらいたいと考えました。
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テリヤキソースにマヨネーズが添えられたハンバーガーを想定して開発
がんこな油汚れからイメージしたのは、テリヤキソースにマヨネーズが添えられたハンバーガーでした。これをシートにこぼし、夏の炎天下に1週間放置した後でも、汚れを拭き取りやすくお手入れしやすい。この厳しい目標を達成するために新しい材料と製造方法を開発し、水だけでなく油も弾くファブテクト(撥水・撥油シート)の製品化にこぎつけました。
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新技術の開発に立ちはだかった大きな壁
自動車のシートは一定の難燃性を確保することが法規で定められています。困ったことに、油汚れを拭き取りやすくするためにシート表皮にフッ素樹脂加工を施すと、難燃性が損なわれてしまうことがわかったのです。この問題に対しては、表皮裏のバックコート層に難燃剤とフッ素樹脂加工の両方を施すHonda独自の技術を開発し、解決しました。
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目指したのは自動車ならではの厳しい環境にも耐えられる「タフネス」
自動車シートは家庭で使うソファのようにカバーだけを取り外して洗うことができません。また、一般的に家の中が80℃になることはありませんが、日差しの強い日の車内は80℃になることがあります。座席に乗り降りするたびに、シートと衣服はこすれて摩耗していきます。開発にあたっては、自動車用シートならではの厳しい条件や過酷な環境に耐えられる「タフネス」にこだわりました。
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根気強い開発で、自動車用シートの基本機能と両立
シート表皮にフッ素樹脂加工を施すうえで、自動車用シートとしての基本性能が保証できなくなる課題を解決するために、約200種類のテストの末、3種類のフッ素樹脂を最適に配合する技術にたどり着きました。
「お客様に喜んでもらいたい」という強い思いをモチベーションとして、開発着手から実用化までに5年以上を費やしました。
今まで食べ物によるシート汚れを気にしていたお客様にぜひ「ファブテクト」を使っていただきたいです。
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~ ファブテクト ~
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