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開発者の想い CVT編

CVTって何?

「“CVT”という言葉は聞いたことがあるけれど、それって何?」と思われる方も多いかと思います。
CVTとは、Continuously Variable Transmissionの略で、直訳すると「連続的に(レシオが)変化する変速機」で、段数が無い”無段変速機”なのです。そして、CVTはオートマチックトランスミッション、すなわち「オートマ」の一種で、以前から「理想のオートマ」、「理想の変速機」と言われてきました。
なぜならば、レシオを自由に選ぶ事ができるので、ドライバーの意のままに走りを作ること、さらにエンジンと協調して、効率の良い最適な運転状態を作ることが可能になり、燃費の改善にも効果を発揮するからです。

HondaのCVTの歩み

Hondaは、この理想のオートマを金属ベルトを用いる形式で開発し、1995年9月、6代目シビックに載せ、「Hondaマルチマチック」と名付けて、市場に送り出しました。
それは当時、乗用車の中でもっとも大きな排気量車に搭載された金属ベルト式CVTでした。そして、1999年モデルでは登降坂シフト制御 ”プロスマテック”を適用した「HondaマルチマチックS」に進化、さらに2004年モデル(8代目)シビックでは、パドルシフトによるマニュアルシフトモードを適用し、連続可変シフトだけでなく固定レシオ制御を選択できるようにして、より「スムーズ&スポーティー」を演出しました。
当初、シビックの1.5Lエンジンへの搭載から始まったHondaのCVTも、より幅広いクラスのクルマへと適用が進んでいます。2003年10月に登場した3代目オデッセイの2.4Lエンジン用に高容量化を図ったものへと進化したのち、2011年12月には、いよいよ軽自動車(660cc)用のものもデビュー。現在では排気量の大きいものから小さいものまで、Hondaの3気筒、4気筒エンジン全てにCVTが搭載されています。
HondaはそのCVTをより高効率で軽量コンパクトなメカニズムで実現しています。

HondaCVT用金属ベルトの開発

そんなHonda製CVTですが、「金属ベルトまで自社開発」ということに早い時点から取り組んだのは、他とは違う大きな特徴となっています。コンピューターの性能をマイクロプロセッサーが決めているように、CVT車の性能も金属ベルトが決めていると言っても過言ではないからです。
製造には非常に高い精度や材料品質が求められることから、長年多くの自動車メーカーがチャレンジしながらも、達成できずにいました。この大きな壁にHondaはチャレンジし、幾多の困難を乗り越えて2001年9月、自動車メーカーとして世界で初めてCVT用金属ベルトを自社開発に成功。それ以降のCVT搭載モデルで採用しています。“CVT用金属ベルトの自社開発 “は、「困難なことにチャレンジして未来を切り拓くこと」という「ホンダスピリット」を象徴するものであったと考えています。

HondaのCVTの「少し苦い過去」

「CVTは理想の変速機」。
私たちはその機構を手に入れる為に、システムそのものの開発を進めると共に、理想の変速機で車の能力を最大限引き出す為には、どの様な制御を行えば良いのかも考えながら研究を行ってきました。クルージングしている時は、静かな方が上質な感じがある。であれば、エンジンの回転数を可能な限り下げて走る様にしてやれば良い。加速したい時は、最もエンジンパワーが出る領域まで早くエンジン回転数を上げてやり、その領域を使い続ける事で、速く走らせることができる。これは、CVTであるが故に実現できる大きなメリット、つまり最大の利点です。実際の開発現場においても、加速の際に、早くエンジン回転を最大パワー領域まで引き上げる仕様の試作車を作り、乗ってみるということを繰り返しました。
「とにかく速い!エンジンの一番おいしい領域で走り続ける事ができる!」
ワクワクし、これがCVTのイチバン良い使い方だと思いましたし、これこそがお客様の求めているもの、すなわち受け入れられるものと信じて来る日も来る日も、開発を進めていきました。
そして、1995年9月、6代目シビックでHonda乗用車初のCVTをお披露目する時がやってきました。CVTの特徴である連続可変シフトをコマーシャルでは「ジェットフィール、継ぎ目の無い加速!」と表現していました。その言葉は、開発者が感じていたCVTの魅力を非常によく言い表していたと思います。ところが、お客様の感じ方は少し違っていました。もちろん、「なめらかで速い。未体験の感覚だ!」という声も多くいただきましたが、それ以上に「エンジンの回転ばかり上がってうるさい!」とか「スピードの上がり方とエンジンの音が一致せず、変だ!」といった声が多かったのです。
「んっ……?」自分達のやってきた事を振り返ってみる。お客様の声をベースに改めて車に乗ってみる。この走りに開発者自身も慣れていたために、これこそが最善だと思っていましたが、どうやらやり過ぎてしまっていたのです。まったく継ぎ目のない変速ができ、これまでのATよりも加速がよく、燃費までいい。確かに「理想の変速機」のあるべき姿のひとつではありましたが、お客様が欲しがっている物と完全に一致しているわけではなかったのです。
これは、エンジニアたちの中で「少し苦い思い出」として残っていますが、この経験があったからこそ、運転感覚がより自然で、エンジン特性の良い領域を使い続けられる様々な新技術を開発することができたのだと思います。

これからのCVT進化

「CVTは理想のオートマ(AT)」。
CVTの開発者はそう信じ、1995年に自社開発CVTを送り出して以来、常に新しい技術を投入し、燃費の向上、そして走りの楽しさを絶えず追及してきました。その進化は、今後も止まる事はありませんが、CVTだけでできる事には限界があります。これは、エンジンでも車体でも同じです。クルマとは、様々なパーツの集合体。どれかひとつのパートでの性能向上だけでは魅力的な製品にはなりません。CVT、エンジン、車体がそれぞれのメリットを活かし、デメリットを補う事によって、クルマを今まで以上に完成度の高い物にできる技術進化がたくさんあります。これからの自動車技術開発は、今まで以上に相互技術の掛け合わせ、協調を行い、1(CVT)+1(エンジン)+1(車体)=3では無く、1+1+1が4にも5にもなるような開発を進めていく必要性を感じています。
エンジンの効率が最も良くなる部分を使って走ることの出来るオートマ(AT)、CVTの特性によってHonda車の進化に貢献し、その結果としてお客様にさらに喜んでいただけるクルマを提供し続けたいと考えています。

〜 CVT編 〜

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