信号情報活用運転支援システム

信号が変わる
タイミング
がわかる

技術の概要

信号情報活用運転支援システムは、道路に設置された光ビーコン路側器から受け取る今後の信号予定情報をもとにドライバーに適切な情報を提供し、信号交差点の円滑な通過や発進遅れの防止を支援するシステムです。信号の変わるタイミングがあらかじめ分かれば、慌ててブレーキを踏むことも、通過できるかどうかヒヤヒヤする必要もありません。その結果、急ブレーキによる追突事故や、止まりきれず交差点に進入してしまった場合の衝突事故を防ぐことにつながります。また、不必要なアクセル操作が減ることで、燃費向上にもつながります。信号の変わるタイミングが前もって分かるので、ゆとりをもった運転ができるようにもなります。

技術の概要

技術のはたらき

  • 青信号で通過できる
    スピードをお知らせ
  • 赤信号の場合の
    アクセルオフをお知らせ
  • 赤信号の残り時間と
    発進予告をお知らせ

走行時、道路に設置された光ビーコン路側器より受信した複数の交差点の信号予定情報を基に、信号通過支援表示、赤信号減速支援表示、発進遅れ防止支援表示をメーター内に表示します。車載器が次の信号を「青」で通過できると判断した場合は、推奨速度範囲をメーター内に表示します。推奨速度範囲内で走行すれば赤信号に変わる前に交差点を通過できることがわかるため、不要な加減速を抑制することができます。また、「もうすぐ赤信号に変わるのでは」と、不安な気持ちを抱きながら運転する必要はなく、気持ちにゆとりを持って運転することができます。

表示例

  • 緑の速度範囲が青信号で通過できる速度です

車載器が赤信号での停止が避けられないと判断した場合は、不必要な加速は控えることを促す情報をメーター内に表示します。早めにアクセルをオフにしてゆっくり停止することで、後続車からの追突の可能性が減ります。また、アクセルをオフにするタイミングが早くなることで無駄な燃料の消費が減り、燃費の向上に寄与します。

表示例

  • 赤信号で停止するので、不必要な加速は控えることをおすすめします
  • 目の前の信号で停止するので、アクセルオフをおすすめします

赤信号で停止した場合は、青信号に変わるまでの残り時間の目安を分かりやすいグラフィックで表示します。また、青信号に変わる直前に音で予告します。そのため、待ち時間が把握できるので気持ちにゆとりができ、しっかり準備を整えて発進することができます。発進遅れによって後続車に迷惑を掛ける心配も少なくなります。

表示例

  • 赤信号の残時間を表示しています
  • もうすぐ青信号に変わるので、前方を確認して下さい
  • 青信号で通過できる
    スピードをお知らせ
  • 赤信号の場合の
    アクセルオフをお知らせ
  • 赤信号の残り時間と
    発進予告をお知らせ

直進方向の複数の交差点信号情報を把握

日本の道路信号は各都道府県警の交通管制センターが管理し、交通状況などに応じて信号が変わるタイミングを調整しています。信号が変わるタイミングをデータ化した信号予定情報は、道路に設置された光ビーコン路側器を通じて配信されています。Hondaの信号情報活用運転支援システム対応車は、車載器が光ビーコン路側器からの今後の信号予定情報を受信。ナビゲーションシステムに内蔵したECUで、停止線までの距離や車速データなどを加味して情報を処理し、青信号で通過できるのか、できないのかを判断します。その判断に基づき、適切な情報をメーター内に表示します。Hondaは、警察庁が推進している通信技術を用いた新交通管理システムの研究開発に初期の段階から参画し、信号情報活用運転支援システムの早期実現に向けて積極的に取り組んできました。

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燃費改善安全性向上にも役立つ技術

信号情報活用運転支援システムを活用すると、無駄な減速や急な加速が抑えられるので、燃費改善効果が期待できます。Hondaが行った実証実験では、交通量によって差は見られるものの24時間を通して4.5%~5%の燃費効果が見込めるとの推定結果が出ました。また、信号情報活用運転支援システムが100%普及したと仮定してシミュレーションしたところ、交通流全体に約13%の燃費改善効果が期待できるとの結果が出ています。信号情報活用運転支援システムを利用すると、停止線で止まりきれずに交差点内に進入してしまったり、慌てて止まろうと急ブレーキを掛けてしまったりするシーンが減ることも実証実験のデータは示しており、安全性向上にも役立ちます。

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将来

2017年3月の時点で、26都道府県の968区間、7,701ヵ所の交差点が信号情報活用運転支援システムに対応しています。
各都道府県警は既に全国35,000ヵ所に整備されている光ビーコン路側器を信号情報活用運転支援システムに対応したものへと更新を進めており、2020年頃には全都道府県をカバーする予定です。
また、現在は都市部の幹線道路に対応区間が集中していますが、順次適用路線を拡大していく予定です。

※2017年9月現在。Honda調べ
※信号情報活用運転支援システム対象路線については、VICSセンターのホームページをご確認ください。

テクノロジー信号情報活用運転支援システム