低床・低重心ミニバン

※2003年10月発表の情報

Hondaは、低床、低重心ミニバン

まずはじめに、ミニバンを低床・低重心にするメリットをご紹介しましょう。

ミニバンは、車室内の床が高く、クルマ全体の背も高い(=高重心)のが一般的です。
しかしHondaは、車室内の床を低くして室内高(=ゆったりとした室内空間)を削ることなくクルマ全体の背を低く(=低重心)しています。
ミニバンを低床・低重心にするメリットは、たとえば、走りの性能を第一に考えたF1が地面を這うような低重心のマシンであることから想像できるように、まず走りがよくなることです。

「クルマの重心が低くなると、タイヤがしっかりと路面を捉えるので、安定性が高まり走行性能が向上します」

その結果、低床・低重心のHondaのミニバンは、ミニバンでありながらまるでセダンのような走り。したがって、 セダンから乗り換えても違和感が少なく、走りの楽しさが味わえます。

  また、フラつきにくいためサスペンションをやわらかめに設定でき 優れた走行性能と優れた乗り心地を高い次元で両立することができます。

低床・低重心ミニバンはどこがどう低くなっているか

たとえばオデッセイを例にとると
1.室内高(=ミニバンならではのゆったりとした空間)を削らず
2.床を薄くし、フロア高(床の地上からの高さ)もセダン並に低くすることで
3.クルマ全体の背を低く(=低重心)しています。

低床・低重心化のためには、たくさんの工夫が必要になります

[1.燃料タンク]

従来の燃料タンクは、床に付属する部品で一番厚く大きく、直方体に近い形状。 入る燃料の量を減らさずに薄くするため、いろいろな部品のすき間にまで入り込む、 広く複雑な形の樹脂製のタンクにしました。 形状を決めるために細部にわたる調整が必要で、 薄いタンクをつくる高度な成形技術も求められます。

[2.サイレンサー]

燃料タンクを広げる場所を確保するためにも、 今まで床下の真ん中あたりにあった排気管の サイレンサー(消音器)の位置をうしろに動かしました。 ただ動かすだけでなく、ボディを補強している梁も違う場所に移し、 太さや強度をボディ全体として最適なものにしています。

[3.サスペンション]

サスペンションも、床を薄くするのに合わせて優れた乗り心地も実現するためには、 十分な動き巾を確保しながら、コンパクトな設計をすることが必要です。 低床・低重心でフラつきにくいため、サスペンションが コンパクトになっても優れた乗り心地が実現できます。

つまり、 Hondaの低床・低重心ミニバンは、床下のほとんどの部品をつくり直す たくさんの工夫と膨大な努力があったからこそ実現できたのです。

走りにこだわるHondaだから実現した低床・低重心

Hondaは、ミニバンといえども走りの楽しさと乗り心地、 優れた操縦性によるアクティブセーフティの高さにこだわりたい。 そうした考えから、Hondaは低床・低重心ミニバンをつくっています。 低床・低重心化は、床下の地味な工夫と努力ですが、 優れた走りのためには苦労を厭わない。それがHondaの姿勢です。

乗ってみてください。 Hondaの低床・低重心ミニバンは 走りの楽しさと安心感が違います。

テクノロジー低床・低重心ミニバン