四輪のモーターサイクルのような
「S」にしかない魅力

S600クーペ(1965年)オーナー 秋元さん

「S」の魅力は、やっぱりエンジンじゃないですかね。他のクルマにない味があるので、速いとか遅いとかという議論を超越しますね。それがどんな味かを言葉にすると、“四輪のモーターサイクル”のようだと言えますかね。二輪しか作っていなかったHondaが初めて作った四輪なので、当然、技術的に四輪になってない部分もあるんですけど、それが四輪でありながらモーターサイクルっぽい味につながっているのではと思います。「S」の系譜として登場したS2000もバイクっぽいと言われましたけど、あれよりさらにバイクっぽいイメージです。わかるでしょうか(笑)。
もうひとつの魅力は、我々アマチュアでもフルレンジを使い切れるところだと思います。いわゆる“手の内に入る”スポーツカーであることが大きな魅力ですね。
そしてHondaは、人の真似をせず、独自の道を歩んでいるところがいいですよね。現代はどんなクルマでもいいモノがほとんどで、どれを買ってもいいモノです。そのような中で、Hondaというのは他のメーカーがやっていないようなことをやっているので、好き嫌いはあるかもしれないですが、響く人には響く。そういうところにHondaの『会社としての存在』と『製品としての存在』があるんじゃないかなと思います。
「S」よりいいクルマなど数えればきりがありませんし、高いクルマも、性能のいいクルマもあると思うんですけど、だけどやっぱり「S」でしか味わえない部分というのがオーナーにとっては非常に大きいですね。みんなそれがあるから長く乗り続け、楽しみ続けているんだと思います。
やっぱり僕らにとってHondaといえばスポーツのイメージなので、ぜひまたHondaらしいスポーツカーを出してほしいですね。

【こぼれ話】

今回お話を伺ったオーナーさんの原稿をまとめているとき、インタビューさせていただいた方の中の須田さん、秋元さんのお二人は、以前、当サイトで2000年にツインリンクもてぎで開催された「2シーターパーティ ジムカーナ&バーベキュー」の会場でインタビューさせていただいた方だったことがわかりました。このイベントはツインカムクラブが中心となって、Hondaの2シーターに乗るオーナーを募ってのイベントでした。懐かしい写真とともに当時のインタビュー記事、レポートをご紹介します。