60年代にDOHCのエンジンを積んだ、こんな小さなスポーツカーって、世界を見渡してもこれしかなかったですから。本当に貴重なスポーツカーだと当時思いました。それがしかも、頑張ればなんとか手に入る価格だった。中古ですがね、もちろん(笑)。新車ではとても買えなかったですけど、ありがたかった。それがしかもレースでも頑張っていたでしょ。僕は「S」がレースで活躍していた頃、中学生から高校生ぐらいで、いつか欲しいなと憧れましたよね。
そしてついに1970年、生産中止になった直後に1台目のS800Mを中古で購入しました。約2年間乗ったのですが、当時はちょうどHondaがHonda1300とシビックに移行した時期だったこともあり、パーツの供給があまりよくなくて、泣く泣く手放したんです。悔しい思いをしまして・・・。
いつかまた買い戻すぞと。それから30年。ようやく手に入れることができました。リジッド・アクスルのS800です。今から10年前の2002年ですね。とても嬉しかった。
僕がいま遊びで乗るクルマで一番乗っているのがこのS800です。渋滞していても楽しい。何しろ30年間の“想い”がありますんでね。今日なんか、これだけ「S」が集まってくると嬉しくてしょうがないです。
また、「S」の系譜であるというふれこみでS2000が開発され、発売1ヵ月前に予約して手に入れましたが、あまりに性能が高過ぎて僕の手に負えませんでした。もちろん大切にとってあります。このS800が動かなくなったときの保険として。