WE LOVE CIVIC!

WE LOVE CIVIC!シビックオーナーのオフラインミーティングの会場で
10代目・11代目シビック開発責任者が集い語り合った
2021.11.30

2021年11月13日(土)、ツインリンクもてぎでシビックオーナー主催による全国規模のオフラインミーティングが開催されました。その会場に、ミーティングに参画すべく10・11代目シビックの開発責任者が集うという情報を入手。3人の開発者にHondaの走りの楽しさを象徴するシビック、そしてHondaのスポーツスピリットを象徴するシビック TYPE Rについて語り合っていただきました。また、シビックオーナーのオフラインミーティングの模様も紹介します。

話す人

本田技研工業株式会社
四輪 ものづくりセンター 11代目シビック 開発責任者
佐藤 洋介
1998年入社。3代目USオデッセイ、クロスロード、インサイトのボディー設計を担当。その後初代ブリオのボディー/エクステリアチーフを担当。14年にはチーフエンジニアとして初代ヴェゼルのボディー/エクステリアのプロジェクトリーダーを担当。15年には初代ヴェゼルの車体設計開発責任者を務めた。新型シビックでは、車体設計開発責任者を経て、20年より現職。開発責任者として開発全般を取りまとめた。

本田技研工業株式会社
四輪 ものづくりセンター 10代目シビック開発責任者
松井 充
2000年に入社後、インテリア設計部門で初代/2代目フィットのインパネ設計を担当。2008年からはCR-Zのインテリア設計のプロジェクトリーダーを務め、シャトル、N-VANでは車体設計開発責任者として商品開発に従事。2019年よりシビック、インサイトのマイナーモデルチェンジの開発責任者として開発を率いた。

本田技研工業株式会社
四輪 ものづくりセンター 10代目シビック TYPE R開発責任者
柿沼 秀樹
1991年に入社後、サスペンション性能の研究開発部門で、運動性能にまつわる車両ディメンションやサスペンションジオメトリーなどの研究開発を担当。1999年のS2000以降、シビック TYPE RやNSX等スポーツモデルを中心に車両運動性能開発を手がけた。2017年にシビック TYPE Rの開発責任者を務め、2020年のモデルチェンジでも開発を率いた。

──いかがでしたか?オーナーのみなさんの集まりをご覧になって

オーナーのみなさんと話をさせていただいて、シビックへの強い愛を感じました。オーナーですからもちろんなんですが、私たち以上にシビックを愛してくれていて、「ここはこうしたほうがいい」とか、いろいろと建設的なリクエストをいただきました。真摯に受け止め、フィードバックできるものは、次の開発、シビックのライフサイクルのなかでしっかりとやっていきたいと思いました。

2020年のオートサロンの会場で10代目シビックのクラブの方にお会いし、全国規模のオフラインミーティングを行うので参加してほしいとの依頼を受け、開発チーム有志で参加しました。コロナ禍で事は思うように運びませんでしたが、こうして当日を迎えられて大変嬉しいです。11代目のクラブの方やハイブリッドセダンのオーナークラブの方も参加されるということなので、さらに開発者に声をかけ、たくさん連れて参加した次第です。クルマは愛がつく商品と言われますが、今日参加してみて、その愛が溢れていました。開発者としてこんなに嬉しいことはないですね。

これだけ大規模なオーナーズミーティングには初めて参加させていただきました。シビック TYPE Rは、Hondaらしさのひとつの象徴のような商品で、Honda好きのお客様にとても近い商品です。なのでお客様と接する機会も多く、いつもものすごく愛を感じています。私がHondaで働くエネルギーの源泉はお客様の笑顔なんです。それを今日あらためて実感して力が湧きました。

自分の愛車であるシビックに対して、オーナーのみなさんがそれぞれ長いストーリーをお持ちでした。僕は何に乗っていて・・と、喋り始めると止まらない(笑)。今の愛車にたどり着くまでの思いとか、愛がひしひしと伝わりました。

どのお客様も本当にこのシビックが好きで、どれだけ大好きかをまず伝えたくて一生懸命に話してくださるんですよね。我々が思いを込めて作った以上にお客様に強い思いで受け取ってもらえていることを感じましたね。

愛があるからこその提案的なコメントもありましたし、これだけのコメントをいただけるクルマを開発していることに幸せを感じました。ある若いお客様は走りが楽しいのでサーキットを走ってみたいとおっしゃっていました。今回のような集まりも含め、昔からシビックで伝えている走る喜びだったり、移動する喜びがお客様の生活の可能性を広げることにもつながっていることも実感できました。

──何故シビックはこんなに愛されるのでしょうか?

ミニバン、軽自動車、SUVが全盛の時代にこれだけ背が低く重心が低いクルマは今となってはマイナーな存在と言えます。さらに、日本では確か99%の方がATに乗っていて、MTは1%くらいのはずですが、シビックでは30〜40%がMTなんです。MTが良い悪いではなく、シビックが追求する走りの楽しさへ共感してくださったお客様が、今日は全国から約160台も集まったわけで、その共感が愛に繋がっているのだと思いました。

最近つくづく思うのは、コロナ禍で移動する喜びが今まで以上に大切だということです。そういうなかで、移動することで気持ちが前向きになったり、好奇心が湧いたり、世界がどんどん広がっていくことでお客様が前を向けるようなアイテムにできればという思いで「人」を「快く」する「爽快」をコンセプトに11代目シビックの開発を行いました。「爽快」は新しい考えではなく、実は初代シビックから変わらないコンセプトなんです。そうした思いのもとに愛情を注いだクルマを提供することで、少しでもお客様の人生をサポートできるような、そんな商品ができるといいなと思っています。そうした思いを受け取ってもらえているのかなと感じました。

私は、10・11代目からシビックの第2ステージがはじまったと感じています。それまでのシビックの、本当に生活に便利で爽快な走りの愛車という価値を継承しながら、10・11代目ではクルマとしての本質をお客様の期待を超える域まで深化させられたからです。だからお客様が“このクルマが欲しい”と言ってくださる。今どきグローバルカーでしかもMTが3〜4割も選ばれるクルマもたぶん他にはないと思います。

ないでしょうね。そういう選択肢をいまだに持ち続けていることがシビックの魅力だと思います。僕の勝手なイメージですけど、シビックというクルマは“その気になれるクルマ”だと思っています。私が学生のときに、F1でマクラーレン・ホンダが全盛期だったのですが、あのときに「Powered by Honda」のステッカーを貼ってシビックに乗るとその気になれたんですよね。アイルトン・セナになれたんですよ。スポーツドライバーみたいな気持ちにもなれるし、でもちゃんと使い勝手もいいというのがシビックの魅力なんです。

HondaのDNAを感じられるクルマ。

──シビックが受け継ぐHondaのDNAとは?

HondaのDNAっていくつかありますけど、自分のなかで一番大切にしているDNAはチャレンジです。チャレンジのない商品はある程度のところで収まってしまうんです。今回、松井さんや柿沼さんたちが10代目シビックでデザインを大きく進化させたのは相当なチャレンジだったと思いますし、走りに関しても世界のクルマの主戦場であるCセグメントに勝負を挑んで多くの地域で高い評価を得ることができ、今では世界のCセグメントをリードするまでに成長することができたと思っています。この10代目のチャレンジがあったからこそ、我々は11代目でさらに本質を追求してエモーショナルなクルマにすることができたと思っています。

10代目ではTYPE Rを含めて最初から戦闘力を上げることがコンセプトにあって、それはこれまでにない考え方でしたから、まさに第2世代のシビックだと思います。

本気で世界のCセグメントで勝負することを考え、プラットフォームも全部刷新しましたし、最初からトップエンドのTYPE Rを揃える前提で開発するというチャレンジを行いました。それとデザインでしょうね。魂を込め、より強い個性があるデザインを創造したのが10代目の功績だと思います。ラブ&ヘイトはあるかもしれませんが好きな人は大好きなんですよね。その個性的なデザインがあったからこそ、11代目で個性を持たせたままさらに質を高める進化が可能になったと思います。

それと、2020年の10代目のモデルチェンジでTYPE Rの幅を広げるという極めてチャレンジングな企画をしましたからね(笑)。そもそもスーパーニッチな市場のなかでバリエーションを増やすなんて、通常のモデル進化のセオリーからすると考えにくいことなんです。TYPE RとLimited Edition、欧州のSPORT LINEと3種類も作ったのですから。

そこは思いしか無かったですね。2017年にシビック TYPE Rを発売してお客様の笑顔を見て、さらにその延長線上でもっとお客様を笑顔にしたいという思いが抑えきれなくなりました。会社として事業的な視点でいうと実現するような企画ではありませんでしたが、そこはお客様への思いをエネルギーにして突破しました。

10代目のモデルチェンジをしているときから11代目の開発は始まっていたわけですけど、現行TYPE Rのチームを横目で見ながら「楽しいことやってんなあ」と思っていました。ですから、11代目もベースを確固たるものにした上で新型TYPE Rへ繋げていきたいという思いで開発してきました。

──11代目シビックの今後、e:HEVやTYPE Rについて

11代目シビックは、2021年にガソリン車のCVTとMTを発売して、基本となる走る喜びや操る喜びをしっかりと爽快シビックというコンセプトで提供できたと思っています。そして、MTのさらなる本質を極めた究極の操る喜びを2022年にTYPE Rとして提供します。同じく2022年に、これからの電動スポーツを引っ張っていく、Hondaとしてこれが電動スポーツだというクルマをシビック e:HEVとして提供したいと思っています。e:HEVは、環境性能はもちろんのこと、これまでにない走りの喜びに満ちた電動スポーツですので、ご期待いただきたいです。

──これがHondaの電動スポーツ。シビック e:HEV、楽しみですね。

たとえ嫌なことがあっても、シビックに乗ると運転が楽しくて夢中になり、魔法をかけられたように嫌なことを忘れてしまうんですよね。とにかく運転に集中できて、自分の心に秘められたものがふつふつと掻き立てられるような感覚になるんです。それはTYPE Rだけではなく、ベースのシビックに乗っていてもそうです。本当に走るだけで嬉しいというか、走りと景色がシンクロした状態が非常に心地よいんです。そのシビックにe:HEVが載って、電動パワーを身に付けるんです。まさに時間を忘れさせてくれる新たな喜びをご提供できると自負しています。

Hondaがはじめて作った四輪がトラックのT360とスポーツカーのS500なんです。ユーティリティーマックスのクルマとスポーツマックスのクルマです。それがHondaの四輪の起源。私としては、ユーティリティーとスポーツという、Hondaが一番大事にしているMM思想と、スポーツの両極をひとつにしたのがシビックだと思っています。ですからシビックから走りの楽しさは切っても切り離せないんです。Honda四輪の起源・アイデンティティーをひとつにしたシビックが楽しくないわけないですよね?

※M・M思想:マン・マキシマム/メカ・ミニマム。人の空間を最大にし、メカ(機械)の空間を最小限にする「人」を中心にするHondaのクルマ作りの思想

おそらくたくさんの方が、乗ったら“ビビッ”ときて魔法にかかってしまうと思います。

シビックのようにあそこまで着座位置が低くて物理的に走る楽しさを提供できるクルマは今ないですからね。

そしてストイック過ぎないところもひとつのポイントですね。しっかり初代シビックから受け継がれている使いやすさもちゃんと残しているのもまたいいところなんです。極め過ぎたパッケージングとはちょっと違って、お買い物も行けるし、楽しい運転もできる。そういう感じが魔法なのかもしれないですね。

──期待感が高まりました。ありがとうございました。

文中・映像内にある「ツインリンクもてぎ」は当時の名称。現在は「モビリティリゾートもてぎ」です。

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