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いいサスって何?ダブルウイッシュボーンがいいの?トーションビームはダメなの?Vol.4 実際のクルマを見ながら確かめてみよう

「クルマはサスだよ」。クルマに詳しい人がそう言ったりします。「アメリカ車みたいに」「ドイツ車みたいに」などなど、その感触を語る言葉も様々でとても面白いのですが、結局「いいサス」って何なのか、わかるようでよくわかりません……。じゃあ、来る日も来る日もサスペンションのことを考えているエンジニアに聞いてみよう!ということで「サス談義」が100倍面白くなるかもしれない話題を、シリーズでお届けしていきます。

答える人

本田技術研究所
四輪R&Dセンター 主任研究員
天野 英俊(あまの ひでとし)
2015 LEGEND 量産サスペンション開発、その他先行開発機種のサスペンション設計を担当。
現在は車両の運動性能とサスペンションの関係の研究に従事。

本田技術研究所
四輪R&Dセンター 主任研究員
種子田 和宏(たねだ かずひろ)
第3期F1のサスペンション開発担当。シビックのプラットフォーム先行開発担当。
その他先行開発機種の開発を経て、現在は量産開発機種のサスペンション設計に従事。

聞く人

SPORTS DRIVE WEB編集部1号
愛車はFIT RS(MT)。奥さんがクルマに疎いのをいいことに、「ふつうのクルマは マニュアル車」だと吹き込んでいる。

「ブッシュ」はどこについている?

では、今回は総仕上げとして、いままでご紹介してきた「いいサスの条件」を、実際のクルマで確かめてみようと思います。「いいサスの条件」、もうバッチリ言えますよね。

はい、「しっかり振動を吸収できること」それから「リアサスがしっかり力を出せること」ですよね。

よくできました。じゃあ、まず第2回でご紹介した「振動を吸収するためのパーツ」が、クルマのどこに、どんなふうに付いているのかを見てみましょうか。

おなじみのダンパーとスプリングはわかると思うので、「ブッシュ」を見てみましょう。まずはコンプライアンスブッシュですね。タイヤに対して入ってきた前後方向の力を受ける位置に仕込まれていて、「ぶるぶる」という振動を吸収してくれるパーツです。

写真は左側前輪。コンプライアンスブッシュはこれです。

写真は左側後輪。リアのコンプライアンスブッシュはここ。

「ぶるぶる」「びりびり」を吸収するのは、「ダンパーマウント」でしたね。名前の通りダンパーの付け根のところを見ていくと見つかります。S660のリアのダンパーマウントは奥まったところにあってすごく見づらいので、フロントのものを見てみましょう。

フロントのダンパーマウント(マウント自体はこの内部にあります)。

なるほど。車種を見分けられなかった人がクルマに興味を持つようになると、それまでは何となく「クルマ」でしかなかったものがちゃんとした名前を持つようになって道の風景が一変する……と聞いたことがありますが、それに似ているのかもしれませんね。これまでは「足回り」で一括りにしていたパーツが、ちゃんと意味あるものに見えるようになりました。

ダンパーとスプリングの他にも、こういった小さなパーツが働きながら、路面から伝わる振動を吸収して、タイヤを常に接地させ続けられるようにしているんですよね。

「弾性キングピン」を探してみよう

じゃあ、いいサスの条件ふたつめに行ってみましょう。「リアサスがしっかりと力を出せる」ことですね。第3回でご紹介した「弾性キングピンの位置を確かめるコツ」を使って、S660のリアサスペンションを分析してみるとしましょう。

S660のリアサスペンションはストラット式なので、ダンパーマウントの位置、それから下側にあるアーム2本の位置を探せばいいんですよね。

そのとおりです。クルマの向きと平行についているアームがある場合はそれを無視して、横方向に伸びているアーム2本を探すんでしたね。2本のアームの中間地点と、1個目のダンパーマウントの点を結ぶと……。

タイヤの接地点よりも後ろに来ました!横からの力が入ったときに、「トーイン」になるサスペンションってことですよね。

そのとおり。こうやってアームが伸びている形式のサスペンションであれば、どれでも同じ方法で見分けることができますよ。

じゃあ、あのNSXでも見てみましょうよ!

いいですね。今度はマルチリンク式サスペンションなので、1個目の点は上のアームの集まる位置ですね。

はい。

次は、下側のアームですが、ブレーキディスクがあってちょっとわかりにくいので下から覗いてみますね。

おっ、ありました。

じゃあ、これを踏まえて最初の写真に点を打ってみると……こうなります。

なるほど、やっぱり接地面より後ろに来ましたね。

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