ZR-V e:HEV × リアルタイムAWD 雪上インプレッション

ZR-V e:HEV × リアルタイムAWD 雪上インプレッション雪道でもドライ路面のような安心感と愉しさを
2024.1.31

山本尚貴選手出演のZR-V先行予約開始時のインプレッション映像が制作されたとき、「雪上でもドライ路面(舗装路)と同じ気持ちで運転できる安心感がある」と開発者が語っていたとの情報をSPORTS DRIVE WEB制作班はキャッチしました。そこで、リアルタイムAWDを搭載したZR-V e:HEVの雪上インプレッションを企画。ドライバーは、先行予約開始時のインプレッション映像に出演し、ZR-Vの走りを知っている山本尚貴選手です。ZR-Vのパワートレーン開発者とリアルタイムAWD開発者とともに、舗装路だけでなく、雪道でも優れた安心感と走りの愉しさを提供するかに注目し、インプレッションを行ってきました。

試す人

今回インプレッションを務めた
HRCレーシングドライバー
山本 尚貴 選手(やまもと なおき)
6歳からカートを始め、2002年に全日本カート選手権・FAクラスシリーズチャンピオンを獲得。10年からは全日本選手権フォーミュラ・ニッポン、SUPER GT・GT500クラスに参戦。18年と20年にSUPER GT・GT500クラスと全日本スーパーフォーミュラ選手権の国内2大シリーズでダブルタイトルを獲得。

解説する人

本田技研工業株式会社 四輪 ものづくりセンター
チーフエンジニア
河口 展之(かわぐち のぶゆき)
2000年に入社しエンジン研究部門で単体性能開発を担当。13〜14年にNSXのV6ターボエンジンの開発、14〜17年に北米および中国向けアコードのエンジン研究領域プロジェクトリーダーを務めた後、20年より日本・中国オデッセイからパワートレーン開発責任者を担当。ZR-Vでもパワートレーン開発責任者として手腕を振るった。

本田技研工業株式会社 四輪 ものづくりセンター
アシスタントチーフエンジニア
山下 覚嗣(やました さとし)
1999年に入社し駆動系開発部門で摩擦要素に関わる開発研究を担当。クラッチ・オイルに関わる研究を推進する中で、駆動系から発生するノイズ・バイブレーションの課題にも注力。その後、21年よりZR-Vで駆動系機種プロジェクトリーダーを担当し、AWDを含む駆動部品に関して開発をリーディング。

登坂路のインプレッション

ドライ路面を走っているように加速する

以前ZR-Vをドライ路面のサーキットで走らせてインプレッションしたのですが、かなり速度を上げてスポーツカーのように走ることができました。今回は、自分が不慣れな滑りやすい雪道ということもあり楽しみです。

東北・北海道出身の開発メンバーが幸いにも多く集まって、日常の実体験をもとに、運転する人が雪道で不安に感じるシーンを徹底的に研究しました。そして、その不安を一つひとつ解消する技術をつくり上げ、雪上でも凍結路面でもドライ路面と同じような感覚で走ってもらえることを強く目指しましたので、雪道に慣れていない山本さんに不安なく愉しんでいただけたらうれしいです。

それでは、まず登坂路で停止しているところから加速を行いたいと思います。おお、雪の上とは思えない加速ですね。全然トラクションが逃げない。

今回のZR-Vは、リアの押し出しがすごく強くなって、フロントタイヤもリアタイヤも滑らずに安心してスーッと自然な形で発進することができるようになっています。

ホイールスピンしないと言ったら大袈裟かもしれないですけど、本当に最小限のロスに食い止めて、クルマを前に前に進める力が強いですね。

アクセルペダルのレスポンスに対して、本当にモーターが俊敏に反応する。それをダイレクトにプロペラシャフトでリアに伝える制御を、すごく緻密に行うことで、ホイールスピンをせずに安心してトラクションがかけられるように仕上げています。

モーターで走るe:HEVだから緻密な制御ができる

先日のドライ路面で走った時もそうでしたが、モーターの制御を介入させることで、クルマの走りというか挙動までも微細にコントロールするのがe:HEVの特徴であり良さだと、滑りやすい路面を走って、あらためて顕著に感じることができました。

特にこういった滑りやすい路面でAWDの性能をフルに発揮するには、モータートルクを微細に制御できるe:HEVと組み合わせるとすごく相性が良いことがわかり、今回ZR-Vでは、本当に神経が直結しているかのようなダイレクト感、意のままにトラクションをコントロールできるドライブフィールを実現しました。

日常にある不安なシーンに安心感をもたらす

街中のガソリンスタンドに入る時、給油しているクルマがいて、自分が意図しないところで止まって待ち、
そこから段差を登ってスタンドに入るというシチュエーションで、アクセルを踏み込んで登ってみます。
おお、全然タイヤが空転しないですね。

リアの押し出しがあるので、スムーズな発進ができています。私自身も東北出身で、歩道とのところにある段差の前でクルマを停止させると、そこを登ろうとしてタイヤが空転してしまい、前に進めなくて困ったり不安になったりする経験をしてきました。そのようなシチュエーションで、安心して登ることができるクルマにしたかったのです。

次は、アイスバーンのツルツルな路面で、ちょっと登りになっている交差点の前で止まって左折するような
シーンでも大丈夫というところを確認いただきたいです。

相当路面がツルツル、テカテカしていますけれど、ここを曲がって登れますかね。

人が乗ったらすぐ転んじゃいますね。

いけるかな。一旦ここを交差点と見立てて、ここから加速します。
すごい。ぜんぜん滑らない。

しっかりと四輪を使ってグリップしてくれるよう開発しましたから、意図したラインで結構曲がれていると思います。

曲がることが苦じゃないですし、あまり気を使わなくても走れちゃう感じですね。

除雪されていない雪道でも、しっかりと走れるハンドリングのよさ

ここからハンドリングをインプレッションしたいと思います。

除雪されていないような雪道でも強く走れるというところを感じていただければと思います。

ハンドル操作で意図した方向にしっかりとクルマが向いてくれます。すごく安心して乗れますね。

こうした雪道では、焦った後に挙動を乱すことがお客様の不安につながるので、できるだけそのような状態にならないようにしていますが、万が一そうした状態になった場合でもリカバリーがしやすい特性にしています。

この速度で走ってもこんなに普通に走れるものなんですね。すごい。リアの動きがかなりハンドリングを助けてくれていますね。

リアの押し出しが助けてくれているので、安定して曲がれているんです。

めちゃくちゃ自分が運転上手になった感じがします。

楽しく安心して運転して目的地へ移動していただけることが、心の解放につながるということも、このクルマのグランドコンセプトとしてチームで考えていたことです。

広大な雪原で運動性能の高さを確認

広いところを見つけちゃったのでちょっと遊んでもいいですか。

遊んでください(笑)。

ドライバーが自由自在に操れる感覚って最高に楽しいですよね。こんなに横向いてもちゃんと戻ろうとしますもんね。これはやっぱり安心安全に直結しますね。

低重心であること、ロール量が少ないことでドライバーがコントロールしやすい車体のポジションをキープしてくれて、それに応えるシャシーと、アクセルペダルの操作に素直に反応するパワートレーンが一体感をもたらし、スポーティーに走っても安心感してコントロールできるという自信につながっていると思います。

走る喜びを感じられるのは、決してスポーツカーだけじゃないんだとあらためて感じました。SUVでも走る楽しさを、一般道でも、サーキットレベルとは言わなくても速度のレンジの高いところで十分に味わえて、余裕を持って楽しむことができました。

このクルマに乗ると、いろんなことにチャレンジできるという解放感を感じることを、グランドコンセプト「異彩解放」に込めて開発しました。チーム一丸となって目指すクルマを作れたと自信を持ってお届けできます。

みなさんの思いをしっかりと受け取れる一台だったと思います。

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