S2000 HOMECOMINGアメリカホンダで開かれた初のS2000イベント
アメリカホンダ広報担当カート・アントニウスのインタビュー
アントニウスは、NSXの発売当初からアメリカにおけるHondaスポーツカーの広報を担当し続けている。上原との親交も厚く、NSXとS2000を愛するオーナーのハートもわかっている。それもそのはずで、アントニウス氏自身NSXのオーナーだからだ。彼は今回のイベントでオブザーバーとして進行を見守り、折りをみてアドバイスする他、ときに熱弁を奮うことでスタッフの気持ちを高める役割まで果たしていた。
上原やクラブ代表のスピーチの際にも、かけ声をかけて場を盛り上げながら、自身では記録写真の撮影役に徹しているのも印象的だった。その彼は、S2000 Homecomingの盛り上がりを心から喜んでおり、「一生に一度巡り会えるかどうかの素晴らしい機会」と、たくさんのオーナーが参加することとなったこのイベントの開催を自ら称賛していた。以下は彼の言葉である。もともとのプランは、S2000 CRのプレビューのためのイベントだったんです。しかし、南カリフォルニアを中心としたS2000オーナーズ・クラブの人たちの盛り上がりに応えるイベントにしようと考えたわけです。
彼らにS2000 CRを見ていただくことで、マーケティングに活かすこともできます。最初は、参加者の見込みは50~100名だったんですけど、インターネットと口コミでどんどん参加希望者が広がっていき、やむなく500名で応募を閉め切りました」
「こうしてS2000オーナーの皆さんが集まってくださるのは、皆さんがS2000のコンセプトに賛同しているからに他ならないと考えています。S2000は、オープンカーでありながら、とにかく走ることが楽しく、クルマとの一体感を楽しめるクルマです。したがって、クルマが本当に好きで、クルマを素直に楽しむ人々が購入される。そういう方はクルマについて語り合うのが好きですし、仲間の絆を大切にする人々です。今回のイベントでこれだけの方に参加いただけたのは、こうしたクルマづくりのコンセプトがあったからだと思います。NSXについても同じことが言えます」
「NSXは、スポーツカーに対する見方を革新すると同時に、市場に対するHondaのとらわれ方も変えました。それまでHondaは、燃費がよくて小さく安価なクルマを販売するメーカーだったのですから。それと、スポーツカーのオーナー像も変えましたね。NSXのオーナーもとにかく走るのが好きで、仲間との交流を大切にします。S2000は、そうしたHondaスポーツの価値を、より身近な価格で提供できるクルマでした。ですから、S2000ができて本当によかったと思っています。Hondaがもたらす走りの楽しさを、より多くの人に楽しんでいただけるからです」
「上原さんとはもう長い付き合いですが、彼は最もHondaらしい方です。クルマに対する情熱とか、クルマの細かいディテールに対するこだわりとか、商品に対する熱い情熱と愛情を持っており、尊敬できる人物です。彼は、Hondaに素晴らしい足跡を残したと思います。我々は、その後を継ぎHondaのスポーツカーファンをもり立てていきたいと考えています」-