運転スキルを向上させたい方必見!!四輪開発ドライバーが分析、プロに学ぶ運転上達 10のテクニック!

運転スキルを向上させたい方必見!!四輪開発ドライバーが分析、
プロに学ぶ運転上達 10のテクニック! 連載「運転技術」3/3:CIVIC TYPE R Honda LogR×運転スキル#CIVIC #TYPE R 
#ドライビング #エンジニア
2026.1.20

「運転技術」連載の最終回は、SUPER GT GT500クラスに参戦しているHondaレーシングドライバーの大津 弘樹選手の走りを、車両開発で走りの評価を行う Honda四輪開発ドライバーの田中 洋平さんが分析。レーシングドライバーの運転技術を引き出します。
運転スキルを向上させたい!とお思いのみなさんのヒントとなるテクニック10選をぜひご覧ください。

Hondaレーシングドライバー大津 弘樹選手(左)とHonda四輪開発ドライバー田中 洋平さん(右)。
大津選手は、2013年に鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F)を卒業したあと、さまざまなフォーミュラカーレースを経て、全日本スーパーフォーミュラ選手権とSUPER GTに参戦。現在はSUPER GT GT500クラスにフル参戦中。田中さんは、操安制御デバイスの量産開発担当とシャシー研究プロジェクトリーダーを経験したあと、テスト走行における安全環境の確保と開発ドライバーの育成を担当しています。

時速50キロでも300キロでも、大事なのは「ていねいな操作」

走行の舞台は北海道・鷹栖プルービンググラウンド。ドイツ・ニュルブルクリンクのような厳しさを採り入れたワインディングコースでクローズドコースを想定したスポーツ走行を、欧州の郊外路を模したEU郊外路では、一般道のようなイメージで走りました。

田中:ではまず、クローズドコースを想定したスポーツ走行を想定した走行から始めます。一般道のような走行ではもちろんですが、速く走るためにも穏やかな荷重移動は重要と考えています。

大津:はいその通りです。レーシングドライバーって、コーナーの奥までブレーキを遅らせて、ガツンと強烈なブレーキを踏んで曲がっていると思われがちですが、少なくとも僕は違います。早めにブレーキを踏みます。

という意表をつく大津選手の言葉。確かにレーシングドライバーというと、ギリギリまでブレーキを遅らせ、急激に減速するような走り方をイメージしてしまいます。そこで田中さんが大津選手から、速く走るためのコツとして引き出したのは、次のようなスキルです。

1. 早めの減速で荷重を穏やかに移動させ、“曲がる姿勢”をつくった状態でターンイン2. アウトインアウトに忠実なラインを取って、大きくスムーズに回る3. 前輪が滑るかどうかを感じながらコーナリングする

大津:スムーズな荷重移動をして、できるだけ一定の舵角で安定した挙動でコーナリングすると、4つのタイヤにきれいに荷重をのせることができ、タイヤのグリップを高く引き出すことができます。そして、アウトインアウトのラインでできるだけ大きく回ることでボトムスピードを上げるイメージです。

田中:速く走っていてもとてもスムーズな動きです。

大津:一般道を50km/hで走るのも、サーキットを300km/hで走るのも、タイヤのグリップの引き出し方、急な挙動変化を起こさない操作のていねいさは同じなんです。

最適な速度を読み、クルマの動きを感じ取る

田中:我々は開発テストでクルマの挙動を分析するために、クルマの姿勢がまっすぐの状態でブレーキングの大部分を終え、タイヤのグリップを確保しながらスムーズなターンインを行います。

大津:そこが僕と田中さんの違う点ですね。僕はブレーキングしたままターンインします。そして、前輪が滑るか滑らないかの速度を保ちながらブレーキを徐々に離していき・・・

4. クリッピングポイントまで約20%ブレーキを残し、0%にするときリアをムズムズと流して向きを変える

大津:早過ぎるタイミングでブレーキをパッと離すと、フロントが浮いてアンダーステアにしかならないんですけど、ある程度横Gがかかっている状態で、最後の最後でブレーキをスッと抜くとリアが動くんですよ。そのリアの動きを感じ取るようにしています。

田中:たしかに。そのように動いていましたね。

大津:もちろん、最後のブレーキのリリースが急激だったり、速度が高過ぎるとリアが流れ出す可能性もあるので重要なのは最適な速度を見極め、クルマの挙動を感じていかに正確にそこに合わせられるかです。

急な挙動変化をどうやって抑えるのか

田中:次は一般道を想定した走行をしましょう。ゆっくりとした速度でも、急な挙動変化が起こらないスムーズな走りですね。

大津:どんな速度でもなるべく急な挙動変化を起こす操作にならないようにしています。コツとしては、ハンドルを予備動作して、切り始めに反応しない部分(いわゆる“アソビ”)からタイヤが反応しはじめるまでの状態にしておき、ていねいに切り始めることです。ブレーキも反応しはじめるまでの状態にしておき、軽く踏んでおいてからさらに踏み込むイメージです。

5. ハンドルを予備動作し、あらかじめ左右どちらかに荷重をのせ姿勢をつくる6. 特にハンドルの切り始めはていねいにする

大津:また、映像を見てもわかりますが、僕も田中さんも手を添えるようにしてハンドルを握ってるんですよね。

田中:それは心がけていますね。

大津:ハンドルをぎゅっと力を入れて握ってしまうととっさの動作も遅れてしまいますし、ていねいな操作もしにくくなります。さらに、添えるように握った方がインフォーメーションを感じやすく、クルマの挙動がわかりやすくなります。

7. クルマの挙動を感じていねいに切るためにもハンドルは力を抜いて添えるように握る

切り返してもクルマが路面に張り付いている!

田中:S字のような連続するコーナーの切り返しでも、大津選手の運転はクルマが路面に張り付いたままなんですよね。

大津:特に切り返しのときの荷重移動はすごく意識しています。例えば右から左に素早く切り返すときでも、外側のタイヤにのっていた荷重を一瞬でもまっすぐにしたいですね。

8. 一度まっすぐな状態に整えて切り返すと、荷重移動が穏やかになる

大津:そうすることで、路面に張り付くような切り返しができます。

田中:それにしても速度変化も穏やかで、スムーズな走りですね。

大津:EU郊外路を走るのは初めてで次がどんなコーナーなのかわからないので、先読みすることを心がけていました。田中さんもされていましたが、これはみなさんにぜひ実践してもらいたいですね。

9. コーナーを先読みしながら走る10. 穏やかな速度コントロールでクルマの挙動をスムーズにする

大津:僕はレーシングドライバーですが、実はクルマ酔いしやすいんです。今日は助手席に乗るので覚悟してきたのですが、田中さんの運転はとてもスムーズなので酔わずにすみました。

田中:レーシングドライバーと開発ドライバーでは走る目的は異なりますが、穏やかに荷重移動させ、クルマの挙動がスムーズになるように運転するという共通点を感じることができました。

これまで3回にわたってお届けしてきた「運転技術」連載。
初回は運転スキル採点アプリ「RoadPerfomance」の開発者が、「ガタツキの少ない運転」をすると評価が高くなることを教えてくれました。

2回目では「ガタツキの少ない運転」を実践。RoadPerfomanceを使いながらブレーキを練習することで、車両の挙動が穏やかになったことが映像からもわかりました。

3回目となった今回、レーシングドライバーと開発ドライバーのおふたりが強調したのは、一般道やサーキットでの走行でも「クルマに急な挙動変化を起こさせず、スムーズに安定して走らせる」のは共通であるということ。

まさに、これまでの「運転技術」連載と通じています。 「ガタつきの少ない運転」は、安全に楽しく走ることに加え、同乗者も快適に乗ることができます。ぜひみなさまも挑戦してみてはいかがでしょうか。

その延長線上に、スポーツドライビングの“上手な運転”があるはずです。

上達の成果を計るには、運転スキル採点アプリ「RoadPerformance」が便利です。

そして動画でご紹介した「Honda LogR」は、CIVIC TYPE R(FL5)専用のロガーアプリをスマートフォンにダウンロードして活用すれば、大津選手が「普段レースで使うのと同じくらいの情報量がある」というほどの走行動画合成機能もあります。FL5オーナーのみなさまはぜひ活用してみてはいかがでしょうか!

スマートフォンで録画したオンボード映像とHonda LogRのデータを同期できる便利なスマートフォンアプリ連携の動画を見ながら走りを振り返る。

四輪開発ドライバーが分析、プロの運転テクニック[動画]

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