
2025年9月7日(日)。オーナー主催のイベント「NSX Owners Day 2025」が鈴鹿サーキットと、サーキットに併設される交通教育センターで開催されました。NSX35周年の記念すべき年に集まったのは、オーナー、同伴者、スタッフ、出展者や取材班も含め約200名。当日、イベントの模様を取材しながら、会場でNSXに関するインタビューを実施しました。お答えいただいた参加者の生の声を映像でご紹介します。
NSXを愛す人々が交流を楽しむ祭典
3回目の開催となったNSX Owners Day。117台のNSXとそのオーナー、同伴者のみなさん、元NSX開発者、HondaレーシングドライバーでありNSXオーナーでもある塚越広大選手、NSXのショップなどの出展者のみなさんが参加しました。
開発者や出展者のトークショーや、交通教育センターの施設を利用したスラロームやスキッドコントロールのプログラムなどを開催。イベントの最後は鈴鹿サーキット国際レーシングコースのファイナルパレードランが行われました。集い、語らい、プログラムに参加しながら、積極的な交流を楽しむことがテーマです。
開会式でスタッフ代表の富吉さんはこう語りました。「これまで、参加オーナー、スタッフ、出展者、Hondaさんのゲストなど、それぞれの呼称を使っていました。でももうそんなのは関係ない。もうみんなひとつです。NSXが好きだということだけで集まっていただいています。昨年スタッフは赤、参加オーナーは黒のポロシャツを着ていましたが、そういう思いから今年は黒一色にしました」
ここに集っているのは、NSXを長く楽しみ続けたい人たちであるとの宣言でした。-
オーナーならではの質問で盛り上がったスペシャルトーク
昨年から始まった、初代NSXを中心とした元開発メンバーによるスペシャルトーク。今回は、初代NSXから開発に携わった塚本さん、和田さん、簑田さんに加え、2代目NSXの2019年モデルとType Sの開発責任者である水上さん、そして、初代NSXの開発に携わりその後FK8、FL5のCIVIC TYPE Rの開発責任者である柿沼も参加。リモートで初代NSXの開発責任者である上原さん、モデルチェンジの開発責任者を務めた尾崎さんが参加しました。
オーナーでもある主催スタッフが進行を務め、オーナーならではの質問を投げかけ、パネラーからユニークなエピソードを引き出していました。特にユニークだったのは、オランダのオーナーから主催者が預かった「初代NSXはとても静かなクルマ、どうして大きい音を出すクルマにしなかったのか?」という質問。その問に上原さんは、「開発するときに、音をバンバン出して周囲を威嚇するような、そういうクルマには絶対しないようにしようと話したんです」と答えました。まさにNSXらしさを物語るお話でした。また、塚越選手のNSXやHSVでのレース秘話や、短い時間ながら出展者への質問会も盛り上がりました。
NSXを初めて知ったときのこと覚えていますか?
今回、イベントを楽しまれているオーナーのみなさんにインタビューを行いました。
印象的だったのは、「NSXに乗って30年、一度も手放したいと思ったことはなかった」という言葉でした。そんな思いを注がれるクルマは幸せですし、そんな思いを抱ける人生も幸せだと思います。どうぞ、NSX Owners Dayの雰囲気とオーナーのコメントを映像でお楽しみください。
NSX Owners Day 2025の雰囲気と参加者インタビュー[動画]
「NSX Owners Day 2025」スナップギャラリー
メイン会場が鈴鹿サーキット交通教育センターの市街地コース内のため、駐車車両の近くに信号機や横断歩道がある写真がありますが、一般公道ではありません。
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奥様の誕生日に、花束を持ち納車したてのNSXで奥様を迎えに行った松木さん。いつもと違うクルマが迎えに来て奥様は驚きながら助手席に乗られたそうです。
長年NSXの整備に携わり2025年5月に念願のオーナーになった大久保さん。それまでの愛車も手放しがたく、1ヶ月考えた末の決断だったそうです。
主催スタッフとして奮闘された富吉さん。立場など関係なくNSXを愛する人が集まる会。その一歩が同じ色のポロシャツと力説しました。
2026年から初代NSXのレストアサービスを開始するHondaのスタッフもブースを出展。オーナーの声を聞き、検討を深めるための参加。右はプロジェクトリーダーの加藤さん。
鈴鹿製作所がレストアした2002年NSX-Rのテスト車初号機。屋外に出るのは珍しいらしく、ドアなどを全開にして日光浴。鈴鹿製作所の汗と涙の結晶です。
出展者のみなさん。左からHCM Sports Garage岩間さん、STUDIO 6 ZERO二ツ木さん、T3 TEC豊泉さん、ROUTE K・S川合さん、SEV宮村さん、Honda Cars 木津の村田さん。
アメリカから参加したオーナー(左)とNSXで走るのが楽しくて鈴鹿に引っ越してきたというイギリス人ご夫妻。
NSXを所有する喜びは、NSXならではの走りを楽しむだけでなく、かけがえのない仲間を得ることにもあります。
NSXのイベントを訪れるたび「Nicest People on a Honda」のフレーズが浮かんできます。
展示されたNSX-Rを見ながら語り合うオーナー。話題はメンテナンスについてでしょうか。
息子さんも楽しそうです。NSXは、世代を超えて輝き続ける存在といえます。
スペシャルトークショーを楽しむ参加者のみなさん。塚越さんの秘話に大笑い。