SPORTSが息づく、Hondaのハイブリッド#NSX #CIVIC #CR-Z #電動化
2024.12.9

Hondaは、カーボンニュートラルの実現のために、早くからクルマの電動化にさまざまな角度から取り組んできました。ハイブリッド車をいち早く製品化したのもその一環です。そして、ハイブリッドシステムで環境に貢献するだけではなく、同時に走りの楽しさを両立することにもこだわってきました。
1999年のINSIGHT登場から25年を経たいま、Hondaがこれまでに登場させたハイブリッドシステムを搭載したクルマをあらためて走らせ、共通して息づく、走りの楽しさを味わってみたいと考えました。Hondaレーシングドライバーの塚越 広大選手と、モータージャーナリストの飯田 裕子氏によるHonda歴代ハイブリッドシステム搭載車一気乗り。SPORTS DRIVE WEBならではのインプレッション動画をお楽しみください。加えてこのページでは、Hondaの歴代ハイブリッドシステムについて紹介します。

HondaらしくM.M.思想に基づきエンジンを主役とした
独創的1モーターハイブリッドシステム「Honda IMA」

1990年代初頭、世界で地球温暖化対策の議論が活発になり始める以前、1980年代からHondaはすでにさまざまな電動化の研究をスタートさせていました。そのひとつとして、いち早くCO2の排出量低減に寄与させるべくハイブリッド車を開発。1999年に当時の世界最高燃費35.0km/Lを達成した初代INSIGHTを発売しました。
当然ながら、INSIGHTで追求したのは燃費だけではありません。Hondaらしい走りの楽しさの実現も最初のシステムから徹底的に追求していました。そのために、数あるハイブリッド方式から、1モーターのパラレル方式を選択。Hondaの得意なエンジンを主役に、1つのモーターでまるでターボエンジンのように発進・加速をアシストするシステム、「Honda IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)」を開発したのです。トランスミッションには、CVTに加えて5速MTを採用し、2シーターアルミボディーによる軽さと徹底的に高めた空力性能をあわせ、走りの楽しさを追求しました。
Honda IMAは、その後2001年のCIVICにも搭載、そして、ハイブリッド車をより身近にすることを目指した2009年の2代目INSIGHT、2010年にはコンパクトカーのFIT、俊敏で爽快な走りと低燃費を実現するハイブリッドスポーツCR-Zに搭載しました。CR-Zは、ハイブリッド車として当時世界で初めて6MTを採用し、スポーティーな操る喜びを追求したモデルです。インプレッション動画では、CR-ZのCVT車を走らせています。

インプレッションドライバーを務めた塚越選手とモータージャーナリストの飯田氏。鷹栖プルービンググラウンドのテストコースを、歴代のハイブリッドシステム搭載車で駆け抜けました。

1モーターでさらなる走りの楽しさと燃費を両立させた
7速DCT採用の「SPORT HYBRID i-DCD」

Hondaが1モーターのコンパクトなハイブリッドシステムの開発を進めたのは、身近なコンパクトカーに搭載し、より多くのお客様に乗っていただきたいという思いからです。エンジンを主役としたHonda IMAでハイブリッドが認知されはじめた次のシステムとして、ユニークなスタンスで1モーターハイブリッドシステムを進化させました。
7速のデュアルクラッチトランスミッション(DCT)にモーターを融合させた「SPORT HYBRID i-DCD(インテリジェント・デュアル・クラッチ・ドライブ) 」です。自動変速する7速DCTに供給するエンジンパワーをモーターでアシストするシステム。DCTの中身はマニュアルトランスミッションと同じで、ギアによる変速を行いますから走りはスポーティーです。発進などモーターが得意な領域はモーターだけの走行も可能で、エンジンが得意な高速クルーズはエンジンだけでも走行します。
2012年のFITにはじまり2016年のFREEDまで、さまざまな車種に搭載されました。インプレッション動画では、リアにダブルウィッシュボーンサスペンションを採用し、ミニバンでありながらスポーティーな走りで高い評価を獲得したJADEを走らせています。

スーパースポーツに、かつてない操る喜びをもたらした
3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」

ハイブリッドシステムなどが普及したことを背景に、CO2削減の視線はスーパースポーツにも注がれるようになりました。Hondaはここでもユニークなアプローチを行います。2004年のLEGENDで採用した、当時世界初の四輪駆動力自在制御システム「SH-AWD(スーパーハンドリング・オールホイール・ドライブ)」のメカニカルシステムをモーターに換装。「SPORT HYBRID SH-AWD」として2014年のLEGENDに搭載しました。これは、フロントにエンジンと1つのモーターを搭載し、リアの2つのモーターで左右輪の駆動力を制御して曲がる力を発生させるトルクベクタリングを行う3モーターハイブリッドシステムです。
そのシステムの考え方を活かし、3.5L V6 DOHC VTECツインターボエンジンと1つのモーターをミッドシップにレイアウトし、フロントに2つのモーターを搭載してトルクベクタリングを行うスーパースポーツ用のシステムとして2016年のNSXに搭載しました。
徐々にハイブリッド化しはじめたスーパースポーツの世界において、モーターでトルクベクタリングを行い、ターボラグをモーターでアシストするこれまでにない走りの喜びを実現した先駆的なモデルとなりました。インプレッション動画では、塚越選手がステアリングを握り、ローンチコントロールによる発進を含め、エキサイティングな走りを楽しんでいます。ぜひご覧ください。

高度なエンジニアリングで2モーター化を実現した
多彩な才能を持つハイブリッドシステム「e:HEV」

Hondaは長年の研究から、ハイブリッドシステムとしては、「バッテリーの電気を使ったモーター走行」「エンジンで発電しながらのモーター走行」「エンジンだけの走行」の3つの走りを自由に切り替えられるシステムが、理論的に効率が良いという結論を導き出していました。しかし、エンジン、2モーター、トランスミッションとなるCVTをコンパクトに収めるのは困難であるため、CVTを取り払うことを決断。エンジン走行時は直結クラッチでタイヤを駆動し、あとは2つのモーターだけというシンプルな構造の「SPORT HYBRID i-MMD(インテリジェント・マルチモード・ドライブ)」を2013年に開発しました。3つの走りを制御する高度なエンジニアリングが評価され、平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞しています。
そして、2020年に独自の2モーターハイブリッドシステムをさらに進化させ「e:HEV」と命名し、ステップワゴンなどに搭載。2022年には、世界トップクラスの燃焼効率を達成した2.0L直噴エンジンと進化させたハイブリッドユニットを組み合わせました。これにより、強力なモーターによるスムーズで力強い加速を味わえるだけでなく、加速時にマニュアルトランスミッションでシフトアップするようにエンジン回転を変化させるリニアシフトコントロールなどもあわせ、走りの楽しさを一段と高めました。
低燃費で、モーターの力強い加速が味わえ、高速クルーズではエンジンで走行し、加速するとモーターで走りながらもエンジン車のようなシフトアップのエンジンサウンドが楽しめる多彩な才能を持った新たなe:HEV。まさにHondaらしいスポーティーな操る喜びを実現したハイブリッドシステムです。インプレッション動画では、2024年に登場した最新のCIVIC e:HEVを走らせています。

いち早くハイブリッドシステムの開発に着手し、たゆまない進化に取り組んできただけでなく、EV(電気自動車)やFCEV(燃料電池自動車)といった電動化技術もHondaは情熱を注ぎ込んで進化させています。モーターという、さまざまな制御をより自由に行えるパワートレーンを手にしたことで、環境を重視するこれからの時代もHondaは、さらに熱くクルマのスポーティーな操る喜びの新たな扉を開いていくことに挑み続けます。

歴代ハイブリッドシステム搭載車 インプレッション動画

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