雪国では稲刈りが概ね終わる10月中旬から「冬支度」を始めます。例年ですと、11月下旬から雪の便りが聞こえてきますので、その前に除雪機の納品をするために「冬支度」に併せた商談が活発になります。除雪機を扱うお店では、9月に入ると展示機を取り揃えてお客様をお迎えする準備を整えていただいています。

Hondaは、1980年から除雪機に参入しましたが、二輪店の冬季商売をご支援するという側面もあったことから、今でも二輪店ではHonda除雪機を扱っていただいています。また、除雪機よりも早い1959年からHondaは耕うん機の取り扱いを始めており、農業機械のお店では1980年の参入開始からHonda除雪機を取り扱っていただいています。このような「Honda除雪機のお店」をお客様に分かりやすくお伝えしようという取り組みが「Honda Snow Shop」なのです。

2000年以降、Hondaとしてホームセンターとの取引を拡大し、たくさんのお取引様が増えました。しかし、一概にホームセンターと言ってもお取引する法人様によって様々な考え方があります。除雪機は厳しい環境で働く機械商品であり、定期的な点検が欠かせません。そうしたことから、ホームセンターの場合も、店舗にサービスピットがあり、一定の整備技術のある店舗のみを「Honda Snow Shop」として認定させていただいています。

除雪機は安い買い物ではありません。写真と現物では随分と印象も違いますし、実際に触ると新しい発見もあります。お客様にHonda除雪機の良さを納得してお買い求めいただくためにも実機をご自身の目で見ていただきたいと考えています。「Honda Snow Shop」には、お客様が見て、触って比べられるように幅広い機種の展示をお願いしており、毎年たくさんの展示で応えていただいています。

除雪機って、実はモデル選びが難しい商品なんです。地域としては同じように雪が降りますが、お客様の除雪する場所が南向きか北向きか違うだけで、全く違う雪質・積雪量になってしまいます。だから「売れ筋のモデルは、コレ」という決め付けではなく、お客様が使う環境に合わせて除雪機を選ぶお手伝いができないとダメなんです。

最近の除雪機は様々な機能がありますので、どんな機能がお客様に役立つのか親身になって相談にのってくれるお店がやはり安心です。お客様の身近にある、そんな頼れるお店をお伝えするために「Honda Snow Shop」を積極的に発信しています。

その通りです。除雪機は、厳しい雪の環境で使われる機械なだけに、シーズン後の保管状態やシーズン前点検などメンテナンスをしながら状態を保っていただくことが大切です。

Hondaにはハイブリッドに代表される先進の技術を投入することで使いやすさを実現した除雪機があります。これは、電子制御で操作をアシストしてくれる除雪機なので、サービスにはメカに加えて電気の知識が必要になります。「Honda Snow Shop」は、定期的な研修や勉強会に参加していただき、除雪機のプロショップとして新しい技術に対応するサービス技術を磨いていただいています。

たくさんの点検や修理を行っていただいているので、消耗しやすい箇所などもよくご存じです。そうした打ち上げが除雪機の改良に反映されることも多々あります。Hondaはお店を通じてお客様と接しているわけなので、「Honda Snow Shop」は、Hondaが除雪機のお客様を知るうえで情報の要となっていただいています。

Hondaに入って初めて就いた仕事はサービスエンジニアでした。東北のお店の担当になりましたが、部品がどこに付いているのかすらわからない状態だったので、お店に怒鳴られながら勉強する毎日でした。メーカーサービスという立場なので「分からない」とは、なかなか言えませんでしたし。同じ部署の先輩だけではなく、部門を越えて開発者の方にも色々と教わりながら仕事を覚えていきました。

私がスペシャリストなのではなく、色々と教えていただく中で知識が増えただけです。今でもお店には教わりっぱなしです。ただ、調子が悪くなった除雪機の問合せをいただいた際は機械の症状を細かく伺います。故障診断では実機を見るのが一番ですが、常に実機が確認できるとは限りません。そのような時も、サービス技術力の高いお店は、お客様の使い方まで目に浮かぶように機械の状態を伝えてくれます。

一番成長させて貰っているのはお店です。未だに厳しい言葉を貰うときもありますが、真剣にお客様と向き合っているから厳しい言葉をいただくのだと思ってます。これからもお店と一緒に切磋琢磨しながら、お客様に気軽に足を運んでいただけるHonda除雪機のお店をつくっていきます。