独立行政法人 自動車事故対策機構 理事長 濱隆司氏よりファイブスター賞記念メダルを授与される本田技術研究所 オートモービルセンター 松井〈LPL〉
2019年10月23日、「第46回東京モーターショー2019」に出展中の国土交通省と独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA)の展示ブースにおいて、令和元年度前期自動車アセスメント結果発表会(主催:国土交通省、NASVA)が行われ、Hondaはインサイトが衝突安全性能評価で「ファイブスター賞」を受賞しました。
国土交通省とNASVAによって実施される自動車アセスメント(JNCAP)は、市販車の中から選定された車両について安全性能の試験を行い、評価するもので、乗員保護性能と歩行者保護性能の両立が求められる「衝突安全性能」や、被害軽減ブレーキや車線逸脱抑制といった「予防安全性能」などを評価。NASVAではこうした結果を公表することで、ユーザーに対しては安全性の高いクルマを選択しやすくするとともに、自動車メーカーに対してはより安全な製品開発を促すことで、安全なクルマの普及促進を図っています。
安全性能評価については、衝突安全性能として乗員保護性能や歩行者保護性能などのテストを実施するとともに、シートベルトの着用警報などさまざまな項目に点数を配分し、得点の合計によって☆の数によるランク付けを行い、最高ランクを「ファイブスター」としています。
一方、予防安全性能評価としては被害軽減ブレーキ、高機能前照灯、ペダル踏み間違い時加速抑制などを評価対象とし、獲得点数に応じて「ASV+」「ASV++」「ASV+++」というランク表示を行っています。
インサイトは昨年度に実施された予防安全性能評価で最高ランクである「ASV+++」を獲得しており、今年度に行われた衝突安全性能評価においても
最高ランクの「ファイブスター」を獲得しました。
東京ビッグサイトで開催された「第46回東京モーターショー2019」において、JNCAPの結果発表と表彰式が行われた
「第46回東京モーターショー2019」に出展されたNASVAのブース
式典では、今年度の前期に行われた試験によって、衝突安全性能評価では「ファイブスター賞」、予防安全性能評価では「ASV+++」を獲得した車両を発表。さらに最高得点を取得した車両について、表彰が行われました。
インサイトは衝突安全性能評価において「ファイブスター賞」を獲得した車両の中で最高得点を取得。インサイトの開発チームを代表して本田技術研究所オートモービルセンター 松井〈LPL〉が「ファイブスター賞」の記念メダルを拝受し、受賞スピーチを行いました。
松井「この3代目となるインサイトは、ハイブリッド車が当たり前となった今、新たなニーズに応えるべく、これまで磨き上げてきたハイブリッドシステムを、高効率で高出力な2モーターシステムのi-MMDに進化させるとともに、クルマとしての本質価値を追求して開発したミドルセダンです。昨年度は、予防安全性能評価において最高ランクの『ASV+++』を獲得し、今回は衝突安全性能評価で最高ランクの『ファイブスター賞』を獲得できたことで、インサイトの価値がさらに磨き上げられたと考えております。本日は名誉ある賞をいただき誠にありがとうございました。開発現場に感謝するとともに、チームメンバーと受賞の喜びを分かち合いたいと思います」
さらに松井は、表彰式を終えたあとのインタビューで、インサイトの安全技術や開発に対する想いを次のように述べました。
松井「インサイトは、特に衝突安全基準に厳しい北米をはじめ世界各国の基準にハイレベルで対応する衝突安全性能を目指して開発しました。また、国内でも多く発生している歩行者事故も重視し、ポップアップフードシステム※を採用しています。Hondaのクルマづくりは、単に基準に適合させるのではなく、“Safety for Everyone”の考え方の通り、クルマに乗っているお客様だけではなく、歩行者など道を使う誰もが安全でいられる技術開発に取り組み、最新の技術を投入するなど常に進化をさせています。今回のインサイトは、Honda独自の2モーターハイブリッドシムテムi-MMDを採用しました。モーターでの走行が主体となるハイブリッド車なので、モーター駆動ならではの加速感、爽快感、静粛性を、最高ランク評価の安全技術によって安心して体感していただけると思います。より多くのお客様に選んでいただきたいですね」
展示ブースでは、自動車アセスメント事業についてのパネル展示や試験映像の上映とともに、衝突実験が行われたインサイトの実車を展示。前面オフセット衝突実験によってエンジンルームが効率よく衝撃を吸収しながら室内の生存空間がしっかり確保されたインサイトに、多くの報道陣がカメラを向けていました。
※歩行者などとの衝突を感知すると、ボンネットの後ろ側を瞬時に約10cm持ち上げ、エンジンルームに空間を確保することで歩行者の頭部などへの衝撃を緩和します。
本田技術研究所 オートモービルセンター 松井〈LPL〉
実際にオフセット衝突実験に使用されたインサイトが展示された
自動車アセスメントにおける試験状況
(画像提供:独立行政法人 自動車事故対策機構)