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販売する際には安全の意識やスキルを身に付けてもらう。大型バイク専門店の取り組み。

ホンダ・ビッグ・ウイング・バンコク店

ホンダ・ビッグ・ウイング・バンコク店

店長のユッタナー・マンカン

店長のユッタナー・マンカン

お客様との会話の中でもライディングスキルの確認を行っている

お客様との会話の中でもライディングスキルの確認を行っている

2012年4月、バンコク市内プラディットマナム通りに大型バイク専門の販売店「ホンダ・ビッグ・ウイング」第一号店がオープンした。これまで大型バイクを専門に扱う販売店はなく、より特化したサービスの提供によって「大型バイクとの新しい出会いを提案していく」ことを活動目標とし、広大な敷地にショールームとサービスセンターを備えた新しい試みの二輪販売店だ。
A.P.Hondaは現在、7店のホンダ・ビッグ・ウイング店をタイの主要都市で展開しており、今後も拡充を計画している。
店長のユッタナー・マンカン(ホンダ・ビッグ・ウイング・バンコク店 マネージャー)が活動指針を話してくれた。
「A.P.Hondaの『6S』を基本に活動しています。私たちは特に、『セーフティ』と『ソサエティ』に力を入れ、この2つを強化して事業を発展させていくのが目標です」
例えば「セーフティ」の取り組みでは、大型バイクに今まで乗ったことがない、あるいはしばらく乗っていないというお客様を対象に、購入前の教育に力を入れている。インストラクターの資格を持つスタッフが最低2名は常駐しており、敷地内で大型バイクの扱い方を確認し判断させていただくこともあるという。
「そうしたお客様にはまずはセーフティ・ライディング・センターで講習を受けていただきます。インストラクターのOKが出なければ販売手続きに進めません」
安全運転のスキルを身に付けていただいてからバイクをお渡しするという姿勢の現れだ。
「時には私たちのこうしたやり方に不満を持つお客様もいらっしゃいますが、一緒に来られるご家族は安心してくださいます。それでもご本人が気に入らないと言って他店を見にいくとそこでは簡単に売ろうとする。すると今度はご家族が反対して、結局はこの店に戻ってこられます」
安全に乗ることの大切さを伝え、安心して購入していただく。それは、乗られるご本人はもちろん、ご家族のためでもあるのだ。
また、大型バイクは毎日乗る人は少ないので、経験が浅い人や少しでも不安を感じる人のために、月に2回セーフティ・ライディング・センターでスキルを維持するための講習も行っている。
こうした講習会に参加することで交流の場ができ、ユーザー同士の出会いが生まれる。女性ライダーもいるのでここでの出会いが結婚にまで発展したケースもあるそうだ。そのカップルはセーフティ・ライディング・センターで式を挙げたとのこと。
A.P.Honda主催のツーリングイベントもあり、大規模なものでは海外で開催するケースもある。日本でのツーリングを開催したこともあり、その時にはHondaのバイクの生産工場である熊本製作所を見学した。その際にも、参加者は週1回4週間の講習を行ったうえで日本へ来たという。
安全・安心という意識が備わった上でバイクを楽しんでいただくという取り組みが貫かれているのだ。
その徹底ぶりをユッタナーが最後に語ってくれた。
「購入されるお客様におまけはないのかとよく聞かれます。当店ではバイクを引き渡す際みなさんに、いつでも好きな時にお使いくださいと、5000バーツの講習クーポンを差し上げています」

安全の意識改革は子どもから。そして、広く世間に。

A.P.Hondaでは、バイクの運転者に対するさまざまな活動を行っているが、交通安全への意識を身につけるためには、バイクに乗り始める前、子どもの時からの交通安全教育が必要だと考えている。
スタットが切実な表情で想いを口にした。
「子どもの時から交通安全の意識、認識が備わっていれば、免許を持つようになってからの事故も減らすことができると信じています」
その想いから始まった取り組みが「ロード・セーフティ・フォー・キッズ」である。
カリキュラムの内容は、道路を渡る時は右見て左見て、といった基本中の基本から、標識を守らないとどんなことが起きるかという交通ルールや、自転車の安全教育も行う。さらにはバイクやクルマについてもヘルメットやシートベルトの着用の大切さを伝える。
「子どもの場合、30分から長くて1時間、それ以上は続きません。標識などはクイズ形式で答えさせるなど飽きさせない工夫も必要なんです」とスタットはやさしい顔を見せた。
現在、子どもたちの先生への講習も行い、学校へ戻って教える、という教育の場を広げていくことも始まっている。
また、バイクの安全運転をより広く訴え、多くの人の意識を改善していこうと、「ゼロ・アクシデント(事故ゼロ)・キャンペーン」を2010年からスタート。テレビをはじめとするメディアやイベントなどによって若者の関心を安全運転に向けようと活動している。イメージキャラクターとしてタイの国民的シンガー、カラバウさんを起用してキャンペーンのミュージックビデオを作成するなど、「飲酒運転禁止」「ヘルメット着用」「スピード超過注意」で事故ゼロを目指そうとアピールしている。
「Hondaはタイではとても有名なブランドです。信頼もされています。だからこそいろいろやってみる。そして安全教育を続ける。安全運転の大切さを訴え続ける。それが重要なんです」(アラック)
A.P.Hondaの安全運転普及活動がスタートして25年。事故発生率や死亡者数などの減少は確実に表れている。しかし、アラックとスタットの活動に終わりはない。続けることが何よりも大切であることを、この2人は知っているのだ。

左がアラック・ポンプラパー、右がスタット・チューラック

左がアラック・ポンプラパー、右がスタット・チューラック