須藤英一(フリー・カメラマン)
1956年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンとなる。1985年雑誌『アウトライダー』にてツーリング写真の撮影を開始。以後日本の道、風景を撮りつづけ、現在にいたる。2002年長年の取材経験をもとに「日本百名道」(大泉書店)を発表。
みなさんはホワイトバランスという言葉を知っていますか?これは写真の色を左右するうえで重要なカメラ機能のことなのですが、これを理解し、スムーズに利用することはちょっと難しいかもしれません。しかし、さまざまな色温度を持った光源下で写真を撮るうえで、この機能を使うことは避けては通れないことだと思いますので、今月は「ホワイトバランス」を簡単に説明してみたいと思います。

Point1
ホワイトバランスとは?
Photo01カメラで写す被写体の色は、被写体に当たっている光の色で変わる。 だから写真に撮ると、【晴れの日】、【雨の日】、【夕陽】、【電灯光】、【蛍光灯】など、周りにある光の影響によって、みな違う色で写るのだが、カメラを通さず人間の目で見るだけだと、その違いはほとんどわからない。それは、人間の目が自動的に色を補正してくれるからだ。
だからカメラには、「晴れの日」や「雨の日」、「電灯光」などの光の種類を指定できるホワイトバランスが用意されている。 それをオートで行うのがオートホワイトバランスという機能だ。
これは、被写体にどんな光が当たっても人間が目で見たものに近い色にしようという機能だ。
例えば…
Photo02 普段はカメラにあるオートホワイトバランスを使って撮影していれば大きな問題はない。
右の写真は、オートホワイトバランスを使って撮影した夕方の写真。 夕方なのに日中の普通の色あいに同じになってしまっている。

本来写るはずの夕方の色をオートホワイトバランスが補正してしまっているのだ。
矢印
Photo03 夕方の写真は本来は夕陽の色あいになってなければならない。
そこでホワイトバランスを昼間の太陽光に変えて撮影してみた。すると写真全体が夕陽の色に。

このように、ホワイトバランスを調整することで、よりその場の雰囲気に沿う、表情豊かな風景をつくりすることが可能になる。

Point2
ホワイトバランスを使って、いろんなシーンで撮影をしてみよう。
シーン1. 夕暮れのカフェでの撮影
Photo04 Photo05
夕方お店の前で、ホワイトバランスを電灯光にして撮影した。 カメラはお店の中の電灯光を補正しているが周辺は青くなっている。 今度はホワイトバランスを太陽光にしてみた。
写真全体が赤くなり、太陽光に比べ電灯光はかなり赤いことがわかる。どちらがいいかは写真の目的など作者の好みになる。
シーン2. 曇り空の屋外での撮影
Photo06 Photo07
どんよりとした曇りの日に、オートホワイトバランスで撮影した写真だ。曇りの日は、写真全体の色が地味になる。正しい色にはなるが、場合によっては無機質な写真となる。 ホワイトバランスを太陽光に変えてみると、微妙だが写真全体が青くなる。曇りや雨の日は晴れた日より青くなるのだ。正しい色ではないが、曇りの日を印象的にすることができる。
シーン3. トンネルの中での撮影
Photo08 Photo09
トンネルの中でホワイトバランスを太陽光で撮影してみた。トンネル内の明かりを受けてトンネルの壁などは赤くなっている。そのためトンネルの暖かさを感じることができる。 今度はホワイトバランスを電灯光にしてみた。
トンネル内の色は普通の色になったが、トンネルの外から差し込んでくる太陽の光は青くなるので、トンネルが寒く感じる。このようにホワイトバランスを設定してあげると自分好みの色にすることができる。
シーン4. 夜の撮影
Photo10 Photo11
夜、CB1300のメーターパネルを写してみた。
これはホワイトバランスを太陽光で撮影したのだが、遠くの街明かりは電灯光なので、オレンジ色になっている。
今度はホワイトバランスを電灯光にしてみた。 遠くの夜景などは正しい色になっている。またメータパネルの青も美しい。


第23回:夜の撮影   第25回:露出で写真が変わる