須藤英一(フリー・カメラマン)
1956年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンとなる。1985年雑誌『アウトライダー』にてツーリング写真の撮影を開始。以後日本の道、風景を撮りつづけ、現在にいたる。2002年長年の取材経験をもとに「日本百名道」(大泉書店)を発表。
ツーリングに出かけたとき、美しい自然の風景を見つけると思わず写真を撮ってしまいます。しかし都会に住んでいる人は見慣れた都会の風景を撮ることはあまりないのでは? 都会も人工的な風景の一つです。もう一度都会の風景を見直して写してみましょう。

Point1
都会の建物を効果的に撮影する
都会は大きな建造物が多い。それらを効果的に写真の中に写し込むのはなかなか難しい。でも建物の一部だけでそれが何かわかるものであれば、バイクを入れ込んで写すのはやさしいはずだ。
Photo01
バイクと建物を一緒に写し込むのが難しい場合は、カウルやバイクのメッキ部分に写り込んだ建物を写すというアイデアもある。
Photo02 Photo03

Point2
高層ビル群を一望して撮影する
Photo04 都会の象徴である高層ビル群は近くから撮影するのが難しいので、離れた場所から撮影しよう。

…とは言っても、離れれば離れるほど背景のビルはファインダーの中で小さくなり、見えなくなってしまう。そんな時は、空き地や川などに行くとじゃまな建物が無く、都会のビルがよく見える。
このように、背景を一望できる撮影ポイントを探すことが、この撮影では大切である。
下の2枚の写真は、東京湾の埠頭から見た都会のビル群。都会の港はツーリングに出かけるのもおもしろい上に、広大で写真を撮りやすいところが多い。望遠レンズを使ってビル群を大きく写そう
Photo05 Photo06

Point3
建物の大きさを活かして撮影する
Photo07 Photo08
都会の建物は大きいものや高いものが多い。
そのような大きな被写体とバイクを一緒にフレームインさせるのはかなり難しい。
例えば、このようなタワーの場合、全体を写し込もうとするなら、バイクは部分だけの写真にするのが、無理がなくいいだろう。
ZOOMERのような小さなバイクだと、これに乗って都会の街中を散歩することが、楽しくラクな上に、広角レンズを使って撮影すると、上記の写真のように、大きな建物と一緒に、無理なくバイクの全景を写すことができる。

Point4
都会の雑多な背景の中で撮影する
Photo09 都会の撮影でよく気になってしまうのが背景だ。
雑多な都会の風景の中、撮影する構図を決め、タイミング良くシャッターを切ったつもりでも、行き交う歩行者や、走り過ぎる車が写ってしまったりして、せっかく撮影した写真の背景がゴチャゴチャになってしまうことも、多々あるはず。
Photo10 そんな時は、こんな撮影方法もある。スローシャッターを使って、背景の車を流してしまうのだ。

左の写真は、三脚にカメラを固定して、シャッタースピードを1/8秒にセット。白いトラックがバイクの後ろを通過するときにシャッターを押して撮影したものだ。
白いトラックの形と車体の模様が流れてスクリーンの役目を果たし、雑多な背景をうまく隠してくれた。

Point5
都会の名所で撮影する
都会にも名所や旧跡というものがある。そのような場所を探して見ると結構楽しく、つい写真を撮ってみたくなるものである。ただし都会は人が多いので、バイクを配置する場合、とくに迷惑にならないように撮影したい。
Photo11 Photo12
Photo13 名所や旧跡名の中心的なところは、いつも人でいっぱいだ。

その中で、ムリヤリ撮影するよりも、同じ風景が続いているその近辺で人の少ないポイントを探した方が、自由にいい写真が撮れるはず。
いろいろと街中を探索してみれば、自分だけのお気に入りスポットを見つけることができるかもしれない。

Point6
人工的な建物をバックに撮影する
下の写真は、階段ときれいに並んだ柱が美しいのでバイクは画面の端に置いてみた。

このように都会の風景は人工的に作り上げられた風景が多く、いろいろなおもしろい建物がたくさん街中に存在している。こんな幾何学的な模様やデザインが組み込まれた景観をバイクと共に撮影すると、自然の中とはひとあじ違う、アーバンで、まるでおもちゃ箱のような写真が撮れたりすることが、おもしろいかぎりである。
Photo14

第20回:高原での撮影   第22回:富士山を写そう