須藤英一(フリー・カメラマン)
1956年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンとなる。1985年雑誌『アウトライダー』にてツーリング写真の撮影を開始。以後日本の道、風景を撮りつづけ、現在にいたる。2002年長年の取材経験をもとに「日本百名道」(大泉書店)を発表。
雨の季節がやってきました。ツーリング途中での雨は憂鬱な気分になってしまいがちですが、これもまたこの時期でしか味わえないものだと割り切って、雨の中のツーリングを楽しんでみましょう。そして、いつもと違う雨の光景の中の愛車の撮影にも是非チャレンジしてみてください。今月は雨の中での撮影のヒントをいくつかご紹介します。

Point1
まずは、雨の日の撮影準備。
雨の中の撮影で一番困るのが、カメラの雨対策だ。カメラは水に弱いので注意が必要。

ほんとうは生活防水のコンパクトカメラが一番良いのだが、防水のカメラではない場合、短時間で撮影するようにしてカメラが濡れないように気をつける。
そして、ポケットにしまうときは、ジッパー付きのビニール袋などに入れておけば安心だ。
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Point2
雨の日の撮影。まず注意することは?
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雨の日に注意しなければならないのは、雨の日は全体的に暗いので手ブレを起こさないように、しっかりとカメラをかまえることだ。そして、レンズが曇ったり、水滴がついてしまうと撮影する画像が悪くなるので注意しよう。 ちなみにレンズが曇ってしまった場合、このような写真になる。ただし、写し方によってはフィルターを使ったように不思議な効果がでるものもある。
ちょっと試してみるのもおもしろいかも。

Point3
濡れない場所の確保。屋根のある場所でじっくり撮影。
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このような場所があれば、カメラが雨に濡れる心配がない。三脚など機材の使用も含め、じっくりとベストな構図を考えて撮影方法を模索することができる。
屋根のある休憩所などがあると、雨に濡れなくてすみ大いに助かる。もちろん、この場合、バイクを中に入れるのではない。カメラマンが中から撮影するのだ。  

Point4
光量不足をカバー。ホワイトバランスの活用。
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雨の日は写真の色が地味になる。強い太陽の光がないから鮮やかな色は期待できない。
淡いモノトーンの色調は雨の雰囲気が写真に現れる。
デジタルカメラにはホワイトバランスがある。詳しい話は今後の写真講座で解説するが、簡単に言うと雨の日は光が青いのだ。カメラのホワイトバランスを「オート」や「曇り」から「晴れ」に変えてみよう。写真が青くなり雨の日らしい雰囲気になる。

Point5
雨の日ならではの雰囲気あふれる写真を撮ろう。
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雨上がりの水たまりに映ったバイク
雨を表現するにはいろいろな方法があるが、水たまりの反映を使うのもその一つ。
ただしこの場合、雨が降っていたり、風が強く吹いていたりすると、水たまりの水面が揺らぎキレイに映らないので注意。
小雨の中でバイクが雨宿りしているような情景を撮影してみた。
しかし、よほど激しい雨でなければ、雨が写真に写ることはないので、この情景を創りだすには、何か雨らしい間接的な表現を取り入れることを考えて撮影する必要がある。
Photo10 雨粒に濡れたバイクも水滴が光を反射し、なかなかいいものだ。
しかし、バイク全体を写すと雨粒が写らない。
このような場合、バイクの一部分を大きくクローズアップして、雨粒を強調してみよう。

第16回:フレーミングを理解しよう   第18回:キャンプでの撮影