須藤英一(フリー・カメラマン)
1956年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンとなる。1985年雑誌『アウトライダー』にてツーリング写真の撮影を開始。以後日本の道、風景を撮りつづけ、現在にいたる。2002年長年の取材経験をもとに「日本百名道」(大泉書店)を発表。
気候もだんだん暖かくなってきて、いよいよ、ツーリングシーズン本番ももうすぐ。春は一年を通じて一番華やかな季節。どこに行ってもいろいろな花が咲き始め、野山が美しく彩られてきます。そんな色鮮やかな花を見つけたら、誰でもきっと写真を撮りたくなるはず。今月は、そんな撮影時のアドバイスをしてみます。

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望遠レンズを使って、小さな花の存在感をアップ!
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ツーリング途中で見つけた小さな花畑。とりあえずバイクをその横に停めてみた。
広角レンズでバイク全体を入れて撮ってみたけれど、まわりの風景が写りすぎて、花の印象が薄くなってしまった。
  そこで望遠レンズを使い、花畑の風景から花が密集した部分だけを切り取り、CB400SFのフロント回りを大きく画面に入れてみた。すると、周りがすべて花だらけのような印象を受ける。
花は小さいので大きく撮るのが基本だ。
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道路が左側にカーブしている内側に花畑があった。こんな時、普通なら花の手前にバイクを止めて写真を撮ると思う。でもそれでは当たり前すぎ。   バイクを花畑の向こう側に止めて、こちらから写してみよう。望遠レンズを使ってこんな感じで撮ってみると、花も大きくなりバイクも全体が写る。まるで花畑の中にいるように見える。花畑は全部を写さないで部分を大きく撮る。

Point2
いつもと違う視点で、ピントを合わせて見る
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花とバイクを一緒に望遠レンズで写す場合、ピントをどちらかに合わせるしかない。
どちらにするかはその時の状況で決まるのだが、通常の場合は、バイクにピントを合わせがち。無論、手前の花はぼけてしまう。
  しかし、花がすごくキレイだった場合、上の写真のように、花にピントを合わせ、バイクをぼかしてしまうのがいい。

Point3
花の風景の中で変わる、バイク達の表情
Photo07 道端に沿って菜の花が咲いていたのでフュージョンを停めてみた。
周りの木や塀が写り込まないように注意し、望遠レンズを使って正面から撮影。
この場所が曲がり道だったおかげで、手前の菜の花をうまくぼかすことができ、やさしい感じのする写真となった。
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桜の枝が大きく垂れ下がっている場所での撮影。
背景にも桜が写るようにと思い、アングルを探していたら、ミラーに太陽光がうまく反射。この絶妙なハプニングに思わずシャッターをきってしまった。おかげで写真の中にちょっとしたアクセントができた、おもしろい写真となった。
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水仙が一列に並んで咲いている場所の向こう側に、バイクを停め撮影した写真。
このロケーションでは、花とバイクが離れているため、バイクにピントを合わせると、手前がぼけすぎ何だか良くわからなくなってしまう。これではせっかくの花も台無しに。
そこで花にピントを合わせることで、この問題を回避。
春らしく鮮やかな色彩の一枚に・・・。

Photo10

夕方、陽が沈みかけた時に見つけた桜の木。
思い切って逆光にして桜をシルエットにしてみた。
ただ、花だけを写すのではなく、その場の雰囲気を演出することも重要だ。

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