須藤英一(フリー・カメラマン)
1956年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンとなる。1985年雑誌『アウトライダー』にてツーリング写真の撮影を開始。以後日本の道、風景を撮りつづけ、現在にいたる。2002年長年の取材経験をもとに「日本百名道」(大泉書店)を発表。
須藤撮影隊は昨年秋に北海道ロケを行いました。これはスクリーンセーバーや壁紙用の写真撮影が目的です。あわや台風直撃か?という危ない天気の中を出発したロケ隊は幸いにも台風一過の好天に恵まれ、雄大な北海道のツーリングを満喫しながら写真撮影。今月はその中からスクリーンセーバーに使用された写真の解説をします。

Scene1
台風一過、富良野の秋空を仰ぐ
Photo01 CB1300 SUPER BOL D'OR
台風一過の秋空。澄みきった空気の中、青い空に浮かぶ白い雲が美しい上富良野町。幹線路からちょっと外れるだけでジャガイモ畑が広がる雄大な景色に出会える。
車がまったく通らない道にバイクを止めて、この青空を強調するためにアングルをちょっと低くして、広角レンズで撮影してみた。青い空を背景にしたCB1300 SUPER BOL D‘ORが美しい。ただ、もっと面白い形の雲が現れれば、もっと良かったのだが…。

Scene2
どこまでも続く、十勝の地平線
Photo02 Photo03
CB1300 SUPER BOL D’OR
十勝平野の夕焼け。帯広を中心とした十勝平野はどこまでも広く、どこまでも真っ直ぐに道が続く。
広い視界に広がる夕焼けの中、電線のない道路を探し、夕陽に向かってバイクを止めた。この日は空気が澄んでいたため夕陽が強く、太陽が沈むのを待ってスクリーン越しに撮影。カメラはちょうどリアシートの上あたり。左右のミラー位置に気をつかった一枚。
FORZA
ここは帯広の北、上士幌町にあるナイタイ高原牧場だ。十勝平野が一望できる大パノラマが広がるここで、フォルツァを撮影した。
左右に広がる風景、だからといって広角レンズを使うとは限らない。このような場所で広角レンズを使うと広い風景が小さくなってしまう。
そこで少し離れた位置から望遠レンズで狙ってみた。後ろに広がる十勝平野が大きく後ろに迫ってきて迫力ある写真となった。

Scene3
季節に彩られた美瑛の丘との融合
Photo04   CBR600RR
夕方、美瑛にある哲学の木に行ってみた。
哲学の木の回りは、訪れるたびに違う作物が植えられている。この時は一面に菜の花畑が広がっていた。
赤いCBR600RRを夕陽を受けるように止め、黄色い菜の花と哲学の木をバランスよく画面の中に置いてみた。
バイクを右下、一本の木を左上に・・・と、構図を良く考えながらの撮影。
う~ん、、いくつもの被写体を画面の中に入れて撮ることは、なかなか難しいことだ。
CBR600RR
美瑛の丘の上から見た夕焼け。
なだらかに波うつ丘と、一列に並ぶ防風林の向こうに沈む夕陽の景色が、いかにも北海道らしいこの写真は、夕陽が強いので陽が沈むのを待って撮ったもの。
そのおかげで、バイクはシルエットにならず、赤い車体を見ることができる。そしてライトを点けることで、よりその存在感を出してみた。
夕陽の色を美しく出すため、露出は背景の空に合わせる。そのため、雲が夕陽を受けて鮮やかなに彩られ写っている。
  Photo05
Photo06   FORZA
曇りの日の美瑛の丘。このなだらかな丘は、道が細く、スピードは出せないが、適度なアップダウンがあるため、バイクで走るのは本当に楽しい。
走行途中で白樺並木の間にバイクを止めて撮影。曇りの日は太陽の光を気にしなくていいので、バイクの向きを自由に選べる。
そこで赤いフォルツァが緑の背景の中で目立つように置き、バイクを浮きだたせる効果を出すために、望遠レンズを使って少し背景をぼかしてみたのがこの写真。

須藤撮影隊が走ったのは秋の北海道。夏のツーリングシーズンが過ぎひっそりと静まりかえった富良野、美瑛を中心に十勝平野と日本海の留萌も走ってきました。夏とはまた違った北海道を楽しめてスタッフはみな満足。天気がよかったので昼間は快適なツーリングでしたが、日が暮れると、そこはやっぱり北海道、涼しいというより寒かった・・・です。

第11回:アングルを変えてみよう   第13回:フィルターを使って遊んでみよう