須藤英一(フリー・カメラマン)
1956年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンとなる。1985年雑誌『アウトライダー』にてツーリング写真の撮影を開始。以後日本の道、風景を撮りつづけ、現在にいたる。2002年長年の取材経験をもとに「日本百名道」(大泉書店)を発表。
9月なると暑さも和らぎ空気が澄んでくる。真夏の熱風のようなツーリングから比べると、ほんとうに気持ちのよいシーズンだろう。空も青く高くなり夕焼けの美しい季節になる。しかしこの夕陽がなかなか思い通りに撮れない。そこでツーリング先で出会う夕陽の感動を美しくとる方法を今月は伝授する。

Point1
望遠・広角で多彩に変わる夕陽の表情

Photo01 レンズにこだわって
一日のツーリングも終わりになる頃出会う夕陽は誰もが感動しておもわず見とれてしまう。そして何とかこれを写真に残そうとするが、これがなかなかうまく撮れないことが多い。まず夕陽を撮るとき広角レンズか望遠レンズか迷うだろう。広がりのある場所や海などでは空全体を入れた広角レンズで撮るのがいい。

広角で日本海に沈む夕陽
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北海道の稚内で撮影した日本海に沈む夕陽だ。道路脇にバイクを止めると広い海の向こうには利尻島のシルエットが見えた。そこで28mmの広角レンズを使って撮影した。
  望遠で豊後水道に沈む夕陽
Photo03
四国の愛媛で撮影した豊後水道に沈む夕陽だ。下り坂の途中で夕陽が海に光るのを見て撮影したのだが、太陽の光があまりに強いので、300mm望遠レンズを使って海だけを画面に入れて写した。

Point2
眩しくても夕陽は撮れる!
Photo04 地平線に近づくまで待つ
眩しい太陽はそのまま写真に撮ると明るすぎて真っ白くなってしまうか、カメラが太陽に露出を合わせてまわりを真っ黒にしてしまう。これが夕陽の写真の最も難しいところだ。しかし太陽が地平線に近づくと明るさも落ちてきてちょうどよい明るさになる。こんな時は望遠レンズで太陽を画面に大きく取り入れてみよう。
Photo05 太陽をバイクで隠す
夕陽が地平線近くまで落ちるのを待てない場合はどうするか?太陽をバイクに隠してしまう方法がある。こうすれば眩しい太陽の影響を受けずに赤い夕焼けの空を写すことができる。この場合でもバイクの向こうに夕陽があることを見せるために、バイクの隙間から少しだけ太陽を見せるとおもしろいだろう。
Photo06 海の反射を使う
まだまだ夕陽を画面に入れない方法がある。夕陽に反射する美しい海だけを写す方法だ。この場合、海だけを画面に入れて写せば、眩しい太陽の影響を受けずに夕焼けの撮影ができる。こんな写真も夕陽の写真として美しい。

Point3
太陽が沈んでも夕陽は撮れる!
Photo07 雲を少し待つ
この写真にバイクは写ってないが、太陽が沈んだ後も雲があれば美しい夕焼けになることもある。太陽が沈んだからといって夕陽の撮影は終わりではない。雲があるときはもう少し待ってみよう。

Point4
都会の夕陽!
Photo08 障害物はこう避ける
都会の中で夕陽を写そうとすると電線やビルなど邪魔なものが多い。そんな時は夕陽そのものを写すよりも夕陽に赤く照らされたものを探してみよう。この写真は公園の石畳でバイクの影がに夕陽に長く伸びたところを写した。こんな夕陽の写し方もある。


第6回:海辺の撮影   第8回:バイクのアップをうまく撮影する方法