須藤英一(フリー・カメラマン)
1956年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンとなる。1985年雑誌『アウトライダー』にてツーリング写真の撮影を開始。以後日本の道、風景を撮りつづけ、現在にいたる。2002年長年の取材経験をもとに「日本百名道」(大泉書店)を発表。
夏本番、海岸沿いを走ると本当に気持ちがいい。そこで今月は太陽が眩しい海辺での撮影を伝授しよう。夏の海辺を走っている時は大変涼しいものだが、バイクを止めるとやたらと暑い。できればバイクを止めたくない、しかし写真は撮りたい…。こんな葛藤と戦いながらも、写真好きな皆さんはきっとバイクを止めて撮影するだろう。そんな時のアドバイスをしよう。

Point1
背景を少し工夫しよう!

Photo01 海を背景に普通に撮ると、こんな感じになる。バイクを横にしてやや前方からカメラを構え、目線の高さで撮影すると、スッキリした背景でCB400 SUPER FOUR がよくわかる写真になる。しかしこれでは平凡でおもしろくない…。

周りの情景がよくわかるように配慮する
Photo02
せっかく海に来たのだから、海辺の風景がよくわかるように背景を考えてみよう。海岸沿いの景色や夏の海の雰囲気がわかるようにすると、それだけで現実感が出てきて、ツーリングに行ったときの場所を、帰ってきてから思い浮かべることができるだろう。
  背景の動きにあわせて、シャッターを切る
Photo03
この写真もウィンドサーフィンをする人や、ヨットハーバーなど海辺の風景をできるだけ取り入れて撮影した。人の動きなど、シャッターチャンスを狙ってみるとおもしろい。また海での撮影で注意しなければならないのは、夏の海は光が強すぎて日陰が真っ黒になってしまうことだ。なるべく逆光は避けて撮影した方がよいだろう。

Point2
今までのノウハウを活かして、撮影してみよう!
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望遠レンズを使って、海を画面に大きく配置する
海を画面に大きく取り入れて撮影するのもおもしろい。目の高さで撮ってしまうと、奥行きがなく、広さが感じられない写真になってしまう。そこで高い位置を探して、そこから望遠レンズを使って撮影すると、海が画面いっぱいに広がって、海の青さや雄大さを表現することができる。
広角レンズで、広い範囲をとらえる
ロングツーリングに行くときなどは、カーフェリーを利用することもある。乗船前の時間を利用してフェリーの写真も撮影しておこう。この写真は、大阪南港からの九州行きフェリーだ。フェリー全体を画面に入れるのは難しいかもしれないが、場所を探して広角レンズで撮影してみよう。
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美しい景色は、そのまま素直に撮影する
夏の北海道は、海も空も青い。この写真は北海道の留萌付近で撮影した。また夏の日本海は、真っ青な空を写し込んでどこまでも青く美しい。こんなに海がきれいな時は広角レンズを使い、眼で見た範囲を眼で見たとおりに写しておく。その方が素直でよい写真となる。
愛車と背景とのコントラストを考慮する
この写真は、伊勢志摩国立公園・五ヵ所湾で撮影した。リアス式海岸と真珠やノリ、ハマチなどの養殖が盛んな海を画面に入れて写した。青い海と赤いCBRのコントラストが美しい。


第5回:セルフポートレイト   第7回:夕陽の撮影