Hondaパワープロダクツの様々な取り組みやニュースを、
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パワープロダクツ The Topics

日本航空の新事業にある新しい農業の形
~JAL アグリポートを支えるHondaパワープロダクツ~

成田空港のほど近く、のどかな田園風景が広がる中に、見慣れた「鶴丸」のマークがある。ここは日本航空が新事業として運営する農園と観光農園、レストランからなる「JALアグリポート」。きれいに整備された芝生広場に、Hondaパワープロダクツの姿がありました。

日本航空(株)が運営する
耕作放棄地を有効利用する新プロジェクト

JALアグリポートとは、日本航空(株)が2018年にスタートさせた関連事業のひとつで、いちごの観光農園やさつまいも、ブルーベリーを育て、その傍らに古民家風レストランのある集合体のことです。レストランは地元の農家さんから借り受けた空き家をリノベーションしたもので、メニューにはJAL航空機で食べられる機内食もあります。レストランの芝生広場を含む広大な土地に広がる畑といちご栽培のビニールハウスは、もとは耕作放棄地だった土地を借り受けているもの。この敷地を有効活用すべく整備し、畑とレストランとしたのがJALアグリポートなのです。

農園では、じゃがいもやさつまいもを育て、収穫体験も可能

約5千m²の広々としたビニールハウスで、いちご狩り体験も行っている

JALアグリポートは、日本航空(株)の新規事業として、外国のお客様を日本に呼ぶ一方、日本航空が『新JAPAN PROJECT』とスローガンを定め、成田空港近くに観光農園をスタートさせたもの。日本のフルーツをはじめとした農作物は、その品質や美味しさで海外での評価が高く、それを外国から観光客を招くアクティビティのひとつとしたものです。

外国からお客様を運ぶのが従来の日本航空(株)の役割で、日本を訪問する理由のひとつとして「行きたくなる農園を成田に作る」のがJALアグリポートの役割。同時に、農園で出来た作物を海外へ輸出するにも、成田という立地を選んだのだといいます。

JALアグリポートは、一次産業である農業、それを二次産業として加工調理して、三次産業として、お客様に届けるという農業の「一+二+三」=六次産業化を目指すもので、近年増加している耕作放棄地の再活用や、地域振興を図ることも、日本航空の狙いだったのだそうです。

JALアグリポート(株) 齋藤 徹管理部長

「JALアグリポートで出来た農産物だけでなく、全国の農家さんが作られた農作物を輸出する、という商社としての役割も、JALアグリポートが担っています。」というのは、JALアグリポート(株)の齋藤 徹管理部長。

日本航空(株)とHondaパワープロダクツの接点

そのJALアグリポートとHondaパワープロダクツの関係がスタートしたのは2024年末のこと。日本航空(株)とHondaは航空券の手配などを介して交流がありましたが、日本航空(株)とHondaパワープロダクツとの間には直接の接点はなく、日本航空(株)の関係者の中でもHondaパワープロダクツの存在を認識している人は多くありませんでした。

その関係性に変化が生じたのが2024年末。Hondaの従業員親睦団体がJALアグリポートでのイベント開催を計画し、下見を兼ねてJALアグリポートを訪れた際に、日本航空(株)の担当者が親睦団体の関係者にコラボレーションを打診したところからHondaパワープロダクツの存在が日本航空(株)関係者の中で明確化したのです。

Hondaの親睦団体の担当は「JALアグリポート=農業」ということで、Hondaパワープロダクツに耕うん機の対応を想定して、日本航空(株)とHondaパワープロダクツで初のミーティングを実施。ミーティングでは、JALアグリポートの農作業が外部委託で、既に農業機械などは充実していることが判明するとともに、そのほかに協力できることを検証しました。

そこで、JALアグリポートが古民家風レストラン「DINING PORT 御料鶴」の芝生整備に、手押しの芝刈機を使用していることを知るのです。お客様が見る景観の一部となっている芝生は常に整備が必要で、週に1度、3~4時間をかけて芝生を刈ること、特に夏場の作業はJALアグリポートにとって大きな負担となっていました。これを受け、Hondaはレストラン御料鶴を訪れる方々に対するプロモーションの実証実験として、バーベキュー芝生広場でのロボット芝刈り機「Miimo」(ミーモ)の導入を提案したのです。

古民家風レストラン「DINING PORT 御料鶴」

レストランの芝生庭園で
ロボット芝刈り機「Miimo」がもたらす効果

2025年2月、レストラン御料鶴の芝生広場に、ロボット芝刈り機「Miimo」のステーションと、電源の無い芝生のバーベキュー広場のために、蓄電機「E500リベイド」を設置してステーションと接続する工事が始まりました。バーベキュー広場の周りに5cm程度の深さの位置にエリアワイヤーの埋め込みを実施。エリアワイヤーをステーションと接続することで「Miimo」の準備が完了しました。この作業を実施している段階で、2組のお客様に「Miimo」に関心を寄せていただき、質問を受けることになったことで、翌週にはJALアグリポートから「Miimo」のカタログをレストラン御料鶴に置きたい、という要望があったほどでした。

Hondaのロボット芝刈り機Miimoのステーションと電源を供給するためのHonda蓄電機E500リベイド。

レストラン御料鶴は、古民家をリニューアルした、大きな窓のある客席が特徴で、この窓から着陸する飛行機や、農場とバーベキュー広場が絵画のように見えるのも特徴です。バーベキュー広場で活躍する「Miimo」に興味を持ち、レストランの従業員に「あれは何?」と確認するお客様も多いのだそうです。「Miimo」だけでなくHondaパワープロダクツのプロモーションとしても効果があることが確認できた瞬間でした。

芝生は太陽に向かって伸びるものです。その伸びた分を常に「Miimo」が刈り取ることで、芝生自体が生命の危険を感じ、上に伸びるのではなく、根を張ることで生命維持を求める性質を持っています。同時に刈った短い芝は芝生の肥料となり、結果として厚みのあるふかふかの芝生となります。これが「Miimo」の大きな特徴です。

「それがバーベキューで使用する御料鶴の芝生広場にはすごくよくて、『Miimo』が刈り揃えた芝生とふかふかの表面が、休みの日になると、芝生広場にやって来てバーベキューをされるご家族連れを、優しい足元でお迎えしているんです」(斎藤部長)

ロボット芝刈り機「Miimo」はEnjoy Hondaなどでデモンストレーションを実施することはありますが、実際に「Miimo」が設置されて、稼働している姿を見ることは少ないのが現状です。

JALアグリポートのレストラン御料鶴では、「Miimo」が芝を刈っている姿を確認することができます。ぜひ一度、JALアグリポートで「Miimo」の活躍をご覧になってください。