Hondaパワープロダクツプロダクト ヒストリー

Hondaパワープロダクツの歴史を商品カテゴリー別でご紹介します。

耕うん機編 Vol.03更なる軽量・コンパクト化を実現したHondaの耕うん機

Hondaは、手作業の農作業に対して
「クワ替わり」として小型農業機械の新しい市場を創造し
人々の暮らしを楽にしてきました。

多くの方に支持された「こまめ(F200)」は、好調な販売を続ける一方、耕やす幅の調整が可能で、果樹園や茶園用、ハウス用など、新エンジンを搭載した用途別のバリエーションモデル「こまめ(F210)」も追加設定し、販売を開始しました。こまめ(F210)では、ハンドルの高さ調整を可能とし、セルフスターターを採用したモデルを設定するなど、手軽に使用可能な車軸ローター式耕うん機として、様々なシーンで活用されるようになりました。

様々な用途別モデルも発売した「こまめ」

その後こまめシリーズは、サイドバルブ式エンジンG100を搭載したF200から、1984年に新規エンジンを搭載した2代目のこまめ(F210)にモデルチェンジしました。これにより、耐久性に優れ、粘り強い出力を安定して発揮しながら、新設計のマフラーを採用したことで、より静粛性を向上するなど、新たな進化を果たしました。

そして、2001年には排気量を従来の100ccから57ccとしながら安定した出力を発揮、低重心で機体バランスが良い「こまめ」専用の4ストロークOHVエンジンを搭載した3代目のこまめ(F220)にモデルチェンジしました。F220は、世界で最も厳しい排出ガス規制と言われるアメリカ環境保護局の規制に対応し、燃費も従来モデルから30%向上。さらにクラストップレベルの低騒音も実現し、装備の充実や使いやすさ向上とともに、環境性能にも留意しました。

様々環境性能を大幅に向上させるとともに、いっそうの小型軽量化による取扱性向上を実現した「こまめ(F220)」

そして2016年には、デザインの一部を変更し、こまめ発売40周年にあたる2020年には、国内販売だけでも累計50万台を記録する商品となったのです。

また、農業機械では初となる、せまい畝での作業にも適した一輪管理機FR315を1986年に販売を開始し、軽量・コンパクト化の進化を継続していきます。

このFR215では、アンバランスになり、取り扱いが難しい一輪の管理機を円滑に操作可能とするため、Hondaが二輪車で培ってきたバランスの良い設計が役立ったと言えます。

様々軽量・低重心設計で、取り回しに優れた一輪管理機FR315

こまめ以外にも1991年には、排気量163ccエンジンを搭載し、耕うん作業だけでなく畝立て作業も可能な管理機パンチ2(F501)を発売し、用途の広がりにも対応しました。また2002年には、こまめよりも小型軽量で49ccのOHVエンジンを搭載したプチな(FG201)の販売を開始しました。これによりプチな・こまめ・パンチと3モデルの車軸ローター式耕うん機を揃え、幅広い用途での使用に対応可能としています。Hondaの製品は、軽量小型で誰にでも簡単に扱うことが可能な農業機械として販売を続けてきました。

低重心、コンパクト設計で畝立作業、除草、覆土など高能率でかつ高い出力が必要な作業に適したパンチ2(F501)

小型耕うん機「プチな(FG201)」

さらにHondaの耕うん機では、使用するエネルギーへの挑戦も行いました。これまでの耕うん機では、ガソリンを燃料としていましたが、購入や保管が容易な家庭用カセットガス燃料を使用するピアンタFV200の販売を2009年に実現。作業時間当たりのCO2排出量が、同排気量のガソリンエンジンに対して10%低減可能*な、環境性能に優れた商品となりました。ピアンタFV200は操作の簡便さとともに、保管場所を汚さない専用のキャリーボックスを使用するなど、容易に移動・運搬可能という、Honda農業機械のコンセプトをしっかりと継承したモデルとなりました。
*Honda調べ

家庭用カセットガス燃料を使用するガスパワー耕うん機「ピアンタFV200」

そして2013年には、既に販売していたサ・ラ・ダFF300シリーズにも、カセットガスボンベを燃料とするサ・ラ・ダCG FFV300を設定して販売を開始。これも、ガソリンを入手しなくても使用可能な耕うん機として、より広い範囲を耕うん可能な商品として、現在でも好評をいただいています。

カセットガス燃料により手軽で簡単に扱えるガスパワー耕うん機「サ・ラ・ダCG FFV300」

現在のHonda耕うん機は、車軸ローター式の小型耕うん機が、こまめをはじめとした4モデル(ピアンタ・プチな・こまめ・パンチ)、フロントロータリー式の中型耕うん機がサ・ラ・ダ、そしてリアロータリー式の大型耕うん機が3モデル(ラッキーボーイ・ラッキーマルチ・ラッキー)と、様々な農作業で使用することを想定して耕うん機を用意しています。
いずれの商品も、軽量小型でコンパクトであることを重視し、誰でも簡単に使用可能な農業機械として、Hondaが市場を切り開き、創造してきたものです。

硬く締まった地面が、こまめを走らせることでふかふかの土質に変わって、気持ちよく農作業ができる--クワによる手作業ではなく、簡単な耕うん機の操作で人々の役に立つ、そんなお客さまの声を聞き、姿を見ることが、Hondaパワープロダクツの最上の喜びなのです。