パワープロダクツ 活用情報 Field Stories

Hondaパワープロダクツの実際の活用法、事例をご紹介します。

洗車が早いとバイクも速い~泥とほこりとの戦い
モトクロスチャンピオンをサポートする
Hondaパワープロダクツ

モトクロスとは、オフロードと呼ばれるダート(未舗装路)を使うレース。二輪車レースの中で、最も体力が要求されるモータースポーツです。初めてモトクロスを観る人は、高速で飛び跳ねるオートバイの迫力に圧倒されるでしょう。

そんなモトクロス界で現在「女王」と呼ばれるチャンピオンがいます。全日本モトクロス選手権のレディースクラスで2023年から2025年まで3連覇(通算5回制覇)を成し遂げている川井 麻央(まなか)選手(T.E.SPORT)24歳です。

川井 麻央選手

川井選手が所属するT.E.SPORTは、トウフクジ・エンタープライズ・スポーツの略でオーナーの東福寺 保雄氏が創設したチームです。創設者の東福寺氏は、1980年から1990年の全日本モトクロス選手権で9つのタイトルを獲得するなど、今なお、日本モトクロス界で史上最強の男と呼ばれるレジェンドです。

T.E.SPORT 東福寺 保雄氏

1992年に現役を引退した東福寺氏は、キッズ世代からのモトクロスやモータースポーツの普及を目的としてT.E.SPORTを創設。埼玉県川越市に土地を購入し、キッズがオートバイに親しむことのできる50m×15mほどの体験コースを整備してキッズの育成を開始しました。

そんな東福寺監督と川井選手の出会いは2006年頃まで遡ります。

まだ4歳で埼玉に暮らしていた川井選手が、父の運転するクルマから見た光景は、小さなオートバイに乗るキッズたちの姿。それこそ東福寺氏が整備した体験コース。この体験コースの前を父のクルマで何度も通った川井選手は、まるでテーマパークのアトラクションに乗りたがる子供のように父に懇願しました。こうして、後に「女王」と呼ばれるチャンピオンはレジェンドライダーとモトクロス競技に出会ったのです。

その頃の川井選手のことを東福寺氏は、懐かしむように笑顔で振り返ります。
「よくコースの方で子どもの泣き声がしていて、誰か転倒したかなっと思ってコースに行ってみると“帰りたくない” “まだ乗る”と麻央が駄々こねてる(笑)。麻央ちゃんの乗る時間はもう終わりだよ、また次に来たとき乗ろうねと皆で諭してました」(東福寺さん)

幼少期の川井選手

そんな川井選手は徐々にモトクロスライダーとして頭角を現しました。12歳(小学校6年生)の時には全日本モトクロス選手権レディースクラスに初めて参戦し、14歳(中学2年生)で初優勝を遂げる。中学2年生での全日本選手権優勝は、今なお日本レディスモトクロスの最年少記録となっています。

14歳で全日本モトクロス選手権初優勝した際の川井選手

そして、2020年には18歳の時には全勝で初のチャンピオンを獲得し、2021年にタイトルを奪回すると2023年から2025年まで3連覇を達成しています。

川井選手の強さの秘訣を東福寺監督に尋ねると、
「麻央は本当に負けず嫌いです。それは幼稚園や小学生の頃から変わりません。レースに勝てるようになってからは、ピンポイントで『ああいう時はこうしたら?』って、心構えとか、乗り方じゃないところをアドバイスするだけ。みるみる吸収していきますよ。麻央の特長は、周回ごとにライン(=走る場所)を変えることができるんです。他の選手がベストラインだと定めて走行するところを、麻央はサッと変えて走行していく。だから速い、あれは麻央の才能でしょうね」(東福寺監督)。


川井選手に東福寺監督のことを尋ねると
「監督は、細かいことはなにも言わないで、私たちが乗るバイクを、いつもきれいに整備してくれる。今では、私がうーん、と迷い始めたころに、少しだけ、アドバイスを言ってくれる。それが深くて効きますね。チャンピオンを獲得する前の勝てない時期に監督から、“麻央、楽しんで走ってる?楽しく走らないとうまく乗れないよ”とのアドバイスは、今でも最大の教訓ですね」(川井選手)。

レースでも練習日でも、チームのそばにパワープロダクツ

モトクロスでは土の上を走行するため、泥やほこりにまみれます。このため、ライダーは走行後に、ウェアやブーツにこびりついた泥や埃を、高圧洗浄機で洗い流します。

走行後、ブーツの泥を高圧洗浄機で落とす川井選手

T.E.SPORTではHondaの高圧洗浄機『WS1513』を使用。短時間でウエアやブーツ。東福寺監督によるとモトクロスで重要なのは“走ること”“整備すること”そして“洗車”だという。いつも万全の状態で走るためには、まず洗車と整備。洗車して綺麗な状態じゃないと、整備も始められない。いち早く洗車を終えて、次のセッションのための整備時間を作れるから、洗車機は必要不可欠な整備ツールであり、『WS1513』の存在もチームの運営には欠かせない戦力となっています。

晴れの日でも、一度コースを走ればこの程度の泥はついてしまう。

川井選手がブーツの泥を落としたあとは、メカニックがマシンの洗浄を行う。

また、電源のないモトクロスコースでT.E.SPORTが使用しているのはHondaの発電機『EU28is』。マシン整備のエアツールやチームスタッフが使用する電化製品にも電気を供給し、チーム運営を支えているのです。


電源のないモトクロスサーキットでは、発電機もまた重要なツールだ

日本モトクロス界の「女王」の傍にはレジェンドライダーとHondaパワープロダクツが静かにサポートしているのです。