雨季。水かさの増したチャオプラヤ川を、気持ちよさそうに爆走する一艘の小舟。青年の名前はナタウッド。代々、バンコク郊外の川沿いで水上生活をしていた家系だ。「昔はボートが日常の移動手段だったけど、今はクルマ社会。船で移動することはほとんどなくなった。でも僕はボートが大好き。だってうんと幼い頃から運転しているんだ。学校にもボートで行っていたんだよ」2年前に趣味で買ったという、お気に入りのマイボートの動力は、ホンダのカスタム。「よく走って、長く使えるところが気に入ってるんだ。年に何回か、これでボートレースにも出るんだよ」好きなことが、自然と文化を引き継ぐことにつながってる。それってなんだか、すごくいい。