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ハローウッズの10年 豊かな茂木の里山とともに
文:大野晴一郎
【Vol.10:最終回】「ちょっかい」を出しながら向き合ってきたハローウッズの森
『生命の塔』は、倒木や落ち葉を利用して組み上げた塔で、落ち葉などを生きものの働きで土に変える巨大な分解装置であり、多様な生きものたちの隠れ家である。崎野の言う「ちょっかい」である。逆立ちする森の木人が可愛い。楓の分身だと言った女性キャストがいる。
『生命の塔』は、倒木や落ち葉を利用して組み上げた塔で、落ち葉などを生きものの働きで土に変える巨大な分解装置であり、多様な生きものたちの隠れ家である。崎野の言う「ちょっかい」である。
逆立ちする森の木人が可愛い。楓の分身だと言った女性キャストがいる。

不耕起栽培というのは、収穫後の農地を耕すことなく新たな種を播く栽培方法で、農地の保護を目的としたものであることはよく知られるが、ハローウッズの棚田でも実践されてきた。一年中棚田に水を張り続けることで、生物と稲作の共生をはかろうという目的から行なわれた。


この不耕起栽培を、崎野は「ちょっかいを出す」と言って実践した。
森の活用や整備を目的として、楽しみながら「ちょっかい」を出すことは、より豊かな自然を保つことにつながり、多くの生物が棲家を作ることになるのだと力説した。持続可能な豊かな自然を手に入れるためには、「ちょっかい」が必用というわけである。


10年という歳月を超えて、崎野たちが「ちょっかい」を出しながら向き合ってきたハローウッズの森は、「元気の創出」という大きなテーマを掲げ続けてきた。そのために「森のアレンジ」、「森での刺激」、「森の中の演出」という3つの要素にこだわって森づくりが行なわれ、様々な活動が行なわれてきた。この3要素を説明すると、以下のようになる。


森は遠くから眺めるだけでなく、樹間の小径に足を踏み入れてこそ、胸がときめくような風景に出くわす。だから、まずは森に入りたいと思わせることが大切で、そのための環境整備が「森のアレンジ」だ。そして子どもたちを夢中にさせる仕掛けや、プログラムを用意することが「森での刺激」。さらに森の中の生きものたちとの出会いなどの感動体験が「森の中での演出」ということになる。すべてはハローウッズが、「人が自然と楽しく関わりあう中で、自ら体験し発見するきっかけの場」であらんとするためだ。

森にすむ土壌菌(バクテリア)群の働きを利用した循環型『森のトイレ』を前にする崎野。排泄物をバクテリアが水と土と炭酸ガスに分解し、リサイクルして流し水として利用する。これも「ちょっかい」のひとつだ。
森にすむ土壌菌(バクテリア)群の働きを利用した循環型『森のトイレ』を前にする崎野。排泄物をバクテリアが水と土と炭酸ガスに分解し、リサイクルして流し水として利用する。これも「ちょっかい」のひとつだ。
崎野が手にするのが、『森のトイレ』でリサイクル使用される「綺麗になった水」だ。
崎野が手にするのが、『森のトイレ』でリサイクル使用される「綺麗になった水」だ。

崎野は熱誠をこめた指導をする人である。
かつて北海道の然別湖で声を枯らしてカヤックを教えていた時も、いま、森の中で子どもたちに向きあう様子も、変わることなく、熱い。
おそらくその姿は、これからの10年も、さらにその先も変わることなく、「子どもの元気」と「森の元気」を追求するハローウッズの森の中にあるのだろう。
(連載文中、敬称は略させていただきました)

文:大野晴一郎