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ハローウッズの10年 豊かな茂木の里山とともに
文:大野晴一郎
【Vol.8】森に完成形はなく、関わりに終わりはない
ハローウッズの森を歩くと、森の木人(こびと)がゲストを優しく見つめているのに気付く。この森の木人とは、「森の中で長い年月を掛けて行なわれてきた生命の循環」をイメージして制作されたハローウッズのオリジナルキャラクターだ。
ハローウッズの森を歩くと、森の木人(こびと)がゲストを優しく見つめているのに気付く。この森の木人とは、「森の中で長い年月を掛けて行なわれてきた生命の循環」をイメージして制作されたハローウッズのオリジナルキャラクターだ。

10年を超えてキャストと呼ばれるハローウッズのスタッフを育て、森と向き合ってきた崎野に「今後、やるべきことは?」と愚門をぶつけたことはないが、もし訊ねれば「やることだらけ。無限だよ」と応えるはずだ。森に完成形はなく、関わりに終わりはないと、わたしなりに思うからだ。


「ツインリンクもてぎ」がオープンしたのは1997年の夏のことで、その翌年の秋、長年放置された里山の森に入った崎野は、どんぐりにズルッと足を滑らせた。彼の言葉を借りれば「シノダケをかき分けた先に、物言わぬどんぐりたちが地表を覆い尽くしていて、生命力をアピールするところに遭遇した」ということになる。この荒れ果てた森の中に潜んでいた生命力こそが、崎野に里山再生を決意させた起点である。

崎野たちの手で切り拓かれた森の中の小径には、手作りの道案内板が似合う。暖かみを感じる。
崎野たちの手で切り拓かれた森の中の小径には、手作りの道案内板が似合う。暖かみを感じる。
森の中の小径散策の楽しさは、先にある「何か」に期待しながら歩くことある。
森の中の小径散策の楽しさは、先にある「何か」に期待しながら歩くことある。

そして「荒廃した里山を豊かに元気にすること」を謳い、同時に「子どもたちが元気になれること」の方法を見つけ出すために、2000年7月のハローウッズの開業以来、多くの体験プログラムが用意され、実施されてきた。日帰りプログラムもあれば宿泊プログラムもある。宿泊期間の長いものでは、30泊31日の「ガキ大将の森キャンプ」という強烈なものまである。


「森あそび」体験、「ものづくり」体験、「食」体験、「森づくり」体験など、幅広い年齢層を対象に、人と自然との共生を考えるきっかけづくりを目的にした多種多様な体験プログラムも用意されていて、それらを日々こなしていく崎野たちの忙しさは凄まじい。しかも市域との連携を計った環境コミュニケーション活動や、地域コミュニケーション活動、NPO法人との共働プロジェクト、小中学校をはじめとして200校を超える教育機関の校外学習、体験学習サポート、コンサートやフォーラム・ディスカッションなど、森の文化活動と名付けた活動なども行っていて、その多岐にわたる活動に驚かされる。
好きな酒を飲む暇があるのか、心配したくなるほどだ。


2010年10月30日、ハローウッズ創立10周年記念イベントが行われ、Hondaの社長である伊東孝紳と崎野は、煙雨にけぶるハローウッズの森に入っていった。  (Vol.9へ続く)


文:大野晴一郎