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ハローウッズの10年 豊かな茂木の里山とともに
文:大野晴一郎
【Vol.5】「人の道を拓くためには獣道を知るべし」という考え方
ハローウッズの森の中の小道を行く人々。九十九折りの道に歩き並ぶ人を見ることは珍しい。これは2011年8月20日と21日に行われた「2011 SPEA FIM トライアル世界選手権シリーズ 第7戦 日本グランプリ」の観戦に集まったファンの方たちだ(詳しくは記事末を)。
ハローウッズの森の中の小道を行く人々。九十九折りの道に歩き並ぶ人を見ることは珍しい。これは2011年8月20日と21日に行われた「2011 SPEA FIM トライアル世界選手権シリーズ 第7戦 日本グランプリ」の観戦に集まったファンの方たちだ(詳しくは記事末を)。

楓は寝袋持参でツインリンクもてぎの山中を徹底的に歩いた後、後のハローウッズとなる42ヘクタールの森に道を拓いていった。もちろんそれは里山を復活させ、維持するための作業道であり、同時にゲストがゆっくりと散策できる道になることを計算して造営されたものだ。
開墾スタッフの先頭に立ち、道造りのために刈るべき草木を決めていく楓には、「人の道を拓くためには獣道を知るべし」という考え方があった。哲学的にも聴こえるが、これは彼が体験して辿りついた考え方だ。
「山を歩くなら、獣道を歩くのが一番楽だよ」とわたしは聴かされたことがあるし、開墾スタッフも「歩きやすさと快適さを山道に求めると、それは限りなく獣道に近くなる。獣道に沿うように道を拓いて間違いはない」と教えられながら山で作業を続けた。

今にして思えば、あのとき寝袋を抱えてツインリンクもてぎの山に入って行った楓には、森の中の豊かな生命力を確認するという目的のほかに、獣道マップを頭の中に叩きこむという思惑があったのだろうと勝手に解釈している。
楓は自らが拓いた道を前に語った。
「ただ機械的に山肌を削って拓かれた道は、歩いてみると実につまらない。ところが山肌を縫うようにだらだら続く道でも、拓いた人間のこだわりがあると歩くのが楽しくなる。路辺の草花を見せることも、せせらぎの音を聴かせることも、ビューポイントから遠景を楽しんでもうらことも、すべて拓く側のこだわり。絶対に見せたい風景があったら、道を大きく曲げることだってある。歩いて楽しい山道を造るのは難しいことじゃない」
この考え方に沿って、ハローウッズのすべての道は拓かれていった。


山道を登って行くと、多少息が切れたあたりで、こんなブランコに出会う。サーキットを見下ろしながら風を切って乗るブランコは気持ちがよさそうだ。足元にはウッドチップが敷き詰められている。
山道を登って行くと、多少息が切れたあたりで、こんなブランコに出会う。サーキットを見下ろしながら風を切って乗るブランコは気持ちがよさそうだ。足元にはウッドチップが敷き詰められている。

開墾スタッフを助けたのはHondaの汎用製品だった。
たとえば自在傾斜型4ストローク刈払機で下草を狩り、Hondaの汎用エンジンを搭載した運搬機の「力丸」が重量物を載せ、麓と山中を往復。日没後は小型発電機のEU9iに繋がれた投光機が活躍した。拓かれた道には間伐材を利用したというウッドチップが敷き詰められ、「ミズスマシの沢」、「みどりのぐるぐる広場」、「カブトムシの丘」、「アカネズミの広場」、「ハッチョウトンボの棚田」など、象徴的な名前が付けられた「森の中のとっておきの場」(楓談)に続くことになる。  (Vol.6へ続く)

文:大野晴一郎

選手も観戦者も、里山の自然と触れ合うトライアル
「2011 SPEA FIM トライアル世界選手権シリーズ 第7戦 日本グランプリ」

今年8月20日と21日の2日間、ツインリンクもてぎでトライアル世界選手権シリーズの第7戦となる「2011 SPEA FIM トライアル世界選手権シリーズ 第7戦 日本グランプリ」が開催され、ワールド、ジュニア、ユースの3クラスから33名の選手が参加した。
競技会場は4つのゾーンが設定され、15のセクションが造られた。うち3ゾーンはハローウッズの中に設営され、クラブハウス前、ミズスマシの沢、あるいは幾つもの巨石が顔を覗かせる山肌などに、合計11のセクションが組まれていった。

決勝1日目 藤波貴久選手の走り。
決勝1日目 藤波貴久選手の走り。
決勝2日目 藤波貴久選手の走り。
決勝2日目 藤波貴久選手の走り。

トライアルは軽量のオフロードバイクで岩や崖などの自然環境の中を走破して、テクニックを競い合う競技だ。自然の地形をそのまま利用して設営されるセクションと呼ばれるコースで、炎天下ならば乾土に後輪を滑らせながらも岩盤に飛び乗り、雨が降れば泥まみれになってセクションの走破を試みる。一方で観客は里山に続く小道を移動しながら、選手に声援を送り続ける。選手も観客も、自然と一体となって楽しむのがトライアルだ。

中央エントランスゾーンから開始された競技は、多くの観客を引き連れ、向こうに見えるハローウッズの里山の中のセクションへと移動していく、気になる結果だが、2004年に日本人初となる世界タイトルを獲得した藤波貴久選手が2位に入りファンを湧かせた。
中央エントランスゾーンから開始された競技は、多くの観客を引き連れ、向こうに見えるハローウッズの里山の中のセクションへと移動していく、気になる結果だが、2004年に日本人初となる世界タイトルを獲得した藤波貴久選手が2位に入りファンを湧かせた。
(リザルトなど詳しい情報はこちら)
15のセクションを、それぞれ1分半以内に走破しなければならないのがトライアルで、足を1回着くと1点減点となるなど減点方で競われる。藤波選手をはじめとするトップクラスの選手のスコアボードには0が並ぶ。つまり減点無しということだ。
15のセクションを、それぞれ1分半以内に走破しなければならないのがトライアルで、足を1回着くと1点減点となるなど減点方で競われる。藤波選手をはじめとするトップクラスの選手のスコアボードには0が並ぶ。つまり減点無しということだ。
(初めてでも、よくわかるトライアル日本GPはこちら)

ハローウッズには貴重な植物群が多い。自然の地形をそのまま利用してのセクションが設営されるということもあり、事前に環境調査が実施され、もちろん競技の後には、タイヤ溝などを専門職人が手作業で修復するなど、元の自然の状態に完全復帰させることを前提としている。セクションの設営よりも競技後の修復作業の方が、より時間がかかるといわれている。