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ハローウッズの10年 豊かな茂木の里山とともに
文:大野晴一郎
【Vol.1】豊かな茂木の里山とともに
ハッチョウトンボの棚田
ハッチョウトンボの棚田

Hondaが栃木県芳賀郡茂木町に「ツインリンクもてぎ」をオープンしたのは、1997年の夏のことだ。総面積640ヘクタール(約194万坪)という広大な里山の緑に包まれるように、スーパースピードウェイと呼ばれるオーバルコースとロードコースが造られた。
「ツインリンクもてぎ」の名の由来となるこのふたつのレーシングコースで、2輪と4輪の世界のトップレーサーたちが、腕を競い合ってきたことは言うまでもない。その一方で、アマチュアのための走行イベントも多く企画され、「ツインリンクもてぎ」はモータースポーツファンに注目されるようになった。


「ツインリンクもてぎ」をオープンしたのは、1997年の夏。総面積640ヘクタール(約194万坪)という広大な里山の緑に包まれるように、スーパースピードウェイと呼ばれるオーバルコースとロードコースが造られた。写真:森の中で一番高いカブトムシの丘(標高220メートル)に建つ全高18メートルの樹冠タワーからサーキット方向を眺めたところ。
「ツインリンクもてぎ」をオープンしたのは、1997年の夏。総面積640ヘクタール(約194万坪)という広大な里山の緑に包まれるように、スーパースピードウェイと呼ばれるオーバルコースとロードコースが造られた。写真:森の中で一番高いカブトムシの丘(標高220メートル)に建つ全高18メートルの樹冠タワーからサーキット方向を眺めたところ。

ふたつのレーシングコースは、敷地のほぼ中央にある。
もともとは3つの山が連なっていたのだが、その中央部の山だけを崩してサーキットが造られた。注目を集めたのは、削土、廃土の類を一切敷地外には出さなかった造成プロセスだ。しかも460ヘクタールにもおよぶサーキット周辺の自然は、見事に保護された。
「ツインリンクもてぎ平成13年環境モニタリング調査報告書」によると、敷地内に約2500種の生物種が確認されている。

樹木だけを見ても、暖温帯に分布する常緑広葉樹類であるシイ類、カシ類の樹木群やフユギ、コナラなどの落葉広葉樹林、さらにアカマツ林などが見られる。先達が残してくれたスギ、ヒノキの人工林もある。これほど多様な森林タイプが、ひとつの所有地域に見られることは非常に興味深い。その理由はこういうことだ。森林の植生で見た本州は、冷温帯と暖温帯とに二分される。要するに北と南の植生があるということで、面白いことに茂木町はその境界線上に位置している。だからナラやブナなどの北の植生と、シイやカシなどの南の植生が混在する樹林帯を見ることができるのである。


サーキット周辺の460ヘクタールの土地は、数十年にわたり人手の入っていない森だった。
サーキット周辺の460ヘクタールの土地は、数十年にわたり人手の入っていない森だった。

サーキット周辺の460ヘクタールの土地は、数十年にわたり人手の入っていない森だった。
その森の中は下手な裸地よりも温度的にも湿度的にも穏やかで、生い茂る樹木の枝葉の下、つまり地表近くは、草本層や蘚苔層で覆われているという想像は容易だった。豊かな植生が息づく森を誰もが想像した。しかし心配もあった。草木が表土を覆い隠し、表土が必要とする陽光量が不足しているのではないかという懸念だ。光が不足すると表土の有機物質の活性は期待できなくなり、植生に大きな影響を及ぼす。
人手が入らないことによる森の退化……。それを知るある男が、ツインリンクもてぎの自然を守るために、森に光を入れようとした。  (Vol.2へ続く)

ハローウッズのクラブハウス。受付、ショップ、喫茶室、研修室(約80名収容)がある。
ハローウッズのクラブハウス。受付、ショップ、喫茶室、研修室(約80名収容)がある。

文:大野晴一郎