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極北を走り抜いた仲間たち
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プロローグ〜モンゴロイドの足跡を犬ぞりで
プロローグ〜モンゴロイドの足跡を犬ぞりで
「モンゴロイドが残した軌跡をたどりたい」。小嶋一男がこの想いに駆られたきっかけは、彼が24歳のときまでさかのぼる。日大山岳部出身の小嶋にとって、登るべき最後の頂はやはりヒマラヤだった。ところが、1960年代当時、インド・パキスタン戦争の影響でヒマラヤ登山は禁じられてしまう。目的地を見失い掛けていた日大OB登山隊は、その代わりに、グリーンランドに新たな目標を見出した。
「ところがそのグリーンランドで、その後の人生を左右するような運命的な出会いがあったのです。私の人生の転機といってもいい。ひとつ目の出会いは、グリーンランドの定住民・イヌイット。彼らにひと目会ったとき、あまりに日本人に顔立ちが似ていてビックリして、興味を持つようになったんです」
実はイヌイットは、人類学上はアジア人と同じモンゴロイドとして分類される、日本人と同じルーツを持つ民族。モンゴロイドはアジアからシベリアを通り、氷河期には陸続きだったベーリンジア(ベーリング海峡)を渡り、アメリカ大陸へとたどり着いたと言われていた。だが、日本から遠く離れた極寒の地、グリーンランドで目の当たりにして、改めて民族としての起源をたどりたいという衝動に駆られたという。
そして、2つ目の出会いが犬ぞりであった。当時の日大OB隊は、登山用の荷物を登山口まで搬送するため、犬ぞりの活用を決めた。その犬ぞり担当として本隊より早く、グリーンランドに入ったのが小嶋だった。
「登山隊の他のメンバーがグリーンランドに入ったあと、みんなが重い荷物に苦しみながら走っている頃、私は犬ぞりで爽快に現地に向かっていました(笑)」
と、小嶋は笑うが、犬を扱うのは並大抵の労力ではない。他の犬に対して嫉妬心の強い犬たちは、ホメ方ひとつとっても平等にホメる必要がある。嗅覚・聴覚も人のそれとは比べモノにならないほど鋭い。
「だから犬を扱うときには、タバコやお菓子をポケットに入れるのをやめました。取り出す音が少しするだけで犬が振り返って、集中力がそがれてしまう」
小嶋が、ペットではない犬に触れた瞬間だった。その30年後、犬ぞりで北極圏走破をする仲間との出会いがそこにはあった。そしてこの年、日大隊は日本人として、初めてグリーンランド縦断に成功することになる。

極北ロマン紀行全行程(各年のスタート地点)
極北ロマン紀行全行程(各年のスタート地点)

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