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スモールボートで美味しい生活
OCEAN LIFE 2002年11月号

OCEAN LIFE
2002年11月号
文●大野晴一郎
OCEAN LIFE
●月刊 本体1200円
●(株)オーシャンライフ
 〒104-0061
 東京都中央区銀座1-9-12
 西山ビル


ランチパーティーの舞台はイタリアの小型艇の華、ザール75。お洒落さの中に機能とスポ−ツ性を追求した究極のRIB。シェフはザールを乗りこなす伊藤英一。ワイン通であり自他ともに認める食通である。そば粉を使ったフランスの伝統的なクレープをまずは作りはじめた。

ザール75

桟橋に舫われたザール75に持ち込まれた食材は、そば粉、小麦粉、ミックスハーブサラダ、タマゴ、プロセスチーズ、ボンレスハム。フランス仕込みのクレープを伊藤英一が作りはじめようとしていた。
手始めに彼は手元に用意していた白ワインを開け、グラスに注いだ。さらにカシスを加えてキールを即座に作りあげると、軽く咽を潤した。
知る限りのソムリエやワインエキスパートよりも、伊藤のワインに対する舌と咽と鼻、加えて眼は圧倒的に優れているし、産地、ワイナリーの知識を始め、多くのヴィンテージも明確に把握している。
そば粉のクレープには、前述の食材が全てのせられる。特にタマゴは、生のまま白身も黄身も、重要なソースとして、石垣の天塩と粒胡椒とともに、仕上げに加えられる。
クレープを作る伊藤さん伊藤が持つザール75にはギャレーは付けられていない。アウトタイプギャレーは、ザールのコンソール周りを使って、アレンジすることは充分に可能だし、メーカーであるイタリアのフォルメンティ社も、楽しみつつ設計者が線を引いてくれるだろう。
ザールと同じくイタリアの名挺リーバを、伊藤は乗り継いできた。贅を限り無く追求したリーバに対して、RIBという特殊船形の中で、機能を追求してきたザールとは、一見全く別個のコンセプトであるかに見える。しかし、遊びを追求する姿勢は、同じ。
大型艇に飽きたという伊藤にとって、全長7.5mのオープンボートであるザール75は、湾岸地域を走り、時にはリーバ時代と同じく伊豆の島に渡るのに、最適な存在だった。
純粋に走りを楽しみ、その機能を味わうという意味で、当初ギャレーユニットに興味は向かなかった。「でもね、そろそろこの船で料理を楽しむ方法を考え始めていた」
この日、我々はホットプレートと、ホンダ製小型発電機『EU16i』を、ギャレーユニット代わりに、ザールに持ち込んだ。
秋風が身を包みつつも、いまだ夏の焼ける日射しが残る桟橋で、男の料理が始まったのである。
そば粉8に対し、小麦粉2の割合いで混ぜられたクレープのタネを、伊藤の手は素早くプレートに正円に描いていく。焼き時間は短い。水に溶かれたとはいえ、そば粉の主張はあくまで香ばしく、それは食をそそる優しい焦げ臭となり、デッキに立ち込めはじめた。
そば粉クレープ 両面に軽く焼き色が付くと、伊藤はリーバ時代から愛用している皿にクレープの生地を移し、ミックスハーブ、トマト、ハム、チーズと手際良く盛り付け、正円のクレープの生地の4角を器用に折り曲げ、正方形の料理に変身させる。最後にタマゴの流れる白身に気を使いながら、そっとまん中にのせる。あとは石垣生まれの塩と胡椒で味のアクセントを付けて出来上がり。
ナイフとフォークで黄身を割り、リッチなソースとして具に混ぜることから、フランス風のそば粉クレープを食べる儀式は始まる。口に収まった生地の歯ごたえは、上質の三たてのそばを食べることに酷似している。腰を感じる。そして、舌から鼻へと広がる濃厚な黄身の味と香りは、そば粉の素朴な風味を優しく包み込む。
二品目として、伊藤はメカジキをグリルし始めた。塩と胡椒で味の方向を決められたメカジキの焼き時間もまた、短い。
あくまでも表面の焼き色を、視覚的な味付けとして求め、素材をレアに保つ。
メカジキのグリルホットプレートを使うポイントとして、料理しながらソースをもプレート上に流し込むことは由としないこと。テフロン加工が施されているからといっても、ソースの焦げ付きは必至で、後の料理の流れを殺してしまう。いちいち洗わず、キッチンペーパーでさっと拭いて、次の料理に移る。これがアウトドアでのホットプレートの使い方の極意のようなものだ。
伊藤もグリルとは別に、特性ソースを用意している。軽くキツネ色に身を焦がしたメカジキの切り身は、一瞬のうちに皿に移され、どっさりと用意された薬味と特性のソースで仕上げられていく。
この時期のメカジキは、部位によっても違うが、程々に油がのっている。
そのため、薬味の種類と量が、ふた口目以降の味を決めていく。用意された薬味。ミョウガ、大葉、ニンニク、生姜など。すべてをスライスまたは千切りにして、グリルされたメカジキの上に。そして特性ソースが加えられる。これは豆板醤、テーメー醤、醤油、キムチの素、レモン、味醂で構成される。アジアンテイストのソースである。
特性ジャムひと口目はレアな焼き方に生きるメカジキの味を楽しみ、ふた口目からは、薬味それぞれの交錯する味と香り、さらに濃厚ではあるけれども、すべての素材を殺さない節度のあるソースの味に混じるメカジキを楽しむ。繊細な味覚を持つ人、要するに食通に好まれる上品な味付けである。無数に広がる味の方向性を感じさせる演出は、食通が食通のために作り上げた逸品といえるだろう。
ホンダの『EU16i』をデッキで初めて使い、そのポテンシャルの高さに驚かされたのも事実だ。コンパクトな本体はデッキに置いて邪魔にならず、ストレージ収納を前提に、正式な艤装品として設置することもまた、多くのスモールボート乗りなら考えておかしくはない。


小型発電機『EU16i』高効率の正弦波インバーターシステムを採用し、パソコンも使える安定電気供給を可能とした小型発電機。
サイズは全長*全幅*全高(mm)が、510*290*425。重量は21kg。
家庭で使う15アンペアコンセントで使用可能な電気機器に対応。例えばホットプレートの温度設定を下げると自動的にエコスロットルが働き、エンジン回転数を下げる優れもの。
従来機に対して20%以上の燃費を向上させている。燃料は、自動車用無鉛ガソリンを使用。
直流電力は12V-8.0A。
交流定格出力(50/60Hz)は1600VA。
メーカー希望小売価格198000円

(写真一番上)
ザール75にホンダ製小型発電機『EU16i』を持ち込み、我々のランチパーティーは始まった。

(写真上から2番目)
小型艇での料理を見事にアレンジした伊藤英一氏。(本文中敬称略)

(写真上から3番目)
そば粉のクレープの出来上がり。ナイフとフォークで黄身を割り、リッチなソースとして具に混ぜることから、フランス風のそば粉クレープを食べる儀式は始まる。三たてのそばよろしく、生地にはしっかりとした腰があり、そば粉の風味が漂う。

(写真上から4番目)
本日のふた品目はメカジキのグリル。圧倒されるような薬味がのせられるが、油ののった切り身に、爽やかな風味が加わる。アジアンテイストのソースは、各素材の味を殺さない節度有る濃厚さを持つ。

(写真上から5番目)
ランチパーティーの締めくくりは、そば粉のクレープを、伊藤家の庭になる枇杷で作った特製ジャムでいただく。そば粉の風味と、枇杷は、相性が非常に良い。
●本田技研工業株式会社 汎用営業部
 (http://www.honda.co.jp/portable-generator/)
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