TOMODACHI Honda 文化交流プログラム

TOMODACHI Honda 文化交流プログラム 2017年インタビュー

「TOMODACHI Honda 文化交流プログラム 2017」の総仕上げ、
“フォローアップ懇談会”を福島市で開催。

2017年2月5日(日)、「TOMODACHI Honda 文化交流プログラム 2017」の総仕上げとなる
フォローアップ懇談会を福島県福島市で開催しました。会場には今回参加した高校生と引率した先生、
関係者らが集合。全員でプログラム全体を振り返りました。
前半は、震災体験を発表するコンサートやローズ・パレードへの参加など、アメリカでの体験を懐かしく思い出しながら考察し、
感想を述べるだけでなく、どんな目標を設定し、どのように課題に取り組んだのか順次発表。
達成できたこと、できなかったこと、これからの自分の夢に向けた新たな目標を宣言しました。
それに対し彼らを見守ってきた関係者らが一人ひとりにアドバイスとエールを送ります。
途中の休憩時間では、高校生がネットを使い、アメリカのホストファミリーたちとリアルタイムに交流する一幕も。
後半はチームを組み、同じ高校生に向けた有意義な新プログラムを企画・提案し、意見や感想を述べ合いました。
このプログラムを通して、自分に自信がつき、相手に自分の意見を伝えること、想いをカタチにすることを実践してきた高校生達。
参加者全員が写った記念の集合写真には、プログラム前より格段に成長し、大人っぽくなった彼らの姿がありました。

プログラム日程2017年2月5日(日)

プログラムに参加した学生達の声

INTERVIEW

参加者代表の高校生と引率した先生にプログラムに参加した後の心境をインタビュー。

自分の言葉で伝えることの意義を実感

猪狩 桃佳 さん Igari Momoka

高校3年生。吹奏楽部でトランペットを担当。
日米文化会館(JACCC)のコンサートで福島の情景を
映し出すシーンではソロ演奏を見事きめ、観客を魅了した。
高校卒業後は、専門学校で保育について学び、
保育士・幼稚園教諭の免許取得を目指す。

参加することになったきっかけは?

私は高校2年の時、所属している吹奏楽部でドイツで演奏する機会があり、また外国でさまざまなことにチャレンジしたいと思っていました。ただ、こうした企画は英会話の高いスキルが条件になっている場合が多く、応募をためらっていました。このプログラムはツイッターを通して知ったのですが、応募時の英語力はさほど問われず、福島県在住で音楽に興味のある方とあったので、挑戦してみようと決意しました。

日米の文化の違いを感じたことは?

アメリカの高校生は全般的に大人っぽいと感じました。日本よりノリの良い人が多く、積極的に話しかけてくれました。さまざまなところで日米の違いを感じながらも、老人ホームでのボランティア体験では、音楽は万国共通だと実感しました。『見上げてごらん、夜の星を』を全員で歌って披露した際、入居する方々がなつかしそうな表情で耳を傾けてくれたことがとても印象深いです。お手伝いをしたおばあさんにとても感謝され、お別れの時「次はいつ来るの?」と日本語でたずねられて涙が止まらず、この体験を通し、海外で人の役に立ちたいという想いが生まれました。

今回の渡米で大変だったことは?

米国海軍の将校の方とお話するという貴重な機会があったのですが、思いのまま話すには至らず、語学力の向上が課題だと痛切に感じました。日米文化会館(JACCC)で開いたコンサートでは、全員が震災について語り、支援活動への感謝の気持ちを英語で伝えました。私も意を決して、これまであまり口にすることのなかった津波により自宅が半壊になった経験を語りました。来場した人達は真剣に聴いてくださり、お互い顔を見ながら思いや経験を伝えることはとても重要だと思いました。福島の写真を映し出す場面ではソロでトランペットを吹いたのですが、あたたかい拍手をいただき、頑張った甲斐があったと胸いっぱいになりました。

あなたの将来の夢、今後の目標は?

昔から保育士か幼稚園教諭になりたいと思っていました。今回ホストファミリーや現地の学生、米軍の方々、スタッフの方々などの出会いを通して、私も何かしら海外で人の役に立ちたい、貢献したいという新たな目標ができました。具体的には、海外の子ども達と触れ合い日本語を教えるボランティアを考えています。また福島の実情を知らない人も多いと感じたので、少しでも震災のことや復興の様子をわかってもらえるよう自分の言葉で伝えていきたいと思っています。今回のプログラムによって自身のビジョンが明確になったことは、大きな財産だと言えます。

他国の文化・伝統のすばらしさを実感

長谷川 恵海 さん Hasegawa Megumi

スピーチ体験が自信につながった
以前から視野を広げるため海外に留学したいと考えていたので応募しました。
米軍の方達を前に震災の体験を一人でスピーチする企画の際、自分を高める経験になるのではと思い切って立候補しました。本番では途中スライドが止まるトラブルがあったのですが、何とか落ち着いて対応でき、アクシデントに負けなかった経験が、自分に自信が持てるよいきっかけとなりました。
一方、英語が聞きとれない時、不快に思われないかと復唱をお願いできず、失敗を恐れない心を持たなければと反省しています。将来の夢はウェディング・プランナーです。このプログラムを通じて他国の文化・伝統のすばらしさを実感しました。今後も、積極的に異文化に関わり、将来はさまざまな国の方達に喜んでもらえる最高の結婚式を提供できたらと考えています。また、東北の現状を説明するのは意外とむずかしいと感じたので、私自身ももっと理解を深め、情報を発信していきたいです。

自分の思いを外国の人に直接伝える貴重な機会に

高倉 亮 さん Takakura Ryo

国を越えて、コミュニケーションの大切さを肌で感じた
自信がもてなかった英語力を向上させたいと考えていたところ、高校の先生から興味があるなら応募してみたらとアドバイスを受けたことに始まります。アメリカでは、学校で習っている英語では通じないこともあり、ジェスチャーも交えて、必死で意思疎通を図りました。簡単な英語でもコミュニケーションをとることで、もっと英語力を向上させたいと意欲が高まりました。地元のトーランス高校の学生と会った時は同世代だし仲良くなりたいと思い、「PPAP」を一緒に踊って仲を深め、いまもメールやSNSでやりとりを続けています。チャリティーコンサートで震災のことを一人ずつ英語で発表する場面では、緊張したけれど、外国の人に英語で自分の思いを伝える機会はなかなかないため、有意義な体験となりました。
将来の夢は、JR東日本の新幹線の運転士になることです。東京五輪が近いですし、外国人観光客を案内することを念頭に置いています。春からは英会話の塾に通い、大学生になったらアメリカに留学する計画です。また今回仲良くなった人達と交流を深めて、東日本大震災の実情をもっと伝えていかなくてはと思っています。日本で震災があったことは知られていますが、現状はあまり認識されていないと感じたためです。日本に遊びにきてもらい、福島は安全なことを感じとってもらい、周囲に伝えてもらえたらと思っています。

さまざまな出会いから視野が広がった

降矢 璃乃 さん Furuya Rino

気負わず自然に交流したい
もともと引っ込み思案な性格だったため積極性を身につけたいと思って応募を決めました。訪問先のトーランス高校ではシャイなタイプの学生にも出会い、アメリカ人はみんな明るくて積極的という印象がガラリと変わりました。世界にはいろいろな人がいて気負う必要はないのだと思えるようになったのは大きな変化です。
アメリカで、Wi-fiがつながらずネット辞書が使えない時には、自分の力で知っている単語を駆使して頑張って交流したのも良い経験になりました。ただホストファミリーに食事や行きたい場所をたずねられた時、遠慮もあってあいまいな返答をしてしまったことが心残りでした。日常的な英語力の向上もそうですが、ふだんから自分の考えを相手に自然に伝えられるよう心がけていきたいです。将来は国際看護師になりたいので、さまざまな人と接することができるようコミュニケーション能力を高めたいと思っています。

プログラム関係者の声

先生のインタビュー

高校生達に“夢の実現には、自分が変わり行動する必要がある”と気づかせてくれた

星 由紀子 先生
Hoshi Yukiko

このプロジェクトでは語学力だけでなく、自分の思いを他者に伝える力が問われたと思います。パレードでの演奏や震災を語るコンサートなどを通して、誰かに思いを伝えたいという気持ちがどんどん引き出されたのだと感じています。日米文化会館(JACCC)でのコンサートや米軍の方々との食事会では、震災被害の様子や復興への取り組みなどをありのままに伝える機会となりました。自宅が津波の被害にあったり親族を亡くされた高校生もいたのですが、思いを言葉にしたことでほっとした面もあったようです。
今回、街全体でパレードを盛り上げていく様子を目の当たりにして、「継続がいつしか伝統となり、地元の誇りにつながっていくんですね。自分達も将来挑戦したい」と話す高校生もいました。短期間のうちに、夢の実現には自分が変わり行動する必要があると気づいたことは大きな成果だと思います。当初バラバラな状況でしたが、徐々に打ち解け、誰もが率直な意見を言い合うようになりました。明確なビジョンを持った高校生たちは、今後より一層成長していくものと確信しています。

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