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アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト支援

2016年の競技課題は「ロボットニューフロンティア」冒険の海を越え、新大陸に砦を築け!

若きエンジニアの夢への挑戦“高専ロボコン”に、Hondaは特別協賛。若きエンジニアの夢への挑戦“高専ロボコン”に、Hondaは特別協賛。

全国の高専生にとっての一大イベント、“高専ロボコン”(「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」)。
「発想力と独創力」を合い言葉に、毎年異なる競技課題に対してアイデアを駆使したロボットを製作し、その成果を競い合います。
既成概念にとらわれず自ら考え、自らの手でロボットをつくることで、発想することの大切さや、
モノづくりの素晴らしさを共有し合う全国規模のこのイベントに、Hondaは2002年から特別協賛。
次世代育成支援という観点で特別賞を設けるなど、未来のエンジニアたちを応援しています。

“聖地”国技館に、全国から25チームが集結。ASIMOの開会宣言で熱戦がスタート。“聖地”国技館に、全国から25チームが集結。ASIMOの開会宣言で熱戦がスタート。

2016年の高専ロボコンには、全国の高等専門学校57校62キャンパス
から124チームが参加。全国8地区で行われた地区大会を勝ち進んだ
25チームが、11月20日の全国大会に集結しました。
決戦の舞台となる両国国技館は、ロボコンに挑むすべての高専生にとって
特別な場所。力士がぶつかり合う土俵ではなく、この日だけは
ロボット同士が戦う競技フィールドが中央に設置されます。
東西の支度部屋も各チームのピットとして開放され、
緊張感漂う独特な雰囲気に。早朝から会場入りした学生たちは、
時間ぎりぎりまでロボットの最終調整に余念がありません。
一方、国技館の周辺も入場を待つ応援団やロボコンファンで大賑わい。
開場と同時に、場内は早くも熱戦への期待に包まれました。
開会式では、照明が落とされたステージにHondaの人型ロボット
ASIMOが登場。軽快で愛嬌のある動きを披露しながら、
ロボットの新時代の幕開けとなる第29回大会の開会を宣言しました。

Honda 解説Honda 解説

(株)本田技術研究所 基礎技術研究センター 室町維昭

解説者
Profile
むろまち まさあき:2004年の入社以来、Hondaの人型ロボットASIMOの研究開発に携わり、主にメカ設計業務を担当。自らの仕事を「求められる機能(夢や想い)を具体化し、カタチ(製品)にすること」と表現。「オリーブオイルソムリエ」や「よさこいの踊り手」としての顔も持つ38歳。2016年高専ロボコン全国大会を、ロボット開発者の視点から分析・解説する。
人に近い、スムーズな動きができるASIMO人に近い、スムーズな動きができるASIMO

ASIMOの特徴は、なんといってもその「動き」。歩行や走行など移動する時の脚の動きに注目してみてください。一本足になろうとも、左右にふらついたりせず、素早く動くことができます。また、頷く時の首の動きや、腕の振り方なども注目ポイントです。人に近い表現ができるのは、全身をくまなく使いこなせるASIMOならではの動きですね。

開発者の私が言うのもなんですが、暗闇の中で耳と胸だけが光って浮かび上がるシーンは格好良かったですね。今日のような暗闇からの登場は、とても珍しいシチュエーションなんですよ。

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新大陸にブロックを積み上げ、より高い「砦」を築いたチームが勝利。新大陸にブロックを積み上げ、より高い「砦」を築いたチームが勝利。

今年の競技課題は「ロボット・ニューフロンティア」。ロボットによる新大陸開拓がテーマです。
フィールドで戦う人数は3人と決められていますが、ロボットの台数と展開サイズに制限はなし。
①スタート地点の港町で灯台を建てる ②海を渡る ③新大陸にブロックを運ぶ ④ブロックを積んで砦を築く
という4つの課題ポイントに対してどんな解決策で挑むかが、各チームのアイデアの見せどころです。
制限時間の3分以内に、相手より1段でも高く積み上げたチームが勝利。
オリジナルのシンボルを最上部に乗せることで、砦の完成が認められ、その高さが記録となります。
途中でロボットが海に落ちると手前の港町や島まで戻って再スタート、
砦となるブロックは上にいくほど幅が狭くなるように積まなくてはいけないなど、
安定感や精確さも勝負のカギとなります。詳しいルール説明は高専ロボコンオフィシャルサイトをご覧ください。

競技の模様を動画で見る競技の模様を動画で見る

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ロボット製作のポイントは、剛性、バランス、確実性ロボット製作のポイントは、剛性、バランス、確実性

今年の競技課題をクリアするために注意すべきポイントは「剛性、重心バランス、確実性」の3つ。剛性(=フレームがどれだけたわんでしまうか)を考慮しないと、ロボットが振動して移動が不安定になり、狙った場所にブロックを置くのが難しくなります。重心バランスにも気をつけないと、ブロックをたくさん積み込んだ時に前のめりに倒れてしまう。そして最後は、いかに確実に置けるかが勝負。砦を高くするにはブロックを一段一段きれいに積んでいく必要があります。操作ミスによる失敗は悔やみきれないでしょうから、できるだけ人の手によらずブロックをコントロールできる方が有利ですね。

これらのポイントを踏まえた上で、各チームがどんなアイデアで挑んでくるのかが見どころになりますね。

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まさにアイデア対決。想天外なロボットが魅せる、競う、積み上げる!まさにアイデア対決。想天外なロボットが魅せる、競う、積み上げる!

灯台をつくる間に別のロボットで海を渡り、時間を有効に使おうという
作戦はほとんどのチームに共通していましたが、海の渡り方は千差万別。
橋を架けてその上を走る、自由に使える船(キャスター)に乗って
モーターや風力で進む、大陸側にかけたロープでロボットを
引っ張る・・・ついにはフィールドを囲うフェンスを掴んで進む
ロボットまで登場するなど、多彩なアプローチが次々と繰り出されます。
ブロックの運び方や砦の築き方もさまざま。
大型ロボットで一度にたくさん運搬する“安定感”タイプ、
港から新大陸までブロックを投げて届ける“飛ばし”タイプ、
あらかじめ砦の形にブロックを成型して運び、一気に立ち上げる
“大逆転”タイプなど、それぞれの個性が光ります。
また、砦の最上部に置かれるシンボルにも、各チームのこだわりが。
地元の名所旧跡や名産品などをモチーフにした地域色豊かなデザインでも
会場を楽しませていました。
目が離せない激戦の連続は、まさにアイデア対決。
一回戦、二回戦と対戦のたびに観客席からは歓声、ため息、
笑いが起こり、会場一体となって盛り上がりました。

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アイデアをカタチにする難しさアイデアをカタチにする難しさ

「相反する条件をすべて満たす」というジレンマは、モノづくりにはつきものです。高専生の皆さんも大いに悩まされたのではないでしょうか。

たとえば、「しっかりした橋を載せたロボットにしたい」というアイデアを採用すると「橋の重さで重量制限をオーバーしてしまうので、予定していたモーターが載せられない」とか、「ブロックを高く積むために、高く伸びるロボットにしたい」というアイデアを採用すると「ブロックの重みでロボットの先端が揺れてしまい、早く精確に積み重ねるのが難しくなる」などといった葛藤があったことでしょう。

そんな難しい状況でも、個性が光るロボットがたくさんありました。特に印象的だったのは、橋をローリングさせダイナミックに開く舞鶴高専「鶴THE塔」(写真)と、レールを一段ずつスライドしながら敷いていきトロッコを高速で走らせた新居浜高専「しまなみ海銅」。競技フィールドのヘリを掴んで進むという徳山高専「黒猫号」のアイデアには脱帽です!ルールとにらめっこしながら、考えに考え抜いてひねり出したアイデアなんでしょうね。

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涙、歓喜、まさかのトラブル・・・名勝負が生むドラマも、高専ロボコンの醍醐味。涙、歓喜、まさかのトラブル・・・名勝負が生むドラマも、高専ロボコンの醍醐味。

準々決勝までが終わりベスト4が出そろうと、場内の緊迫感もさらに
高まります。準決勝第一試合は、香川高専(高松キャンパス)・ロボット名
「八機八構(ハッキヤコウ)」 VS 明石高専・ロボット名「あさごん」。
安定感ある動きと高く伸びるアームでブロックを積み上げる香川に対し、
明石はブロックを下から挿入して砦を高くしていく作戦です。
香川高専が6段の砦を早々と完成させ、残り時間は45秒。
明石高専も時間ぎりぎりで同じ6段を積み上げ、同点に追いつきます。
結果は、先に砦を完成させた香川高専の判定勝ちとなりましたが、
最後まであきらめず戦った明石高専にも会場から大きな拍手が
送られました。
準決勝第二試合は、大会ナンバーワンの高さを狙う奈良高専・
ロボット名「Δ(デルタ)」と、審査員推薦で敗者復活を果たした
ワイルドカード枠の大分高専・ロボット名「烈覇(レッパ)」の対戦。
奈良高専は安定した動きで新大陸に橋を架け、先に砦をつくり始める
ものの、まさかの回路トラブルが発生し痛恨のタイムロス。場内が騒然と
する中、圧縮空気で伸ばした2本の竿を渡って大分高専も上陸、
順調に砦の高さを上げていきます。大会二連覇を狙った奈良高専でしたが
最後まで挽回できず、大分高専が決勝進出を決めました。

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ロボットの性能も、あきらめない強さも、さすがベスト4!ロボットの性能も、あきらめない強さも、さすがベスト4!

香川高専VS明石高専で注目すべきは、一度に運べるブロックの数。香川は10個、明石は16個、つまり運んだブロックすべてを時間内に積めれば明石の勝ちが確定。あとはどれだけ早く積めるかが勝敗のポイントになります。ただし1段ごとの左右の配置調整にもそれなりに時間がかかり、ここで焦ると操作ミスが出てしまう。香川にリードされプレッシャーがかかる中、冷静さを失わず同点に持ち込んだ明石の学生たち(写真)、その諦めないハートの強さに感動しました。

奈良高専VS大分高専では、ブロックを下から差し入れる戦略はどちらも同じ。左右幅を自動調整できる奈良が圧倒的に有利だと予想しましたが、練習でも滅多に出ないというトラブルが起きるなんて、噂どおり国技館には“魔物”がいるんでしょうか・・・不安要素をつぶし切れなかったことを悔やんでいましたが、今大会で唯一、3mを超える高さの砦を築きあげたという称号は揺るぎのないものです。記憶にも記録にも残るロボットだったと思います。

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手に汗握る決勝戦は、「安定感」VS「爆発力」の好対決。手に汗握る決勝戦は、「安定感」VS「爆発力」の好対決。

決勝の舞台に立ったのは、対照的なスタイルで勝ち進んできた2チーム。
安定感と確実性の香川高専か、ワイルドカードから勝ち上がり
勢いに乗る大分高専か。運命の3分間がいよいよ始まりました。
先にリードしたのは香川高専。わずか1分半で砦をつくりあげ、
揺るぎない強さを見せつけます。対する大分高専もミスのない見事な
操作で、自己最高となる2m40cmの積み上げに残り5秒で成功。
両チームの砦が同じ高さに並んだところでタイムアップを迎えました。
再試合決定のアナウンスにどよめく場内。
淡々とセッティングをし直す両チーム。そして再びのスタートコール。
1試合目同様、リードする香川を大分が追う展開となりますが、
その差は徐々に開き始めます。最後まで抜群の安定感を発揮した
香川高専が再試合を制し、優勝を勝ち取りました。
また、アイデア・技術・デザインすべてにおいて
優れたロボットを製作したチームに贈られる「ロボコン大賞」には、
二年連続で奈良高専が選ばれました。

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ロボコンの面白さと難しさが凝縮された決勝戦ロボコンの面白さと難しさが凝縮された決勝戦

香川高専(写真)が10個しかブロックを持っていけないのに対し、大分高専は常にブロックを補充できる。10個分の高さ=2m40cmを大分が超えられるかが勝敗のポイントだったので、同点に並んだ時は引き込まれました。 1試合目は本当に手に汗握る名勝負でしたね。

再試合となりましたが、香川にとっては、何度も何度も練習してつかんだ安定感ある戦い方をいつも通りにやるだけ。一方の大分は、これ以上ないくらいのベストパフォーマンスをもう一度発揮できないと戦況は厳しい。この差が勝負の分かれ目になりました。どんなプロスポーツ選手であっても、120%のパフォーマンスを連続で2回も出せと言われたらキツいですよね(苦笑)。

〈〈今年の高専ロボコンに参加した皆さんへ〉〉

ロボットというひとつのカタチをつくりあげるまでには、さまざまな苦労があったと思います。自分たちのアイデアをどうしたら具現化できるか考え、あらゆる選択肢を試し、そしてまた考える、の繰り返しだったのではないでしょうか? 実はその思考の繰り返しこそが「設計」であり、“想いをカタチにする力”であり、“夢を実現する力”です。課題を解決するアイデアは無数です。そして、そのどれにも不正解はありません。自分の可能性を信じ、夢に向かってさらに羽ばたいていってください!

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「Honda賞」は明石工業高等専門学校・ロボット名「あさごん」に決定

ブロックを下から挿入する機構と、地区予選からの劇的な改良が決め手に。ブロックを下から挿入する機構と、地区予選からの劇的な改良が決め手に。

高専ロボコンでは、大会成績の各賞の他に、各協賛企業が選ぶ特別賞も
設けています。2002年から特別協賛しているHondaでは、
試合には残念ながら敗れたものの、ロボットづくりに独創的なアイデアや
工夫が見られるチームに「Honda賞」を贈呈しています。
今大会の「Honda賞」には、明石高専・ロボット名「あさごん」を
選出しました。
準決勝では、今大会の優勝校 香川高専(高松キャンパス)と接戦を展開。終了時間間際に同点に持ち込むも、審査員判定で悔しい結果となりました。
ASIMOの開発責任者であり、プレゼンターを務めた
(株)本田技術研究所 執行役員 重見聡史は、「ブロックを下から
滑り込ませるように挿入して砦を高くするアイデアと、
地区大会後にロボットの能力を大幅に進化させた点が素晴らしかった」
とコメント。
また明石高専は、機能的な美しさや装飾に秀でたロボットを
作ったチームに贈られる「デザイン賞」、さらにネット投票による
「ベスト胸キュンロボット賞」も受賞。
多くの人の心を動かした独創的なロボットと、それをつくりあげた
若きエンジニアたちに、会場から大きな拍手が送られました。

Honda賞おめでとう! 明石工業高等専門学校

Honda賞を受賞した明石高専に密着取材!ブロックを下から挿入するアイデアのきっかけ、地区大会からの劇的な
進化の秘密、天空の城 竹田城のシンボルに込めた想い・・・その独創のロボットづくりの舞台裏に迫ります。
取材レポートは2017年1月下旬に公開予定。ぜひご期待ください!

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ASIMO開発責任者 インタビュー 重見 聡史 (株)本田技術研究所 執行役員

ロボットの新しい時代を
若きエンジニアとともに拓きたい。
今年はロボットの大きさや台数に制限がなかったこともあり、
よりユニークで個性的なロボットがそろいました。まさにアイデア勝負でしたね。
複雑なルールを理解・分析し、さまざまなアイデアで
課題を解決しようとする工夫がどのチームにも見られました。
Honda賞に選ばせていただいた明石工業高等専門学校のロボットは、
積んだブロックを上に持ち上げ、下から滑り込ませるように挿入する機構のアイデアを
採用したことで、砦の築き方が非常に安定していました。また、
地区大会では12個だったブロックの運搬数を、わずか数週間で最大16個まで積めるよう進化させてきた
ことにも驚きましたね。独創性、探究心、チャレンジ精神、
これらの素晴らしさが決め手となりました。
高専生の皆さんがチーム一丸となって課題に取り組み、失敗を重ねながらもアイデアを出しあって創意工夫している姿に、いつも感動しています。
Hondaが大切にしている「チーム力」に相通じるものがありますね。
限界を超えるためにみんなで苦しみ、悩み、議論を重ねることが重要で、
そうして困難を乗り越えたときに初めて、モノづくりは前進します。
これからはロボットの時代です。そして、
その時代を支える大きな力となっていくのは皆さんです。
世の中に役立つ新たなロボットを、競い合い、高め合いながら、つくっていきましょう。