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学生フォーミュラの情熱が蘇る
学生フォーミュラOBエンジニアトーク
学生がチームを組み、フォーミュラカーの製作を通じてモノづくりの総合力を競う「学生フォーミュラ日本大会」。Hondaはこの大会を積極的に支援しており、Honda OB で結成された「マイスタークラブ」とともに学生たちをサポートするのが現役のHondaエンジニアたち。彼らもまた学生時代に学生フォーミュラに参加し、その喜怒哀楽の全てを知るメンバーだ。社会人となり、再び学生フォーミュラの現場に戻ってきた彼らに話を聞きました。
本田技術研究所 薄功大さん
2016年に本田技術研究所に入社。現在は、ナビゲーション・オーディオシステムの開発、機種適合を担当。学生時代、学生フォーミュラのチーム立ち上げという貴重な経験を持つ。
本田技術研究所 小久保陽平さん
2016年に本田技術研究所に入社。現在は電動パワートレインの開発を担当。学生フォーミュラでもパワートレインを担当しており、実践的な「モノづくり」を学生のときから数多く経験。
本田技術研究所 高橋健太さん
2016年に本田技術研究所に入社。現在は四輪商品の内装部品のスイッチ設計を担当。小さい頃からクルマが好きで、学生フォーミュラでは車両開発責任者とドライバーを兼任。
学生フォーミュラOBの3人にお話をうかがいました!
学生フォーミュラOBの
3人にお話をうかがいました!
高校生のころから
「学生フォーミュラ」を知ってた!?
「現職のHondaエンジニア3人に、学生フォーミュラの試走回の現場で、担当業務の合間に集まっていただき、話を聞きました。
ますはじめに、学生フォーミュラを始めたきっかけ、について尋ねると意外な共通点が!ありました。学生フォーミュラを支援しているHonda社内でも、学生フォーミュラの認知が、それほど高くないのが実情ですが、話しを聞いた3人のうち2人が、大学の進路決定の要素のひとつに、「志望校が学生フォーミュラをやっているかどうか」を考えたというのです。
「学生フォーミュラに参加しようと思ったきっかけは、最初に大学に入る前からF1やっている会社に入りたいと思っていましたので、Honda を第1志望に考えていました。F1をやるために学生時代に何をすればいいかを考えたとき、学生フォーミュラをやってる大学の中から進学先を考えるようになりましたね」と薄さん。
最終的には、系列の高校から大学に入学することになったそうですが、今度は入学した大学に学生フォーミュラのチームがなかった...。ちょうど先輩がチーム立ち上げ準備をしていて、そこに参加してフォーミュラのチームを立ち上げを経験したそうです。
将来就きたい仕事から逆算して、大学でやるべきことを思い描き、志望校を検討するのは、それほど珍しいことではないのですが、その就きたい仕事がF1で、その夢をかなえるために学生フォーミュラに行き着いた、しかもチームを立ち上げたとなるとなかなか聞かない話です。
もう一人、高校生の時から大学で学生フォーミュラを考えていたという高橋さんの参加動機はもっと純粋に「クルマが好きだから」というものでした。
「学生フォーミュラに参加したきっかけは、高校生の時から系列の大学に学生フォーミュラのチームがあるのを知っていたこともあり、『学生フォーミュラがやりたい』と思っていて、他のことを考えることもなく参加しました。もともとクルマが好きだったこともあり、そういう情報に対するアンテナの感度が高かったんだと思いますね」”先天的クルマ好き“を自称する高橋さんは、目を輝かせてきっかけを語ってくれました。
昨今の”若者のクルマ離れ“を考えれば、大学に入る前から情報をキャッチしているあたり、かなり意識が高いように思えますが、もしかしたら、それくらいクルマのことが好きだからこそ、学生フォーミュラへの参加は”必然“だったのかもしれませんね。
高校生のころから
「学生フォーミュラ」を知ってた!?
「現職のHondaエンジニア3人に、学生フォーミュラの試走回の現場で、担当業務の合間に集まっていただき、話を聞きました。
ますはじめに、学生フォーミュラを始めたきっかけ、について尋ねると意外な共通点が!ありました。学生フォーミュラを支援しているHonda社内でも、学生フォーミュラの認知が、それほど高くないのが実情ですが、話しを聞いた3人のうち2人が、大学の進路決定の要素のひとつに、「志望校が学生フォーミュラをやっているかどうか」を考えたというのです。
「学生フォーミュラに参加しようと思ったきっかけは、最初に大学に入る前からF1やっている会社に入りたいと思っていましたので、Honda を第1志望に考えていました。F1をやるために学生時代に何をすればいいかを考えたとき、学生フォーミュラをやってる大学の中から進学先を考えるようになりましたね」と薄さん。
最終的には、系列の高校から大学に入学することになったそうですが、今度は入学した大学に学生フォーミュラのチームがなかった...。ちょうど先輩がチーム立ち上げ準備をしていて、そこに参加してフォーミュラのチームを立ち上げを経験したそうです。
将来就きたい仕事から逆算して、大学でやるべきことを思い描き、志望校を検討するのは、それほど珍しいことではないのですが、その就きたい仕事がF1で、その夢をかなえるために学生フォーミュラに行き着いた、しかもチームを立ち上げたとなるとなかなか聞かない話です。
もう一人、高校生の時から大学で学生フォーミュラを考えていたという高橋さんの参加動機はもっと純粋に「クルマが好きだから」というものでした。
「学生フォーミュラに参加したきっかけは、高校生の時から系列の大学に学生フォーミュラのチームがあるのを知っていたこともあり、『学生フォーミュラがやりたい』と思っていて、他のことを考えることもなく参加しました。もともとクルマが好きだったこともあり、そういう情報に対するアンテナの感度が高かったんだと思いますね」”先天的クルマ好き“を自称する高橋さんは、目を輝かせてきっかけを語ってくれました。
昨今の”若者のクルマ離れ“を考えれば、大学に入る前から情報をキャッチしているあたり、かなり意識が高いように思えますが、もしかしたら、それくらいクルマのことが好きだからこそ、学生フォーミュラへの参加は”必然“だったのかもしれませんね。
学生たちを豊富な経験で支える
「マイスタークラブ」
学生フォーミュラに自ら進んで参加した彼らにとっても、学生フォーミュラは苦労の連続だったようです。そんな彼らをサポートしたのは、Honda OB で結成された技術屋集団の「マイスタークラブ」でした。
「われわれは、特に立ち上げ間もないチームだったので「マイスタークラブ」に育ててもらったというのがあります。「マイスタークラブ」の方にクルマの作り方からいろいろ教わって、「この作り方だと車検に通らないよ」みたいなアドバイスをもてぎの試走会などに参加した際にいただいて、大学に戻ってその助言をもとに、本大会までに修正して間に合わせた、みたいなことなどがありましたね」と入学と同時にチーム立ち上げを経験した薄さん。彼らにとって「マイスター」の存在はとても心強かったはずです。
同じような経験を小久保さんもされたそうです。
「自分が3年生のときに、全日本大会期間中にエンジンを壊してしまう経験をしました。限られた時間の中でエンジンをどうするかを迫られた際に、現場にいたマイスターのみなさんにアドバイスをもらいながら、他校のエンジンを借りて突貫で載せ替え、翌日の競技に間に合わせたことがありました」
数多くの経験を積んできているマイスターだからこそ、学生だけでは到底解決できない窮地を、的確なアドバイスによって解決に導くことができたのでしょうし、
学生たちが学生フォーミュラを続けていく上で、「マイスタークラブ」の存在は欠かせないようです。
苦労の連続も、
全ては最高の瞬間のために
また、苦労という点においては、学生フォーミュラの活動を続けていくために、学業にあてるべき時間であったり、金銭面であったり、さまざまなことを犠牲にしなければならないことも多かったと話をしてくれました。しかし、それは1年かけてクルマを作り上げ、全日本大会で目標を達成するために必要な苦労であり、そこに夢や情熱を注ぐからこそ、報われる瞬間がやってくるのです。
「学生フォーミュラでの一番の思い出は、本大会を完走した瞬間でした。全日本大会に参戦したときに得た喜怒哀楽が、これまでの人生で一番の大きなものでした。最後の種目の最終コーナーを曲がったときに『1年かけてみんなで苦労して作り上げたクルマを壊すことなく、みんなのところに戻すことができた』ことを確信し、その瞬間、涙が溢れ出ました。」と語ってくれた高橋さんは、しばらくヘルメットを取ることができなかったそうです。
学生フォーミュラで得たアドバンテージ、そして責任感
学生フォーミュラで経験して得たものは、胃が痛くなるような苦労や一生の想い出だけではありません。4年間モノづくりと真摯に向き合ってきたことで、学生フォーミュラを経験してきていないエンジニアに対して、明らかなアドバンテージを感じる瞬間があるそうです。
「大学でほとんど座学しかやってきていない人たちに対して“モノに触り慣れている”という点では相当アドバンテージがあると実感しています。モノづくりはとにかく失敗がつきものなので、学生フォーミュラ経験者が失敗し慣れてるのは確かです。モノを壊してきた経験してこないと、今度はモノを触る勇気が出てこないんですよね。怖くなって触れなくなってしまうんです」と小久保さん。
単に失敗するということではなく、失敗から知恵をしぼり、試行錯誤を繰り返し、課題を解決するまでやってみる、を日常的にやってきた結果、その場数の差がそのままアドバンテージになっているようです。
また、薄さんからは「ここにいる他のみんなも同じようなことをどこかで感じていると思うのですが、学生フォーミュラで得た経験が活かされていることを実感する、となるとやはり「気合」と「ガッツ」と「根性」みたいなところは、役に立っていると思います。技術よりもメンタルなところの話になってくるのですが、要は「なんとしてでもやりきる」というところです」というコメントもありました。
トライ&エラーを繰り返して1年かけてクルマを作り上げる過程で、すべての過程に責任を伴った期限があり、それを達成するためには自分たちを突き動かす理屈抜きのパワーが必要で、技術力だけでなく「ハートの強さ」も求められる場面に何度も遭遇したその経験が「仕事をやりきる責任感」となっているのだと感じました。
モノづくりは苦労の連続。だからこそ、学生フォーミュラで培った経験が“生きた力”となるのだと思います。お話を聞いたみなさんも、学生フォーミュラで経験したことを着実に自分の武器に変えていることがとても印象的ですね。
若手エンジニア達の将来の夢
熱い想いを語ってくれた3人に“将来の夢”について聞いてみたところ、三者三様の答えが返ってきました。
「子どもの頃からF1が大好きで、将来は“オールHondaチーム” で日本人F1チャンピオンを誕生させること!」とストレートに熱い気持ちを返してくれたのは、高校生の頃からF1をやっている会社への入社を目指し、進路を検討する上で学生フォーミュラの有無を考えた薄さん。
一方で小久保さんの夢は、「走る実験室(=レース)で技術力を磨きたいので、モータースポーツに関わり、世界に挑戦していきたい」と答えてくれました。同じモータースポーツでも、目的が「自己研鑽の場」と捉える考え方もあって、とても面白いと思いました。
今でも自分自身の原点である「クルマが好きだ!」という気持ちを持ち続けてる高橋さんの夢は「未来の子ども達にも自分の想いが伝わるような魅力的なクルマの開発」なのだそうです。
3人の夢の話を聞いて、3人に共通するのは「夢を持ちその夢に向かって情熱を傾けることが大切」で、学生フォーミュラという活動が、その夢に対して具体的に「なにをしなければならないか」を明確にするきっかけとなっている、ことに感銘を受けました。
だから、学生フォーミュラに対する熱い想いが潰えることもないですし、社会人となって就いたいまの仕事も、夢に直結してると信じて一生懸命がんばれるんですね。
学生たちを豊富な経験で支える
「マイスタークラブ」
学生フォーミュラに自ら進んで参加した彼らにとっても、学生フォーミュラは苦労の連続だったようです。そんな彼らをサポートしたのは、Honda OB で結成された技術屋集団の「マイスタークラブ」でした。
「われわれは、特に立ち上げ間もないチームだったので「マイスタークラブ」に育ててもらったというのがあります。「マイスタークラブ」の方にクルマの作り方からいろいろ教わって、「この作り方だと車検に通らないよ」みたいなアドバイスをもてぎの試走会などに参加した際にいただいて、大学に戻ってその助言をもとに、本大会までに修正して間に合わせた、みたいなことなどがありましたね」と入学と同時にチーム立ち上げを経験した薄さん。彼らにとって「マイスター」の存在はとても心強かったはずです。
同じような経験を小久保さんもされたそうです。
「自分が3年生のときに、全日本大会期間中にエンジンを壊してしまう経験をしました。限られた時間の中でエンジンをどうするかを迫られた際に、現場にいたマイスターのみなさんにアドバイスをもらいながら、他校のエンジンを借りて突貫で載せ替え、翌日の競技に間に合わせたことがありました」
数多くの経験を積んできているマイスターだからこそ、学生だけでは到底解決できない窮地を、的確なアドバイスによって解決に導くことができたのでしょうし、
学生たちが学生フォーミュラを続けていく上で、
「マイスタークラブ」の存在は欠かせないようです。
苦労の連続も、全ては最高の瞬間のために
また、苦労という点においては、学生フォーミュラの活動を続けていくために、学業にあてるべき時間であったり、金銭面であったり、さまざまなことを犠牲にしなければならないことも多かったと話をしてくれました。しかし、それは1年かけてクルマを作り上げ、全日本大会で目標を達成するために必要な苦労であり、そこに夢や情熱を注ぐからこそ、報われる瞬間がやってくるのです。
「学生フォーミュラでの一番の思い出は、本大会を完走した瞬間でした。全日本大会に参戦したときに得た喜怒哀楽が、これまでの人生で一番の大きなものでした。最後の種目の最終コーナーを曲がったときに『1年かけてみんなで苦労して作り上げたクルマを壊すことなく、みんなのところに戻すことができた』ことを確信し、その瞬間、涙が溢れ出ました。」と語ってくれた高橋さんは、しばらくヘルメットを取ることができなかったそうです。
学生フォーミュラで得た
アドバンテージ、そして責任感
学生フォーミュラで経験して得たものは、胃が痛くなるような苦労や一生の想い出だけではありません。4年間モノづくりと真摯に向き合ってきたことで、学生フォーミュラを経験してきていないエンジニアに対して、明らかなアドバンテージを感じる瞬間があるそうです。
「大学でほとんど座学しかやってきていない人たちに対して“モノに触り慣れている”という点では相当アドバンテージがあると実感しています。モノづくりはとにかく失敗がつきものなので、学生フォーミュラ経験者が失敗し慣れてるのは確かです。モノを壊してきた経験してこないと、今度はモノを触る勇気が出てこないんですよね。怖くなって触れなくなってしまうんです」と小久保さん。
単に失敗するということではなく、失敗から知恵をしぼり、試行錯誤を繰り返し、課題を解決するまでやってみる、を日常的にやってきた結果、その場数の差がそのままアドバンテージになっているようです。
また、薄さんからは「ここにいる他のみんなも同じようなことをどこかで感じていると思うのですが、学生フォーミュラで得た経験が活かされていることを実感する、となるとやはり「気合」と「ガッツ」と「根性」みたいなところは、役に立っていると思います。技術よりもメンタルなところの話になってくるのですが、要は「なんとしてでもやりきる」というところです」というコメントもありました。
トライ&エラーを繰り返して1年かけてクルマを作り上げる過程で、すべての過程に責任を伴った期限があり、それを達成するためには自分たちを突き動かす理屈抜きのパワーが必要で、技術力だけでなく「ハートの強さ」も求められる場面に何度も遭遇したその経験が「仕事をやりきる責任感」となっているのだと感じました。
モノづくりは苦労の連続。だからこそ、学生フォーミュラで培った経験が“生きた力”となるのだと思います。お話を聞いたみなさんも、学生フォーミュラで経験したことを着実に自分の武器に変えていることがとても印象的ですね。
若手エンジニア達の将来の夢
熱い想いを語ってくれた3人に“将来の夢”について聞いてみたところ、三者三様の答えが返ってきました。
「子どもの頃からF1が大好きで、将来は“オールHondaチーム” で日本人F1チャンピオンを誕生させること!」とストレートに熱い気持ちを返してくれたのは、高校生の頃からF1をやっている会社への入社を目指し、進路を検討する上で学生フォーミュラの有無を考えた薄さん。
一方で小久保さんの夢は、「走る実験室(=レース)で技術力を磨きたいので、モータースポーツに関わり、世界に挑戦していきたい」と答えてくれました。同じモータースポーツでも、目的が「自己研鑽の場」と捉える考え方もあって、とても面白いと思いました。
今でも自分自身の原点である「クルマが好きだ!」という気持ちを持ち続けてる高橋さんの夢は「未来の子ども達にも自分の想いが伝わるような魅力的なクルマの開発」なのだそうです。
3人の夢の話を聞いて、3人に共通するのは「夢を持ちその夢に向かって情熱を傾けることが大切」で、学生フォーミュラという活動が、その夢に対して具体的に「なにをしなければならないか」を明確にするきっかけとなっている、ことに感銘を受けました。
だから、学生フォーミュラに対する熱い想いが潰えることもないですし、社会人となって就いたいまの仕事も、夢に直結してると信じて一生懸命がんばれるんですね。
学生たちへのメッセージ

最後に、学生フォーミュラOBとして、学生のみなさんに一言メッセージをもらいました。

「悔いがないように全力で学生フォーミュラに打ち込んでほしいです。それでも悔いは残ると思うんですよ。学生なので学業はもちろん大事ですが、大学にいる間しか経験できないことですので、やり残すことがないように、やり切ってほしいですね。自分たちがこういうことを口にするのはその当時のことを思い出して言っているのは事実ですし、『自分がもう一度学生フォーミュラをやりたいな』『今度は自分が若い学生をサポートして恩返ししたいな』という気持ちがあるからですね。」

「もう一回学生に戻ってフォーミュラをやりたい」
「学生フォーミュラに恩返しがしたい」

学生フォーミュラに対する
熱い気持ちを語ってくれた3人からは、
OBとなってもなお尽きることのない
学生フォーミュラに対する情熱を感じました。

Hondaはこれからも
若手エンジニアの育成支援の場として
学生フォーミュラをサポートしてまいります。